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不登校・ひきこもり解決支援者の現場日記
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苦悩を苦労に変える
当然のことですが、わが子が立ち止まってしまい自分の殻の中に閉じこもってしまうと、どの親御さん
も疲弊しているものです。
わが子でありながら思うにまかせないいら立ちと、先の見えぬ不安から、憔悴しきっています。
無理もないことではあるのですが、どうにか少しでも緩和させることはできないでしょうか。
私共は、親御さん方に勧めていることがあります。
日々の苦悩を苦労に変えていくということをです。
「苦悩」は、思い煩い、悩むことです。
まさに「煩悩」です。
そこには痛みが伴います。
「苦労」は、その後に何らかの達成がありますから、きつくても辛くないのです。
では、苦悩を苦労にするためには何が必要かと言いますと、「志」です。
達成すべく「志(目標)」があれば、過程での難儀はあっても、辛くはありません。
思い煩うこともないのです。
前へ歩むことにおいて、迷いがないのです。
目の前のわが子の問題を苦悩ととらえれば、痛みを伴いますので、どうしても避けようとします。
受容ができず、長期化するのです。
苦労は避けてはいけません。
苦労(手間)は、かけないと何事も成就しません。
米という字は、八十八の手間がかかるという意味があるそうです。
苗を植えただけでは、豊かな実りは得られません。
害虫を除き、雑草を刈り取るなどの手間をかけなければなりません。
子育てはまさに手間をかけずして、何の実りがあるでしょうか。
北九州、福岡、熊本のエリアでの「無償支援活動たらちねサポート」を実施している中でも感じる
のが、この苦労(手間)をいとう親御さんが少なからずおられるということです。
わが子の状態を理解し、寄り添うために学びを深め、子どもに意識づけをしていく行動をまず親から
始めることを煩わしがるのです。
わが子の問題を片付けてくれる代行屋とこちらを思っておられるのか、無償の支援でも動かない親は
動かないようです。
だからこそ、長期化するのでしょうが。
古歌にこういうものがあります。
「世の中に 迷いのあるこそ 宝なれ 迷いなければ さとることなし」
わが子に笑顔が消えたときこそ、わが子が元気に笑ってくれる有りがたさに気づけます。
人生には捨てるものなしです。
親としての在り方に気づかなければならないことがあるからこそ、わが子が苦悩してくれているので
す。
そのことに気づけたとき、わが家のひきこもりが解決していくのです。
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(管理者:中光 雅紀) 2009年11月 7日 16:18 | 個別ページ | コメント(0) | トラックバック(0)
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同じカテゴリの記事
見えないものを観る眼を養うためには
わが子の痛みに寄り添えるためには、「見えないものを観る眼」が求められます。
心は臓器ではありませんので、見えません。
生理学的に脳を解剖したからとて、子どもが感じている心の痛みをそこに発見することはできません。
だからこそ、見えるものだけしか認識しない態度では、痛みに共感できようはずがありません。
観るであって見る でないのは、見るは感覚器官の目が見ているだけで、意志がなければ見えてい
ません。
観るは、心の眼で観ているのです。
「見えないものを観る」というのは、背景から読み取っていく。観察、洞察していくということです。
観音さまがありますね。
観音というのは、観世音菩薩の略です。
世音(衆生の声)を観て(聴いて)救済する仏さまのことです。
大慈大悲の妙智力といって、慈悲(母心)の象徴です。
学校に行っていないことや働いていないことだけを見て、
「いいかげんにしなさい!心配かけないで!」ではなく、わが子の声無き声を読み取っていくのです。
「見えないものを観る眼」を育てることができる魔法の言葉をお教えしましょう。
「お蔭さまで、ありがとうございます」です。
お蔭さまというのが、背景(に居る人たち、諸条件、環境)です。
私たちは、見えないところの多くのものから支えられ生きています。
それらのすべてに感謝し、決して一人では生きてはいけないことの自覚が大切です。
「お蔭さまで、ありがとうございます」とかねてから口に出す習慣をもっていますと、自然と見えない
背景にまで心を配る姿勢が身につきます。
私がこの言葉を提唱しているもう一つの理由は、ストレス学説を提唱したカナダのハンス・セリエ
博士が、ストレスに克つ方法として、「それは東洋の感謝の原理です」と述べたことに起因します。
日本流で言えば、これが“お蔭さま”の思想なのです。
生かされている生命に支えられて生きていることへの感謝(エコロジー)をベースに、あたりまえの
ことをも与えられた恵みと感謝できる心性、即ち人間だけが持ち得る“霊性”というまさに人間らしさを
発揮し得れば、ひきこもりのみならず、現代人の心の荒廃を食い止めることが出来ると確信します。
これまでの支援経験から言っても、「おかげさまです」と謙虚に感謝の気持ちをもてない。なんでも
あたりまえと思っている親御さんたちほど、子どもだけをどうにかしようとしたり、子どものゆったりと
した成長を待てず、子どもの声なき声を聞けず、「~してやったのに」という恩着せがましい愚痴が
多いようです。
「愚痴」という言葉は、もともと「智に蒙昧で愚か」という意味ですが、まさに智恵が足りないから愚痴
が出るのです。
「愚痴・責任転嫁・自己正当化」は、確実に状況を悪化させます。
子どもは植物のように、環境を整え、それぞれの個性を活かし育てていくものだと思います。
決して親の都合で子どもの個性を埋没させてはならんのです。
循環と調和が自律的に保たれた大自然に対する謙虚さを失った人類が、地球規模の環境破壊を
招いてしまいました。
大自然の恵みを受け生かされていることへの自覚と感謝がない親御さんほど、自然の子である
わが子を思うように支配、コントロールしようとしてしまうのです。
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(管理者:中光 雅紀) 2009年11月20日 20:15 | 個別ページ | コメント(0) | トラックバック(0)
責任からの逃避
ある新聞に「引きこもる大人たち」という連載があっていました。
この中に40歳の男性の事例がありました。
高校卒後、28歳で国立大へ入学したものの退学。
夜間に編入するもそこでも退学。すでに30歳を過ぎていた。
これまでにもバイトや就職も経験してきたが長くは続かず、資格勉強も現在やっているそうだが。
社会や政治の批判を延々と繰り返してきた男性は、親にも怒りの矛先を向けてきたとのこと。
「大学合格がどんなに大変だったか。どうして努力を認め、ほめてくれなかったか」
「ここまで追い込んだのは親だ」
親はそんな息子に対して、
「でることはいろいろやったけど、息子はなかなか変わらない。自分たちが育てられたように育てて
きただけなのに・・・」
「働け」と何度も厳しくしかった父親は、「神様はこういう人間もつくるんだな」と最近漏らしたとのこと。
ひきこもり家庭によく見受けられる風景です。
ここで気がついていただきたいことは、
「息子はなかなか変わらない。自分たちが育てられたように育ててきただけなのに・・・」
この「自分たちが育てられたように育ててきただけ」 ここが問題なのです。
自分が育てられてきた親の子育てを無批判に継承することは、決してよい選択とは言えません。
例えば、両親のどちらかが親と早くに生死別し、係わり合いが少なく育った場合、自分自身も
子どもとの係わり合いが極端に少ない場合がよく見受けられます。
これは、生死別でなくても、肉体的にも精神的にもふれあいが少なかった場合も同じです。
「子どもは親の背中を見て育つ」
「子どもは自然に育つものだ」
これは、親の傲慢さ以外の何ものでもありません。
「自分も親とそんなに会話をしていたわけではないけど、ひきこもりなどなかった」
こういった声も当事者の親御さんからよく聞かれます。
親との情緒的交流が少なかったことなどから、成人してからの人間関係に支障をきたすことが
少なくないのですが、もちろんみんながひきこもるわけではありません。
子育てにこそ大きく影響するのです。
自身の親との関係からの影響が自覚できていないのです。
また「息子はなかなか変わらない」と言っています。
これも子どもを変えるのではなく、親自身が変わる必要があります。
子どもが変わってくれないとしたら、親が少しも変わっていないからです。
親自身がなかなか自分たちの側にも責任があることを認めたがりません。
責任を負うことに対して、あたかも非難されていると取ってしまうからです。
「親御さんにも責任があるのですよ」と言うと、「私たちが悪いと言うんですか?」
と憤慨なされる方も少なくありません。
責任を負うべきと言っているだけで、「悪い」なんて一言も言っていないのです。
「大学合格がどんなに大変だったか。どうして努力を認め、ほめてくれなかったか」
「ここまで追い込んだのは親だ」
というのは、おそらく本音でしょう。
わが子が抱えた傷を理解しようと取り組み、痛みに寄り添うことなしに、現状に対してだけ叱責
すれば、子どもはますます自分の世界へ閉じこもります。
この父親は、「神様はこういう人間もつくるんだな」とつぶやいたそうですが、責任を押し付けられた
神様もお気の毒です。
人は、他人に責任をもっていけなくなると、運やツキのせいにします。
神様までもっていっては救いようがありません。
責任から逃避し続ければ、最後には自分の人生から責任を取らされることを肝に銘じるべきです。
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(管理者:中光 雅紀) 2009年10月26日 17:31 | 個別ページ | コメント(0) | トラックバック(0)
日本理化学工業
先日たまたまテレビを観ていましたところ、すばらしい企業の紹介があっていました。
日本理化学工業株式会社というところです。
この会社は、「ダストレスチョーク」の国産化に初めて成功し、唯一の文科省あっせんチョークとして
指定されているそうです。
この会社の何に感動したかと言いますと、昭和35年より重度障がい者2名の雇用から始まり、
昭和50年、国の心身障害者多数雇用モデル工場1号を川崎に設置したのを機に「障がい者と
社会をジョイントする」経営方針を貫いていることです。
現会長の大山泰弘氏は、当時障害者の方の仕事に対するひたむきさの理由が分からないでいた
そうです。
ある時、お寺の導師の方にそれを相談したところ、「あたりまえではないですか」と言われ、びっくり
しその訳を問うたそうです。
その導師は、人がひたむきになれるのは、四つのことが満たされた時。
それは、
『人に愛されること、人にほめられること、
人の役にたつこと、 人から必要とされること、の4つです。
働くことによって愛以外の三つの幸せは得られるのです』
と答えられたそうです。
それを聞いた大山氏は、それまでの工程に人を合わせていた非効率を悟り、人(それぞれの能力)に
工程を合わせていく方法に切り替え、性能の高い機械、治具の工夫、生産工程の細分化と単純化
などによって、品質・生産性・管理面で高い水準を維持できるようにしていったのです。
社会は人、会社は人、組織は人とよく言われますが、はたしてその「人」のそれぞれの持ち味を
どれだけ尊重できているでしょうか。
理化学工業で働く障害者の方たちは、自分たちでも役にたつことができ、ほめられ、必要とされる
ことに生きがいを感じ、仕事へのひた向きさを発揮されたのです。
これは、誰にでも共通することです。
導師は「働くことによって愛以外の三つの幸せは得られる」と説いていますが、それに対して大山氏
は、「その愛も一生懸命働くことによって得られるものだと思う」 と述べています。
私も全く同感です。
私はかねて、働くことは、「傍を楽にすること」と伝えています。
つまり、人に喜びを与えることです。
また、働きは役割を担うことですので、役に立つことで、自分の存在価値を高めることでもあります。
このことで自尊心が高められ、アイデンティティ(自分らしさ)が確立されるのです。
自分の個性が活かされると、人はイキイキできます。
心はウキウキうれしくなります。
そんな人間は、周囲の人から愛されます。
自分もまた人を愛することができます。
これからを憂えてばかりいて心を沈めている人間は、何の行動もとらず、ただただ心配あぐねて
います。
わが子をほめてきたでしょうか?
必要としてきたでしょうか?
かけがえのない存在であることを伝えてきましたか?
周囲の役に立てる人間であることを実感させてあげられるだけのことをしてきましたか?
人を愛することのできる子に育てていくことが、私たち親の務めではないでしょうか。
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(管理者:中光 雅紀) 2009年10月21日 18:01 | 個別ページ | コメント(0) | トラックバック(0)
高校での講座
福岡県青少年問題地域講座で某公立高校へ出向きました。
約50名の先生方を対象に不登校の背景をお話しさせて頂きました。
アンケートの内容をいくつかご紹介しましょう。
親の無関心が、子どもに存在価値がないと思わせ、夢や目標をもたなくさせる。
こんな風にならないように関心をもっと高めたいです。
私も子どもが3人いますが、親としてのかかわりを改めて気をつけたいと思いました。
躾の場で、存在自体への否定が二度と失敗したくないという気持ちにさせ、結果何にもチャレンジ
しなくなる。自己否定して辛い思いをしている生徒に自己肯定できるように修正を手伝いたい。
日頃から「一人一人の生徒をしっかり見て本当に必要な支援をしていかねば」と思いながらも、
無力な自分に「まだまだやれることはあるよ」とメッセージをもらったような気がします。
と言いながら、教員としての目以上に、我が子たちへの「親としてのまなざし ありかた」を全力で
考えてしまいました。誰より今日のお話で救われたのは、うちの子たちかも知れません。
何より講演が終わったあと、職員の誰と話しても「何より“我が子”に対する自分のダメさに
気づいた」という親としての思いが強かったので、「これは是非保護者の皆さんにも届けたい」
「私たちも教員としてではなく親として一緒に学ぶ場を設定してはどうか」と思い、さっそくPTA担当の
先生に言いにいきました。
私も次男が高校2年時に不登校となり、とても悩んだ時期がありました。今日のお話をその時期に
保護者として聞かせていただくことができていたら、子どもの気持ちももっと早くよく理解できてい
たのではないかと思います。
保護者の接し方、考え方が変わらないと子どもは自立して自分の人生時計をすすめることが
できないのです。
不登校の子どもをかかえている保護者に対してアドバイスしていただく場を設定していただけない
でしょうか。
学校で講演をおこなった場合、きまって先生方は、途中から生徒のことではなく、わが子のこととして
聞いてしまうようです。
それぐらい、どこの家庭でも充分起こりうるようなことなのです。
私がお話しする内容は、全て実例であり、当事者の子どもたちから聞かされた生の声です。
だからこそ、聞かれる方たちは皆怖くなるのです。
高齢者に聞いて頂く機会では、「自分たちは子育てが終わってもう間に合わないけど、孫のために
母親たちに話して聞かせます」といった感想が多いです。
私どもは不登校・ひきこもりの予防啓発のための講演活動もおこなっておりますので、色んな場
で子どもたちの叫びを聞いて頂けたらと考えています。
日頃子育から遠いお父さんたちにも是非聞いて頂きたいことがありますので、お声をおかけください。
講演依頼についてはこちらへ ⇒ http://www.tls0929155636.sakura.ne.jp/lecture/
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