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不登校・ひきこもり解決支援者の現場日記
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携帯依存症?
子ども達の携帯電話の利用が問題視されてきています。
文科省の調査の報告記事が掲載されていました。
http://www.asahi.com/national/update/0225/TKY200902250315.html
わが家にも小6の娘がいますが、携帯電話の所有率が、小6が25%、中2が46%、高2では96%に
及ぶということです。
娘にも持たせていますが、もっぱら防犯目的です。ピアノ教室に通っていますので、GPSで教室へ
着いているかが確認できます。ですから当然平日は持ち歩きませんし、休日親と離れて行動する時
のみ携帯させます。
記事の中で気になったのが、利用場面です。
「食事中」という答えは小6が12%、中2が25%、高2は22%
「入浴中」は小6で3%、中2で10%、高2では17%
ここまでくると、もう依存症といっていいでしょう。
食事中に使用することに対して、親はなぜ注意しないのでしょうか。
「時間帯が違い、一緒に食事をしていないから」と返ってきそうですが、食事の様子をうかがうことも
しないのでしょうか。
ただこれは、何も子どもたちだけではないような気がします。
通りを歩く大人の中にも、携帯を開いて歩いている人も少なくありませんし、運転しながら携帯をのぞ
きこんでいる人もいます。
喫茶店で同じテーブルに座っているのに、互いが会話もせず携帯に指を走らせている人たちもいま
す。
携帯が手元にないときっと落ち着かないのでしょう。
こういった依存症質は、虚無感、喪失感からきています。
心の空虚さから、何ものかに執着、依存してしまうのです。
ですから現代人は、子どもも大人も何らかの虚無感を抱えて生きているのでしょう。
このあたりは、ひきこもる青年たちと全く同じです。
彼らは、自己喪失の恐怖から人を遠ざけ、虚無感から生きていく希望を失っています。
携帯メールに依存する子どもたちは、顔も見たこともない相手をメル友と称し、人間関係を構築して
いる気になり、文字や絵文字といった字面相手に一喜一憂しています。
きっと家庭の中で、家族が互いの顔を見て会話をするという場面自体が少ないのではないでしょうか。
もしかすると、2階の子供部屋と1階で親子がメールで会話をしているのかも知れません。
明治天皇の『五箇条の御誓文』に「各其の志を遂げ、人心をして倦ままざらしめんことを要す」という
文言があります。
志、生きがいのある目標をもって自分らしく生きるということです。
心が暇になれば、人間ろくなことは考えません。
子どもたちの心になぜ虚無感があるのかを私たち、大人、親は考えなければなりません。
今、生きているという実感がありますか?
生きていくという自覚がありますか?
より良く、豊かに生きていくという意欲がありますか?
生きていることを楽しむ余裕がありますか?
生きる充実感を得たいですか?
それが無ければ、あなたはムサボリック・シンドローム、“隠れひきこもり”です。
自分の世界に閉じこもり、何ものかに依存、執着し、貪りつくします。
気づかないまま。
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(管理者:中光 雅紀) 2009年2月26日 20:00 | 個別ページ | コメント(0) | トラックバック(0)
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同じカテゴリの記事
社会資源としていま私たちにこそできること Ⅲ
オバマ米新大統領が20日就任演説を行いました。
皆さんも聞かれたことと思います。
よその国のこととはいえ、何かこちらも勇気をもらえるすばらしい演説でした。
世界の経済不況と争いが一日も早く解決されればと祈るばかりです。
演説の中で心に残った言葉がありました。
「新たな責任の時代」です。
当協会では、家族問題の解決のための姿勢として、二つのことをあげています。
〈一切感謝〉と〈自己責任〉です。
要旨だけを述べますと、
〈一切感謝〉ができると現状を受容できます。
不足や不満だけを感じていれば、目をそらしがちになります。
現状をありのままに観察し、そこから与えられたもの(恵み)を感じ取ることができれば、自ずと感謝
の気持ちが生じます。
不登校やひきこもりといったわが子のメッセージから与えられたものを読み取ってください。
〈自己責任〉というのは、自分の後始末は自分ですることです。
それは他人に尻拭いをさせないことです。
ですから必ず義務が関係してきます。
親としての義務は、養育と教育があります。
「養育」によりわが子を安全にし、「教育」により安定を与えます。
そして二つがそろうことで、安心が得られるのです。
また、わが子に安全と安定と安心を与えることが親の義務とも言えます。
はたせなかった義務の後始末を他者やわが子にさせてしまっていないでしょうか。
母性がはたすべきこと、父性がはたすべきことがなおざりにされ、夫が妻を、妻が夫を互いに責め
あっていませんか?
互いが責めあうのではなく、自己反省し、許しあい、補いあえば、無益ないさかいをすることもないの
です。
自分の中で、自分の代でおさめておかなければならなかったものを、わが子に引き継ぎ、持ち越して
しまったものはありませんか?
自分が満たされず、埋め合わせが未だできないている心の隙間を、わが子を思うままにすることで、
埋めようとしていませんか?
愛すことよりも、わが子から愛されたいと思っていませんか?
それらはすべて、自己責任をはたしていないことです。
オバマ新大統領は、「国民の信念と決意が、国が頼りとするところだ」と述べました。
信念と決意
これは、行動を起こし、成果を出すために必要なことです。
「そんなことぐらい分かっている!」
よく聞く言葉です。
分かっているつもりでも、行動が伴っていなければ分かっていないのと同じです。
本当にわが子に寄り添い、わが子の苦悩を除き、現状を改善しようと決意(腹くくり)ができてこそ、
様ざまな障害にもあきらめず、家族の絆の再生をやり遂げるのです。
私たちは、これまでの支援実績から、ひきこもる当事者たちの声を翻訳して、家族に伝えることができ
ます。
そのことで、今わが家に何が起こっているのかを知ることが出来、何の責任をはたすべきなのかが
分かってきます。もちろん、それからもとても困難な道のりが待っています。
しかし、オバマ新大統領の言葉にもありました。
『われわれが、自身に、国に、世界に、喜んで義務を持つという認識、困難な任務に身をささ
げるほど精神を満足させるものはないとしっかりと認識することだ』
と。
私たちも信念をもって、社会的ミッションと心得て、支援活動を続けていこうと決意を新たにしました。
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(管理者:中光 雅紀) 2009年1月24日 17:17 | 個別ページ | コメント(0) | トラックバック(0)
引きこもり打開したい
年が明け早々に傷ましい事件が起こりました。
昨日、千葉県市川市欠真間(かけまま)で、17歳の通信制高校一年が父親を刺し殺した事件です。
調べに対し、この少年は「引きこもりを打開したくて刺した」と供述しているとのこと。
中1の後半から不登校だったそうですが、昨日のTVニュースでは、小学生のころは、明るくクラスの
人気者だったと報じられていたようです。
今朝の新聞には、事件前日にインターネットの掲示板に本人と思われる書き込みがあったと記されて
いました。 内容は、
「愛する父を殺そうと思っています」
「明日にはすべて結果が出る」
「これは一時的な衝動。人間としては決して父を嫌ってはいない。いや嫌ってはいるけれど」
以前のブログhttp://www.interbrain.co.jp/blog/2008/11/post-64.phpで、私は、芹沢俊介氏の
「引きこもるという情熱」の中で、氏が引きこもりの失敗と称して、自らが主張する「正しい引きこもり」
ができなかったら、凶悪犯罪者にもなってしまうといくつかの事件を引き合いに出し述べていることに
対して、一部のメディアや氏のような評論家たちが、ひきこもり=犯罪者予備軍といった誤ったイメージを
社会に与えていることに強い憤りを感じるということを述べました。
また、http://www.interbrain.co.jp/blog/2008/11/post-65.php で私は、昨年3月に岡山駅のホーム
であった18歳の少年による突き落とし事件にふれ、少年と父親との関係が事件を誘引したことについ
て述べました。
今回のケースでも、少しずつ詳細が明らかになっていくでしょうが、事件の当事者がたまたま不登校や
ひきこもりであったということで、不登校、ひきこもりが、事件を起こし易いといったことではまったくあり
ません。
しかし現実には、こういった事件が報道されると、「下手に本人に説教したり、刺激するのは良くない
から、黙ってほっておいた方がいい」といった軽薄な考えに至ってしまうことも少なくないようです。
先のhttp://www.interbrain.co.jp/blog/2008/11/post-64.php で私は、ただ待つことは、問題の
見送り、先送りにしか過ぎないことをお話ししました。
これはかえって、事態を深刻化させ、結果的にこのような事件を誘発させることになりかねません。
今回の少年が言っているように、まさに衝動的にです。
少年は、「人間としては決して父を嫌ってはいない」と記述していますが、
「決して父を嫌ってはいけない」という意味が込められているような気がします。
その後に「いや嫌ってはいるけれど」とあるからです。
「愛する父」とも言っています。
ニュースでも、父親とは決して仲が悪かったわけではなかったように報じられていました。
「嫌ってはいけない」と思えるほど、父親に対して感謝や慕っていたところがあったのではないでしょう
か。
その一方で、うとましく思えるところがあったのでしょう。
岡山の事件の少年のような、父親への信頼感の裏返しだったかも知れません。
今回の少年は、引きこもりを打開したいことを動機として述べています。
であれば、この父親が引きこもりから抜け出せない理由になっていた可能性があります。
「父親が抜け出せない理由に?」
怪訝に思われた方も多いかも知れません。
しかし、実は“ひきこもり”という現象は、親と子の共同作業によって長期化するのです。
つまり、わが子がひきこもり、「思うようにならない」「親亡き後この子はどうなるだろうか・・・」と苦慮し
ている親自身が、長期化に一役も二役もかっているということなのです。
かねての支援活動の中でも、第三者の介入が始まり、まさに本人に変化が現れだしたとき、親がその
変化を留めようと障壁になる場合があります。
これをオートパイロット現象と言います。
ひきこもりの状態から変化が始まろうとすると、これまでのひきこもりの元の状態に自動的に戻そうと
してしまう現象です。
わが子がひきこもっていることがあたりまえ、自然な普通の状態となってしまっているのです。
そこから外れると自動操縦(オートパイロット)で元に戻すのです。
もちろん、親にはその自覚はありません。
だからこそ、怖いのです。
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(管理者:中光 雅紀) 2009年1月 9日 20:31 | 個別ページ | コメント(0) | トラックバック(0)
『たけしの日本教育白書』から
先日テレビ番組で『たけしの日本教育白書』がありましたが、ご覧になった方も多かったと思います。
かなり長時間の番組でしたので、ビデオに録画しておいたものをようやく観ることができました。
その中で、今年3月に岡山駅のホームであった18歳の少年による突き落とし事件が取り上げられて
いました。列車を待っていた38歳の男性が、突然背中を押され線路上に転落。列車にはねられ死亡
したという事件です。
番組では、加害者少年の父親のインタビューと、事件後その父親に宛てられた少年からの数十通の
手紙が公開されていました。
その中で印象に残った箇所を考えてみます。
この少年が事件の動機、きっかけになったのは、父親のある言葉だったと述べていました。
「もう頑張らんで、できるところからやったら」
この言葉に対して少年は、「お父さんにとってはなにげないことだったかも知れないけど、俺は
傷ついた。これが一番痛い言葉だった」と述懐しています。
恐らく視聴者の多くが、「これぐらいのことで何を傷つくのだろう?」と感じたことと思います。
ここで大切なことは、その言葉が誰から発せられ、言葉を受けた者にとって何を意味していたかなの
です。
少年は、「間違いなく見放す言葉だった」と述べています。
「私は何を頑張ってきたのか。お父さんは何を見てたんですか?」
「『勝手に自分の好きな所(会社)を選んで、きたえろ』と言われた時、本当に孤独になってしま
った。唯一のつながりだったお父さんとの関係を絶たれて、何もすがるもののない自分は
どうすれば・・・・・
だからやけを起こした」
少年の言葉からも分かるように、少年と父親の関係は決して悪くなかった。
少年は小学校から中学校にかけていじめにあっていたようです。そのため、父親は少年を守るため
に外で遊ばせず、ゲームを与え過保護になっていた。
少年は「お父さんが友だちより好きだった」と言っていたそうですから、よほど頼りにしていたので
しょう。
その父親から、見放されたと感じたのですから、絶望以外のなにものでもありません。
少年は勉強ができる「よい子」だったようですが、自分をクズ、ゴミと言い「12歳で置いてきたもの
がある。勇気というものを置いてきた。とりえが必要だった。誰かに必要とされる。だから
大学に行く」と進学の希望をもっていました。
しかし、経済的理由から大学進学を断念せざるを得ず、自暴自棄になってしまったのでしょう。
なぜ勉強を頑張っていたのか。大学へ進みたかったのか。
父親は気づくことができなかったのです。
不登校、ひきこもりの青少年たちもいじめを経験した者が少なくありません。
いじめは周囲から疎外され、人間の尊厳性を揺るがされる体験です。
自分が周囲から求められて(愛されて)いないと思い込まされた人間は、自身を肯定することができな
くなります。人や社会に怯え、身を潜める生き方を選びます。
「人を殺せば刑務所に行ける」
少年にとっての居場所は、そこにしかなかったのでしょうか。
「お父さん、お母さん、私の変わるべきところは有りますか?教えてください」と少年は結んでい
ました。
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(管理者:中光 雅紀) 2008年11月30日 20:02 | 個別ページ | コメント(0) | トラックバック(0)
「よい子」が人を殺す(尾木直樹著)
先日芹沢俊介氏の「親殺し」(NTT出版)をご紹介しましたが、同じテーマを扱った教育評論家尾木直
樹氏による『「よい子」が人を殺す』(青灯社)も読んでみました。副題は~なぜ「家庭内殺人」「無
差別殺人」が続発するのかです。
著書によると、殺人事件の半数近くが「家庭内殺人」であり、親殺しは、その26%を占めているとのこ
とです。子どもたちによる凶行の共通性を分析し、次の三点をあげています(要約)。
①おとなしく、真面目、勉強もできる「よい子」
②親などから抑圧的な期待をかけられている
③進学や就職の時に大きな挫折体験をし「若者の社会的排除」を経験している
芹沢氏の「親殺し」もこの本も、各事件の青少年やその家族背景を詳しく述べられていますので、事件
にいたる経緯がよく見えたのですが、同時に、私がかねて相談を受ける家庭にとても酷似していること
に気づかされました。①②は不登校、ひきこもりの青少年たちにも共通しているものですし、③はひき
こもり・ニートの青年たちによくあることです。もちろんこれらの事件の中には、不登校経験者やひきこ
もり当事者もいますので、当然なのかも知れませんが。
しかし、決して誤解していただきたくないことは、不登校やひきこもりの青少年たちは、犯罪者予備軍
ではないということです。私が縁あって関わってきた多くの青少年たちは、犯罪を想起させるような子
どもたちではありませんでした。
ただ思うことは、家族の関わり方如何によっては、衝動的な凶行に導いてしまう可能性もあるんだと
いうことです。やはり、かねがね私自身述べていますように家族の有り様は重要なことであります。
実際にこれまで、親に限らず他の誰かを「ぶっ殺してやりたい!」といったことを口に出す青年もいまし
た。しかし、それが実際の行動につながらなかったのは、親の理解があったからです。子どもの抱え
る苦悩、痛みへの共感があったからです。事件に見られる親たちの態度には、全くといっていいほど
それがありません。
①の「よい子」というのは、あくまでも親、大人の目から見ての「よい子」です。つまり、親にとって都合
の「いい子」ということです。②の利己的で独善的な期待にさえ、懸命に応えようとした子どもたちです。
そうしなければ、その家では生き残っていけなかったからです。
芹沢氏は、親殺しに先行する子殺し(存在論的死)と表現しています。
ブログ「親殺し」http://www.interbrain.co.jp/blog/2008/10/ntt.phpでも述べたように、こういった事
件が起こってしまうような関わり方をしてしまっている親たちが増えてきているのが現実であれば、早
急な社会的対策をうっていかなければなりません。まさに阿鼻叫喚の地獄絵です。
当協会の支援方針では、不登校、ひきこもりなどは、「絆の病」ととらえています。
したがって、家族間の信頼関係の回復、絆の結びなおしによる解決をはかっていきます。
徹底して、子どもの痛みへの理解を進めていきます。
そのことにより、ひきこもり期間に関係なく、ほとんどの青少年たちが自らの意志で協会を訪れ、新た
なステップを踏み出していっているのです。
いまだわが子へのコントロール幻想から抜けきれず、挙句の果てには、精神病だから親の言う事を
聞けないんだとばかりに病人にしたてあげてはばからない親たちへ警鐘を鳴らし続けていかなければ
ならないことが私たちの社会的ミッションでもあります。
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