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不登校・ひきこもり解決支援者の現場日記
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ビジネスマナー講習
今日は、プロの講師を招いてビジネスマナー(接遇)講習を行いました。
私はかねてから青年たちにコミュニケーションの手立ては、言葉だけではないということを伝えていま
す。
不登校児童でもひきこもり青年でも、共通してあるのがコミュニケーションスキルへの苦手意識です。
対人交渉が思うようにできない理由に“うまくしゃべれない”“気のきいた話ができない”といったことを
あげます。
しかし、実際の場面では自分を他者へ伝える方法は、言葉ばかりではないのです。
言葉以前に大切なことは、姿勢です。
どういう姿勢で他者と関わっていくかということです。
先ず、相対する相手の人格や立場、もっと言うと存在そのものへの敬意を示す姿勢が無ければ、
どんな言葉を連ねても、好意ををもって迎えられることはないでしょう。
「袖すりあうも他生の縁」ということわざがありますが、そこで出会った縁はかけがえのないもの
です。
人との出会いは、出会おうと思って出会えるものではありません。
だからこそ、相手を尊重するという姿勢が必要なのです。
これをマインドマナーというそうです。
言葉以外のコミュニケーション手段で次にあげられるのは、表情や態度、身だしなみです。
笑顔も無く仏頂面で対していては、好感を与えることはできません。
顔には沢山の表情筋があります。
女性講師ならではの、表情筋の鍛え方、フェイス・エステを教えて頂きました。
私は、かねて青年たちには「笑う門には福来る」で、鏡を見て笑顔を作り、最高の笑顔を筋肉に
覚えさせなさいと言っています。
うれしいことがあってから笑うのではなく、笑顔にしていると、笑える状況になっていくものです。
清潔で明るい服装をして、背筋を伸ばし、胸を張っていれば、自信ありげで爽やかなイメージを
与えることが出来ます。
「天を仰げ、胸を張れ!」です。
仕事柄決して信じてもらえないのですが、私は無口な人間です(笑)。
決して社交的とは言えず、積極的に自分から声をかけていくということを必要以上にしていく性格
ではありません。
しかし、これまで交友関係で悩んだことはほとんどありません。
父親が転勤族でしたので、転校もたくさんしましたが、その土地に順応するのは決して遅くはありま
せんでした。
私が取った方法は、服装や持ち物、態度で自分をアピールする方法です。
音楽にはまっていた時期には、ギターや音楽雑誌を片手に、いかにもバンドマンという格好をして
いましたし、武道で体を鍛えていた時には、体形を誇張する服を着ていました。
そのせいか、人相のせいか分かりませんが、けっこう後輩には怖がられていたようですが(笑)。
格好を見て、周囲からけっこう同じ音楽好きが声をかけてくることがありました。
その時、その時、自分が何に関心、興味をもっているかを折々にアピールしていました。
こうやって、自分から声をかけなくても人が寄ってくる工夫をしていたのです。
人は、他人の関心ごとに関心があるものなのです。
態度としては、やはり礼儀ですね。
年齢や立場をわきまえて、礼をつくすということは社会生活の中で最も大切なことです。
礼儀作法というものは、ひとつの文化です。
文化は習慣であり、伝えられてきたより良く生きるための生活の知恵です。
ですから、それにのっとっていれば、性格や状況がどうあれ、人に不快や迷惑をかけることは最低限
ありません。
うまく気のきいた話ができないから人間関係が上手にできないのではなく、礼儀をわきまえていない
ことで、他人を不快な気持ちにさせ、人間関係が構築できないでいることが多いようです。
武道で言う「礼に始まり、礼に終わる」がやはり大切です。
これらをビジュアルマナーというそうです。
今の時代、多様化した価値観の中で様ざまな選択肢が用意されています。
その中にあって大切なことは、自己主張です。
自分が何を考え、何を感じ、何を知っているのかを周囲に伝えきれることは、身につけておかなけ
ればなりません。
もちろん、一方的にもの申すわけではなく、協調的で発展的な自己主張アサーションです。
そのためには、聞く姿勢(傾聴)アクティブ・リスニングも大切です。
私は先に書いたように無口ですので、聞き上手になることに努めました。
「あなたの話に関心をもって耳を傾けています」という態度を示していれば、相手は勝手に(笑)話し
てくれるものです。
相手に大切な情報を正確に伝える。これをテクニカルマナーというそうです。
コミュニケーション・スキルへの苦手意識から、「話し方教室に行った方がいいでしょうか?」と言う
青年たちは少なくないのですが、言葉は表現の一手段に過ぎないということ。
それ以外の表現法の重要さを知ってほしいために今回講習を実施しました。
今後もひとつひとつのマナーをより詳しく指導していく予定です。
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(管理者:中光 雅紀) 2009年9月24日 20:40 | 個別ページ | コメント(0) | トラックバック(0)
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ひきこもりは甘えか?
「ひきこもりに対して、まだ甘えという偏見がある」とか、「親の過保護がつくりだしたという誤解がある」
といった意見が聞かれたりすることがままありますが、「そうではないのです。分かってあげてくだ
さい」なんて、まことしやかに支援者側や評論家が言うから、認識がさらにおかしくなってしまいます。
本当にひきこもり支援に携わっている者であれば、「甘え」もあることが周知の事実であることは、
分かっているはずです。
以前に、ある不登校の研修会の席で、不登校児童に関わっているという男性教師が、「あの子たち
は、純粋な子なんです。傷つきやすいだけなんです。甘えているんではありません」と、涙ながらに
発表しているのを横で聞いていて、私は、いささか引いてしまったことがありました。
そんなに感傷的になっても、正確に事実が伝わりません。
過度に保護、支援しようと考えると、事態を美化してしまう傾向があります。
ある親の会の代表の方が、「私たち親がすべて悪いんです。子どもたちは悪くありません」と、興奮
して話されたこともありました。
何事も事実を客観的により正確に観ていくことが大切です。
「ひきこもりは、甘えがある」と言っても、
「なんだ、それなら支援なんかするべきじゃないだろう」とか、
「税金を投じる必要性があるのか」と、
単純軽薄な返しをしないでもらいたいのです。
「甘えがある」と言っているだけで、「甘えだけで、そうなっている」とは言っていません。
それに、「甘え」と言っても、誰でもが内在しているものとあまり変わりはありません。
あなたは、家族に甘えることがありませんか?
赤の他人と接するのと同じように家族と接しますか?
そんなことはないでしょう。
心を許せている分、頼ったり、気遣いをおろそかにしてしまっていませんか?
着る物や物のありかも自分では分からない父親もいますね(笑)。
食器の片付けや身支度まで、妻にさせている夫もいます。
これは甘えではありませんか?
ひきもり当事者たちの甘えは、どちらかと言うと、自分に対しての甘えが強いです。
自分への「甘やかし」ですね。
困難や痛みに対して、自分を向かわせるということが、苦手。避けていることは確かです。
ですが、これもまた、「克己心」という言葉があるように、あなたも「自分は克己心があって、自分を
常に律することができる」と自信をもって言えますか?
これまた、なかなか難しいところだと思います。
認識して頂きたいのは、自分に負荷を与えず、周囲に依りすがってしか生きられないほど、脆弱に
なってしまっていて、甘えよりも恐怖心の方が上回っているということです。
それほどまでに、ストレス耐性や欲求不満耐性が失われているのがなぜかに関心をはらってもらい
たいのです。
「感性が研ぎ澄まされている」といった言葉で、彼らを表す方もいますが、これも先ほど言った美化
した表現でしかありません。
研ぎ澄まされているほど、洗練されてもいませんし、ガラス細工のように優美でもありません。
それどころか、心の鏡が曇りきっています。
すべてのものをありのままに映し出せなくなってしまっていて、見るもの、聞くもの、歪んでしか捉え
るしかできなくなってしまっています。
自己認識にもかなりの歪みがあり、存在自体に価値がないとみなしています。
そういう意味では、自分を甘やかすと言うよりは、自分を粗末に扱っています。
感性が鋭いということではなく、皮を剥ぎ落とされ、丸裸にされて、赤肌を常にさらしているような状態
なのです。
だから、風が吹いても痛みで悲鳴をあげます。
保護膜を失っている状態です。
ですから、新たな保護膜で覆ってあげる必要があります。
それと合わせ、心の脱皮が必要です。
自身の今を招いた古い皮(歪んだ思い込み)に囚われ、なかなか脱ぎ捨てることができません。
長期化してくると、ひきこもり自体を自分らしさ(アイデンティティ)としてしまうほどです。
働き出しても、心の脱皮が出来ていない青年もいます。
感性が鋭いのではなく、思考の柔軟性に欠け、傷つかないでいい方法が分からず、自己破壊的に
自らを傷つけるのです。
柔軟な動きが出来る動物は、脊椎動物です。
背骨(バックボーン)をもつ生き物です。
節足動物は、厚い甲羅に覆われ、柔軟な動きが出来ません。
思考に柔軟性がないのは、バックホーン(精神的支柱)をもっていないことと、多様な価値観をもち
あわせていないからです。
多様な価値観が、私たちをあらゆるストレスから守ってくれる保護膜となるのです。
当事者本人のやる気が出るのを待つ支援や、簡単な作業から慣れさせていったり、人に少しずつ
慣れさせていくといった支援は、彼らに何を補ってあげればいいのかを全く理解できていない援助
です。
いたずらに時間を経過させるか、社会に一旦入ったとしても、リバウンドがあります。
心の脱皮が出来て、多様な価値観から、確たる精神的支柱をもつことができてこそ、社会へ出て行く
覚悟が出来るのです。
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ひきこもりは動けないから解決できる!
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(管理者:中光 雅紀) 2011年3月25日 10:38 | 個別ページ | コメント(0) | トラックバック(0)
ひきこもり支援に見る過誤
かねて相談者からの問い合わせを伺っておりますと、何を期待されておられるのかが、そこから
うかがえるのですが、改善、解決にとって、かえって妨げとなってしまうものも少なくないようです。
最も避けたいのは、「間違った問題」に対して、正しい答えを導き出すことです。
すべきでない事を効率よくやることほど、ムダ(非効率)なことはありません。
問い合わせであるのは、
「仕事を斡旋してくれるのですか?」
「何か作業所があるのですか?」
「当事者が集まれる場所があるのですか?」
「寄宿生活ができますか?預かってもらえますか?」
「家まで訪ねてきてもらえますか?」
「治療してもらえますか?治りますか?」
こういった質問をみてみますと、すぐにでも家に来てもらって、親から離れた所に預かってくれて、
仕事を世話してほしいという期待が見て取れます。
「何か作業(仕事)をあてがえば、それをきっかけに社会に入れるのではないか」といった考えも
感じられます。
こういった間違った問題認識に対して、正解を提供しようとしている関係者もあります。
そう、間違った問題なのですよ。
数ヶ月の合宿生活の後、職場体験を経て、社会参加させるといった事業も過去にありました。
ひきこもりの相談員の養成により、訪問支援(アウトリーチ)を実施している状況もあるようです。
ひきこもりの青年たちは、本来仕事がなかったからとひきこもったわけでもありませんし、親元から
離れたら、自立心がムクムクと湧き上がってくる状態にあるわけでもありません。
当事者同士だったらつきあえるわけでもないし、ましてや「ひきこもり」という病気に罹っているわけ
でもありません(病気・障害の症状の場合もある)。
赤の他人が家に来て、声をかけられたからとて、親に対しての不信感、裏切られ感は強まることこそ
あれ、外の世界へ踏み出す勇気が出るわけではありません。
ひきこもる青年たちは、これからのビジョン(希望)を描くことができなくなっています。
社会情勢の厳しさから?
いえ、それよりも、自分自身に価値を見い出せないからです。
自分という人間を理解してくれて、受け入れてくれて、求めてくれる他者がいてくれると到底思えない
のです。
周囲の期待に応えられるだけの何ものも持たない自分が、好意的に接してもらえるとは、どうしても
思えない状態にあります。
「きっと、疎外される」と信じ込んでいます。
同じ当事者の相手にさえ、自分がひきこもっていたということを知られたくないほどです。
そういった状態の青年たちに、先の内容の支援が、適切な支援だと思われますか?
正解だと思われるものを導き出したとしても、前提(問題提起)がくつがえれば(間違っていれば)、
不正解となってしまうのです。
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(管理者:中光 雅紀) 2011年3月16日 13:32 | 個別ページ | コメント(0) | トラックバック(0)
ひきこもり支援の拡充
来月4月新年度から、これまでの活動をさらに拡充させていきます。
2年前から福岡、熊本で行ってきたひきこもり無償支援活動「たらちねサポート」は、毎月の定例会
(福岡は第二日曜)の中で、参加家族同士の交流会だけではなく、ひきこもりに対しての理解を深め
るための学習会の時間を設けておりましたが、4月からさらに第三火曜日に講習会を毎月開講し
ます。
「たらちねサポート」は、従来からよくある当事者家族会とは違い、単なる励ましあいの場ではありま
せん。
従来の一般的な家族会は、回を重ねるにしたがい、これといった対応策を聞けることもなく、数年や
中には、10年を越えて参加している他家族の存在を知って、解決への希望がもてず、会を離れる
ご家族も少なくないようです。無理も無い話です。
これは、グリーフ・ワーク(嘆きの仕事)を誤って認識している支援者(?)の指導によるものか、愚痴
のこぼしあいになっている傾向が多く見られます。
この「たらちねサポート」は、自助グループという形態を取り、本当の意味での「自助」、わが子の
ひきこもりを、自らの問題と受け止め、責任をもって自ら解決していけるようになるための姿勢や
知識を習得していきます。
そのため、必ず定例会の中でも学習の時間を90分ほど設けています。
交流会では、他の家族の話の中から、自身の子どもへの働きかけのヒントを得ます。
性別や年齢が違っていても、必ず解決のために有益な話が聞けるものです。
私が、あらかたのご相談に対応できるのは、小学校低学年から、40代までの事例に関わり、また、
それぞれの幼年期からの成育環境、生い立ちを知りえる立場にあり、毎日複数の青少年たちと接し
(当協会ではほとんど本人が通って来られるようになっています)、本人からの生の声を聞いている
からです。
そしてもちろん私自身が、三人の子の親として、実子と二人の養女も育ててきた経験があるからです。
先月50歳を前に孫も出来ましたので、これからは祖父の立場(気持ち)も分かるでしょう(笑)。
30代のひきこもりでも、必ず学童期ぐらいに兆候が見られます。
ですから、不登校児童の話からも解決のための糸口になるものがあります。
また、ひきこもりが10年を越す場合も、あたりまえですが一日から始まっています。
ですから、ひきこもりが始まって間もない家庭は、長期の事例から、多くのものを学べますし、また、
その逆の場合も然りです。
4月から始める講習会では、私がこれまでブログやメルマガで語ってきました内容をさらに詳しく
事例を交えお話しし、具体的な解決策を提示します。
これら全てを無償で提供いたします。
長期化に伴う、年金所得家庭の増加、母子家庭の不登校など、経済的に民間の支援を受けられ
ない家庭もフォローすることが主たる目的ですが、専門家のいない相談窓口、誤った認識をもった
家族会、支援者などによって、長期化を招いてしまっている状況を鑑み、実施致します。
9年前より行っている毎週月曜日のひきこもり無料相談窓口
http://www.interbrain.co.jp/counseling/
と合わせて、より多くの家庭が、長期化を食いとどめられたらとの思いで、スタッフ一同気持ちを新た
に取り組んでいきたいと思っています。
この活動は、春日市社会福祉協議会、大野城市社会福祉協議会協賛、春日市教育委員会、
大野城市教育委員会後援事業として、ご協力を頂いております。
誠にありがとうございます。
今年度最後の「たらちねサポート」は、今月13日(福岡)、27日(熊本)開催されます。
詳細はこちら。
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(管理者:中光 雅紀) 2011年3月 9日 17:10 | 個別ページ | コメント(0) | トラックバック(0)
ひきこもり支援と自己責任
ひきこもりに対しての支援のあり方に対して、「親の甘やかしや、当人の甘えの結果なんだから、それ
に税金を投じて支援するのは、おかしな話」といった否定的な意見もあります。
いわゆる自己責任論です。
確かに、何らかの病理や障害によらない社会的ひきこもりの場合、期間が長くなり、親子共々高齢化
し、現実の社会参加ができなくなったという理由だけで、何らかの社会保障が受けられるとなれば、
かえって、どこかで見切りをつけ、あえて長期化させる(受給条件を満たすため)家庭も出てくるの
では。
そういった家庭が、増えてくるのは国家財政を揺るがす大きな問題。という懸念もあります。
しかしです。
だからと言って、単なる自己責任論をかざしてしまえば、ますますひきこもりの長期化が進むでしょう。
先ず、このことに関しては、二つの問題があります。
ひとつは、「甘やかし」といった、一部だけを見た誤った認識。
そしてもうひとつには、「自己責任」の誤った解釈です。
特に、この「自己責任」についての誤った解釈は、長期化をより進めてしまう要因でもあります。
お話ししましょう。
自己責任という認識は、当事者家庭も実はもっています。
ですが厳密に言うと、「自己責任と片付けられるから、わが家で何とかしなければ」と思っているとい
うことです。
どういうことかと言うと、実際は、子は「親のせいだ」と思っていますし、親は「この子の問題」と思っ
ています。
そういう意味では、他者責任になっています。
しかし、「世間は自己責任としか見ない」と思っています。
ですから、「自分だけで何とかしなければならない」「他人に頼ってはいけない」と考えてしまっている
のです。
このことが、長期化を招いてしまっています。
自己責任というのは、何でもかんでも自分だけの責任だから、人に頼らず自分で解決しなければ
ならないという意味ではありません。
そのことにおいての責任を自分が負うということです。
例えば、最近戦場カメラマンの渡部陽一さんという方が、よくテレビに出演されていますが、あのよ
うな死の危険がある所にわざわざ自ら赴くことは、自己責任が必要です。
冒険家などもそうですね。
要請を受けてということではなく、好きで行っているのですから。
本来こういう場面に限って使用されるべき「自己責任」という言葉が、「自分のことだから自分でや
れ」とばかりに、人を突き放すような意味合いで、不適切な場面で使用されることが少なくないよう
です。
ホームレスの方の言葉にも、なぜそのような生活になったのか?という問いかけに対して「誰にも
迷惑をかけられないから」と、誰にも頼ってはいけないといったかまえが見られます。
最近は、無縁(孤独)死という亡くなり方をされる方も増えて来ているそうですが、なぜ死に至る前に、
周囲に救済を求めないのかと思います。
「自己責任」の誤った解釈が、人の手を借りる。上手にサポートを受ける。という対応を取らせない
方に仕向けてしまっているようです。
何事も現状をより良く改善していくためには、自分だけで困難な事がらの場合は、素直に人の手を
拝借することは、結果を出すために大切なことであり、決して恥ずかしいことではありません。
相互扶助を前提にした社会で私たちが生きていく上で、助けられ上手になることは、重要なスキル
です。
自分の責任を考えるとき、大切なことは、自分の人生に責任をもつということです。
自分の人生に責任をもつということは、自分の身に起こったことは、如何なることも、自分のことと
して、引き受けることです。
つまり、ありのままに受容することです。
降りかかったこと(自分に責任がなくても)は避けられなくても、そのことにどう向き合い、どう対処し
ていくかは、自分の責任のもとに行っていくということです。
現実を歪曲して捉えることなく(ありのままに)、事実を把握し、そのことを自分の中で、どう意味づけ
し、位置づけしていくかに於いては、しっかり自分で責任を持たなくてはなりません。
自分の人生に責任をもつということは、自己信頼のもと、自分の考えをもって、主体的に行動する
ことです。
望む結果が得られなくても、他者のせいにすることなく、原因を解明し、必要な条件をそろえていく。
必要な条件の中には、他人からのサポートも入っているのです。
社会の基本は、「自助・互助・公助」です。
主体性をもって(自助)、適切(本当に病理や障害からのひきこもり)であれば公助(行政)も受ければ
いいんです。
そして、自分が穴に落ちた時には、素直に助けを求め、誰かが落ちた時には、それを助けてあげれ
ばいいんです。
それが互助です。
「人には迷惑をかけられない」と気を遣ったとて、社会で生きている以上、知らないところ、見えない
ところで、誰かの支えを受けているし、その分、世話になっている。つまり迷惑をかけています。
だから、「人のお役に立つ」と考え行動を取らなければ、帳尻が合いません。
以前にも「犯罪犯したわけでもなく、ひきこもっているだけで、誰に迷惑をかけていますか?」と、うそ
ぶいていた青年もいましたが、社会資源を利用しておいて、税金を納めていないことが迷惑をかけて
いるということに気づけていないのです。
責任をもつことは、他人に尻拭いをさせないことです。
現実から目をそらし、自分の人生にすら責任をもたなければ、誰かにその分シワ寄せがいきます。
「人には迷惑かけられないから」と周囲のサポートも受けず事態を放置すれば、より深刻化し、結果
的には責任放棄となってしまいます。
誤った社会の自己責任論が、ひきこもりをますます長期化、高齢化、深刻化させていくのです。
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(管理者:中光 雅紀) 2011年2月18日 17:35 | 個別ページ | コメント(0) | トラックバック(0)
生まれてきた意味を奪ってしまっては・・・
2月1日発行のメルマガ「ひきこもりは動けないから解決できる!第50号」と合わせて読んで頂きたい
内容です。
「何のためにここまで育ててあげたと思うの!老後の世話をするのは当たり前でしょう!」
とばかりに、外へ出られないのであれば自分たち親の介護をさせればいいといった発想が、長期化、
高齢化したひきこもり家庭に出て来ている現実があります。
これは、「誰のお蔭で食っていけてると思うんだ!」と言い放つ父親と同じパターンです。
生んだ親が子どもを育てるのは当たり前で、恩をきせるのはおかしな話です。
昨今は、にわかに「ひきこもりは発達障害」という言説が目立ってきていますが、たとえ発達障害で
あれ、ひきこもる発達障害の子どもたちは、多くが高機能です。
つまり、知的障害を伴っていません。
その分見えにくかった(分かりにくかった)わけです。
ですから、二次障害として、幼年期のころに、その行動の不可解さから、親や周囲からの厳しい叱責
などでトラウマを抱えています。
ましてや、社会的ひきこもりの場合、ほとんどが家族トラウマ、アタッチメント・トラウマ(絆の病)に
よるものです。
そういった青年たちが、親の老後を快く看るはずがありません。
下手をすれば、虐待に及びます。
親に対して「死ね」や「ぶっ殺すぞ」という言動が出ている青年たちもいますが、本気でそこまでの
気持ちは無いにしても、訴えたいものがあるんです。
でも、一線を越えないのは、そうしたら自分も生きていけないことを知っているからです。
親に不満がなくて一緒に暮らしているわけではありません。
暴言も暴力も無ければ、親への不満はないと思うのは誤りです。
わが家の中で常に子どもの笑顔が見たければ、親は努力しなければなりません。
何らの努力もないまま、仮に子どもが笑ってくれていたら、心の中で手を合わせ、「ありがとう」と感謝
すべきです。
それほど子どもたちは、家庭の中で親以上に我慢していることがあるのですから。
子どもたちは、分かってほしいんです。
理解してもらえなかった、受け止めてもらえなかった無念を訴えているんです。
私が、親御さんたちに伝えたいのは、死ぬまで面倒みることは償いにはならない。
それどころか、子どもがこの世に生まれてきた意味を奪うことになってしまうということです。
子どもは親の介護をするために生まれてきたわけじゃありません。
子どもに親の老後の心配をできるだけさせないようにしていくのが親の務めです。
もちろん、子どもが自活できるように育てる。
病気や障害があれば、生活が保てるように環境を作ってあげるのが務めです。
どの子達にも、この世に生を受けてきたということは、意味や価値ある存在なんです。
親の心の慰めのために、わが子の生まれてきた意味を奪うことは許されないことです。
子どもの世話をしていくといった自己犠牲的なあがないは、気づかない間に子どもにさらなる罪悪感を
抱かせてしまいます。
親は償いのつもりでも、それは自己満足、自分の感情処理の手段になってしまっています。
青年たちは、
「自分はここにいていい」
「自分の存在にも価値があるんだ」
「自分を待ってくれる人がいるんだ」
ということを自覚したいんです。
これは、障害の有る無しに関係ありません。
人は生きがいをもって生きたいんです。
友人も恋人もなく、人を愛することもなく一生を終えて、子どもたちが「生まれてきてよかった」と思うで
しょうか?
介護をさせればいいという発想は、その気持ちを踏みにじる妄挙です。
私心なくわが子の行く末を思う本当の親であれば、過ちを潔く認める力をもち、血肉を分けて生んだ
わが子との本来の絆を結び直すことを決してあきらめないはずです。
大和民族は元来失敗に寛容で、見直し聞き直しをしてやり直し、よみがえることを尊ぶ民族です。
神話の神さまたちも沢山失敗しています(笑)。
そして、改心して失敗を補って余りある功績を立てているんです。
私たち人間が、失敗しないはずがないでしょう。
反省してやり直せばいいんです。
そのことは、青年たちにも教えていかなければならないことなのです。
「ひきこもったっていいじゃないか。やり直せば」と。
自分たちが先ずやり直して、わが子にやり直すことの手本を見せてあげればいいんです。
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(管理者:中光 雅紀) 2011年2月 1日 18:31 | 個別ページ | コメント(0) | トラックバック(0)



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