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不登校・ひきこもり解決支援者の現場日記
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ひきこもり支援に思う
先日、特別支援教育の研修会に参加する機会がありました。
参加者は、学校教職員の方々で、研究発表、模擬授業などもあり、参考になりました。
ADHDやアスペルガーなどの発達障害をもつ児童が増えてきているようです。
私共がかねて支援している不登校児童やひきこもりのご相談の中にも、発達障害であろう状態の
相談があります。
先生方も、一般の子ども達とあわせて教室内で指導するときに、様ざまなご苦労があるようです。
先生方は、もちろん発達障害の生徒を治すわけではありません。
できることできないことを見極めながら、能力のアンバランスをどう補っていくかを工夫しています。
そして、できることを少しずつ増やしていく。
そのことで、子どもたちの心の中に自尊心を育てていく。
発達障害の子どもたちは、環境調整ということで、周囲に理解者を置いておかなければ、対人的
トラブルを多く招いてしまいがちで、二次障害的に心に深い傷を抱えてしまいます。
そういったことを防ぐためにも、学校生活の中でいかに周囲に適応させていくかの様ざまな工夫が
必要になってくるのです。
研修会に参加して強く感じたのは、ひきこもりの支援においてもこのような場が必要であるという事
です。
どういうことかと申しますと、ひきこもりは障害ではないにしても、現状できないことを多く抱えていま
す。
もちろん、障害ではないので、適切な訓練を施すことによって、本来もつ能力が回復されてきます。
ですから、どのような訓練、支援が必要かを当事者家族に提供していかなければならないのに、
当事者家庭対象に行われている講演会や研修会などでは、講師として招かれている方の多くが、
医師や心理士、評論家(?)なのです。
先の特別支援教育の研修会の発表者は、全て現場の教師の方です。
治療者ではありません。
ですから、治療に対しての話や発達障害の説明は、あたりまえですが全くありませんでした。
ですが、とても役に立ちました。
医師や心理士などの話は、精神疾患、障害の説明ばかりで、ひきこもりの具体的な対応法は全くと
言っていいほど、出てきません。
せいぜい「時間をかけて見守りましょう」です。
これは対応法、解決策とは到底いえません。
当事者家族が求めているのは、解決のための手立てです。
ですから、ひとしきりの講演が終わった後の質疑応答で、
「それで結局どうすればいいのですか?」
といったような質問が出てしまうのです。
日々、子どもたちと現場で関わっている先生方が、互いに対応策を意見交換するからこそ、有益な
手立てが見えてくるのだと思います。
特に、治療を必要としない社会的ひきこもりに対して、医師らの病理の分析を聞かされても、当事者
家族は、落胆するのみだと思います。
障害は、治っていくものではありません。
ですから、障害をどう受け入れ、環境に適応していくかが、大切なところです。
ひきこもりは、障害ではないのですから、回復していきます。
ですから、なおのこと、社会へ段階的にどう適応させていくかを周囲は考えていく必要があるのです。
当協会のひきこもり無償支援活動「たらちねサポート」では、福岡、熊本で毎月、解決のための
具体的な対応策を公表しています。
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同じカテゴリの記事
不登校を家族の絆で乗り越える
メルマガ『ひきこもりは動けないから解決できる!』の購読者の方から、ご自身の体験を是非
お伝えしてほしいと投稿がありましたので、このブログでご紹介したいと思います。
この方は、一年ほど前に最初のご投稿がありました。
中学生のお子さんの不登校に悩まれ、現実を受け入れられず、眠れない日々も続いたようです。
子どもや自分自身の自尊心を取り戻すことに重きを置き、笑顔をキーワードに「家族の絆」を深めて
いったことで、お子さんに変化が現れたようです。
今お子さんは、海外の高校に留学し、小学校の時の元気な楽しいお子さんに戻られたそうです。
ご家族が一丸となって手にした、絆の温もりを是非、下記のお手紙から味わってみてください。
ここまで来るためにたくさんの苦しみがありました。
ただ、もう家族しか本人を癒すことはできないんだと思い、日々根気強くがんばりました。
本人が、学校ではだめでも、家族はそうは思っていない、自分は学校に行ってないけれど、家族に
愛される価値ある人間なんだ、そう思えるまでに、ほぼ2年の月日がかかりました。
不登校は日本独特の症状だと言われています。
海外のお友だちにはなかなか理解してもらえず、説明が大変でした。
社会のせいだけではありません。
けれども、やはり、受験を含む日本固有の社会的な雰囲気、独特な学校の雰囲気が、14万人にも
なる不登校を生んでいると言えると思います。
全国対応の不登校専門のカウンセラーにかかったときには、我が家がいる県からの相談が多い、
ということも言われました。
地域的にも、その県の教育委員会の方針や、風土がありその影響もあると感じました。
息子が行けなくなる直接的な原因は中学1年生のときの担任の先生でした。
いずれにせよ、不登校になるとひきこもりにつながりやすくなるため社会に貢献する人を育てること
ができません。
本人の心を動かすことが大変難しかったです。
コントロールしようと思っては絶対にいけないですし登校させたいと思ってもいけない・・・
でも結果的に動きました。
そして、いつのまにか、ずいぶん成長した姿の息子に感動しました。
家族の絆は強いです。
こちらが本気で本人を愛していることを意識し、方法さえ誤らなければ、きっといつかは伝わり、元気
を取り戻していきます。
家族のつながりは、笑顔です。
そして、笑いです。お母さんの失敗、それを自ら語る、そして笑いです。
明るい笑顔のあるところには、明るい未来が来ます。
息子が不登校になるまでは、我が家も仲良し家族で明るい家庭でした。
でも何も知らなかった私は遅刻気味になっていた息子をなんとか不登校にさせまい、と必死に登校
させようとしていました。
毎朝のバトルに疲れ果て、結局、本人は行けなくなりもちろん、主人もそれを受け止めるのに時間が
かかりましたし家族がぎくしゃくしました。
普通に学校に行って元気でいてほしい、これはどんな親でもある普通の願いだと思います。
仕方がなかったと今は思っています。
どうか、他のお母様がたにもお伝えください。
望みを捨てないで、きっと何かが起きる、そのために、今できることを「行動する」ことだ、と。
その行動とは、なんでもない、でも一番大切な「家庭生活」。。。
手間暇かけた、ちょっとしたおやつや、おむすび。
お弁当、お掃除・・・
明るい言葉かけ、メッセージ、大きな声で名前を呼び挨拶すること、嫌がらなければスキン
シップ、家族揃っての食事、望みを捨てないこと、わが子はこんなすごいところがあるといつ
も思うこと、(近い人が感じている感情は、伝播しますから。)
小さいときや生まれたときのかわいかったエピソード、よいところを見つけ、さりげなくほめる
こと、手伝いを頼み、心からお礼を言うこと・・・・・
週末には家族で外食したり温泉に行ったり、遠出の旅行をしたり、いろんな景色や人々を見、
外を歩くチャンスを与えられるようにすること、
このような、なんでもない家族生活が、不登校になった本人にとっては普通よりも何倍も必要だと感じ
ました。
愛されていることの確認、そして家族への所属の欲求が満たされるまで・・・
日々、根気よく続けること・・・
いろいろとあると思います。
一筋縄ではいきません。
試行錯誤で、様々なことを試し続けてください。
そして、本人が何かしてみよう、という気持ちになったときのために様々な進路を用意しておいてみて
ください。
家族を信頼して、相談してきたとき・・・・
最初の一歩が始まります・・・・
応援しています!
先が見えず、苦しんでいるみなさんに伝えたいです!
何かがきっと変わります!!
どうか希望を捨てないでいてください!
いかがでしたか?
家族再生の物語ですね。
家族には蘇生力があります。
このお母さんの素晴らしいところは、
行動し続けたということ。
笑顔とユーモアを欠かさないようにしたこと。
そして、直接的な方法論よりも事態を受け容れる姿勢・態度を重要視したことです。
これらのことについては、次のブログで詳しくお話ししたいと思います。
是非、皆さまも、このお母さまの声をご自身の家庭に活かされてください。
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(管理者:中光 雅紀) 2011年6月11日 12:17 | 個別ページ | コメント(0) | トラックバック(0)
ひきこもりの後遺症
「仕事に就けるためには、資格でもなければ」と、資格・技能の習得を促す傾向がありますが、注意
しておかなければならいことがあります。
ひとつは、「資格イコール仕事に就ける」ではないということ。
そして、もうひとつは、「資格イコール自信がもてる」ではないということです。
もちろん、『学校に通っておらず、働こうともせず、職業訓練も受けていない無業者』のニート
状態からは、一歩前進ではありますが、ここで申し上げることは、資格・技能がひきこもりから
脱する起爆剤には、必ずしもなるわけではないということです。
これまでも、自信がつけばという理由から、通信の大学を卒業した青年や、中には、国家資格を取得
した青年もいました。
しかし、「自信にはならなかった」という声も少なくないのです。
学歴に関して言えば、高学歴のひきこもり青年は普通にいます。
その青年たちは誰も、その学歴が「自信」の後ろ盾に成りえていません。
彼らが、コンプレックスを感じ、怯えを抱いていることは、他のところにあるからです。
中には、難易度の高い資格の受験生でいることなどで、自分がひきこもりであることを否認しようと
している青年もいます。
これは、親御さんも同じです。
「わが子は、ひきこもりなどではなく、受験生なんだ」と信じたいのです。
以前に、大学を卒業した後ある国家資格に挑戦し続け、30歳を過ぎ、自分が人と関われないことに
愕然とし、ひきこもりの相談会に参加し、その姿がテレビのニュースで放映され、それを偶然ご両親
が観て、親子三人で相談に来られた事例がありました。
親御さんも、テレビに映し出されたわが子の背中を観て、わが子がひきこもりであることを悟ったの
です。
親子で自覚、受容するのに、約10年を要したわけです。
ひきこもる青年たちには、社会的な所属がありません。
立場をもたないということです。
学生でもない。社会人でもない。病人(療養者)でもない。
無業者であるだけでなく、無所属派という状態です。
人間には、所属欲求というものがあります。
何かに所属(参加)することで安心感を得ようとします。
ひきこもる青年たちは、家庭ですら、所属しているという感覚が希薄になってしまっています。
「受け容れられていない」という思いが強いからです。
「戸籍から抜く」と言った父親や、また、親への反発心から自ら「戸籍を抜く」といった当事者もいます。
学籍を置くということは、その所属を得ることになります。
実質充分な修学がなされていなくても、立場を得られるのです。
その立場だけを得たくて、進学を希望する場合があるのです。
まさにモラトリアムです。
ひきこもる青年たちが抱えている怯えは、能力的なものよりも、もっと根源的なところから来ている
ものです。
存在の原初に関わるものです。
たとえ何かが出来る人間でも、結局は自分は誰からも認められない。
受け容れてもらえない人間
と信じ込んでいます。
それほどまでに自分を否定している青年が、履歴書に書ける程度の資格や免許を取ったからと
いって、それだけでは、社会へ入れる原動力にはなり得ないのです。
前回のこのブロクでも、震災の瓦礫に例えてお話しましたが、TVニュースでは、瓦礫の撤去に
100年はかかるだろうという報道もありました。
ひきこもりの期間が長ければ、長いほど、その後遺症とでもいうべき自己存在への不全感は、甚大
なものです。
家族にも数年間も顔を見せず、声も出さなかったことで、声を発することが怖ろしくてできないと
言った(筆談)青年もいます。
人が自尊心や自己信頼感といったものを失うと、自分が何者かということも分からなくなり、急激
に失速していきます。
それは、わが子が閉じこもり、無言の反旗をひるがえされ、全く力の及ばぬ状態になってしまった
親御さんが、親としての自尊心をなし崩しにされ、動きが取れなくなってしまっている光景からも、
歴然としていることです。
長期化の要因にもなっています。
青年たちの目線に立った、家族や支援者が多くなってこなければ、長期化は止まらぬでしょう。
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ひきこもり・不登校の相談解決
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(管理者:中光 雅紀) 2011年4月23日 20:20 | 個別ページ | コメント(0) | トラックバック(0)
ひきこもりの終わりは?
東日本大震災の連日のニュースは、現実のことかと受け容れがたい惨状を映し出しています。
その中で、懸命に生きていこうとしている子どもたちの笑顔に救われる思いです。
巨大な津波は、一夜にして全てのものを飲み込み、根こそぎ人々から大切なものを奪っていきまし
た。
散在する瓦礫をすべて片付け終わるのにどれほどの時間がかかるのでしょうか。
瓦礫がなくなっても、それから元の状態にまで復興していくまでには、さらに膨大なエネルギーが
必要になってくると思います。
ひきこもりという現象も、このような災害と同じようなところがあります。
ひきこもりが災害というわけでは、もちろんありませんよ。
外出ができない、部屋から出ないといった状態から、自分の意志で外出できるような状態になって
くると、それだけで、ひきこもりがあたかも終わった(解決)と捉えてしまう傾向も強いようです。
もっと言うと、「外出などは普通に出来ていたので、ひきこもりとは思わなかった」と、十年近く社会
生活を送っていない状態を見過ごしてきた事例も複数例あるほどです。
「外へ出られるんだから、バイトでも始められるだろう」
「これまでの遅れを取り戻すためにも、一日も早く仕事に就いてほしい」
「本人がやる気にさえなれば、できるだろう」
こういった声が、親御さんからよく聞かれることなのですが、これは、無茶な話というものです。
津波が通り過ぎたら、それで終わりでしたか?
残されたのは、無残な瓦礫の山です。
余震も未だに続いています。(昨日7日23時30分にも宮城県沖でマグニチュード7.4の余震)
ひきこもりの長期化により、あらゆる問題(残骸)が山積しているのです。
外出ができるようになったとはいえ、それは波がおさまったにしか過ぎません。
現状改善のための支援団体に通うようになったといっても、余震(不安感)はまだ続いているのです。
いつ、ひきこもりに戻ってしまうか、予断を許さない状態です。
ですが、この辺りのことが当事者家族も分かっておられないことが多いようなのです。
当協会では、ほとんどのケースで、訪問支援を実行せずに当事者の青年たちが、自分の意志で
出向いて参ります。
もちろん、そのようにご家族と動機づけをしていった、その結果です。
そこまでに至るまでには、様ざまな葛藤、一進一退があります。
ご両親は、これまでの自分たちのわが子への関わり方に、正面から向き合うことが必要です。
自分たちの過ちの大きさに、愕然としてしまうこともあります。
気づかない間にわが子へ与えてしまったダメージに、自責の念に押しつぶされそうにもなります。
そこまでの懸命な取り組みをしてきたにも関わらず、いや、そうだからこそなのか、当事者本人が
動き出した途端、油断が出てまいります。
「やり遂げた。もう、親としての役割は終わった」
「あとは、自分で頑張りなさい」と。
親御さんの役割は、ここで終わりではないのです。
いざ、自分の意志で動きだしても、それからは瓦礫、残骸の撤去です。
ひきこもりの期間が長ければ長いほど、その量もかなりのものです。
瓦礫、残骸は、復興の障害となってしまっているものです。
瓦礫、残骸の撤去は、トラウマのケアです。
特に、社会不適応を招いてしまった、自己認識の歪みを肯定的に修正する必要があります。
その上で、社会適応のためのスキルの修得、向上を行い、自分の人生の取り戻しが必要です。
ひきこもりの期間が長ければ長いほど、年齢を重ねているということと、履歴の空白、失われた能力
など、甚大な障害要因もあります。
これらのことは、家族がみんなでやっていくことです。
瓦礫の撤去を一人にさせますか?
仕事ができるようになったからといっても、周囲との協調ができず、長続きせず、転職を繰り返したり、
こらえ性が無く、常に人間関係のトラブルを抱えているようでは、解決したことにはならないのです。
人を愛すことができ、人間関係を保ちながら働くことができ、社会的な自立が成しえてこそ、復興
(ひきこもりの克服)できたと言えるのではないでしょうか。
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(管理者:中光 雅紀) 2011年4月 8日 07:18 | 個別ページ | コメント(0) | トラックバック(0)
ひきこもりは甘えか?
「ひきこもりに対して、まだ甘えという偏見がある」とか、「親の過保護がつくりだしたという誤解がある」
といった意見が聞かれたりすることがままありますが、「そうではないのです。分かってあげてくだ
さい」なんて、まことしやかに支援者側や評論家が言うから、認識がさらにおかしくなってしまいます。
本当にひきこもり支援に携わっている者であれば、「甘え」もあることが周知の事実であることは、
分かっているはずです。
以前に、ある不登校の研修会の席で、不登校児童に関わっているという男性教師が、「あの子たち
は、純粋な子なんです。傷つきやすいだけなんです。甘えているんではありません」と、涙ながらに
発表しているのを横で聞いていて、私は、いささか引いてしまったことがありました。
そんなに感傷的になっても、正確に事実が伝わりません。
過度に保護、支援しようと考えると、事態を美化してしまう傾向があります。
ある親の会の代表の方が、「私たち親がすべて悪いんです。子どもたちは悪くありません」と、興奮
して話されたこともありました。
何事も事実を客観的により正確に観ていくことが大切です。
「ひきこもりは、甘えがある」と言っても、
「なんだ、それなら支援なんかするべきじゃないだろう」とか、
「税金を投じる必要性があるのか」と、
単純軽薄な返しをしないでもらいたいのです。
「甘えがある」と言っているだけで、「甘えだけで、そうなっている」とは言っていません。
それに、「甘え」と言っても、誰でもが内在しているものとあまり変わりはありません。
あなたは、家族に甘えることがありませんか?
赤の他人と接するのと同じように家族と接しますか?
そんなことはないでしょう。
心を許せている分、頼ったり、気遣いをおろそかにしてしまっていませんか?
着る物や物のありかも自分では分からない父親もいますね(笑)。
食器の片付けや身支度まで、妻にさせている夫もいます。
これは甘えではありませんか?
ひきもり当事者たちの甘えは、どちらかと言うと、自分に対しての甘えが強いです。
自分への「甘やかし」ですね。
困難や痛みに対して、自分を向かわせるということが、苦手。避けていることは確かです。
ですが、これもまた、「克己心」という言葉があるように、あなたも「自分は克己心があって、自分を
常に律することができる」と自信をもって言えますか?
これまた、なかなか難しいところだと思います。
認識して頂きたいのは、自分に負荷を与えず、周囲に依りすがってしか生きられないほど、脆弱に
なってしまっていて、甘えよりも恐怖心の方が上回っているということです。
それほどまでに、ストレス耐性や欲求不満耐性が失われているのがなぜかに関心をはらってもらい
たいのです。
「感性が研ぎ澄まされている」といった言葉で、彼らを表す方もいますが、これも先ほど言った美化
した表現でしかありません。
研ぎ澄まされているほど、洗練されてもいませんし、ガラス細工のように優美でもありません。
それどころか、心の鏡が曇りきっています。
すべてのものをありのままに映し出せなくなってしまっていて、見るもの、聞くもの、歪んでしか捉え
るしかできなくなってしまっています。
自己認識にもかなりの歪みがあり、存在自体に価値がないとみなしています。
そういう意味では、自分を甘やかすと言うよりは、自分を粗末に扱っています。
感性が鋭いということではなく、皮を剥ぎ落とされ、丸裸にされて、赤肌を常にさらしているような状態
なのです。
だから、風が吹いても痛みで悲鳴をあげます。
保護膜を失っている状態です。
ですから、新たな保護膜で覆ってあげる必要があります。
それと合わせ、心の脱皮が必要です。
自身の今を招いた古い皮(歪んだ思い込み)に囚われ、なかなか脱ぎ捨てることができません。
長期化してくると、ひきこもり自体を自分らしさ(アイデンティティ)としてしまうほどです。
働き出しても、心の脱皮が出来ていない青年もいます。
感性が鋭いのではなく、思考の柔軟性に欠け、傷つかないでいい方法が分からず、自己破壊的に
自らを傷つけるのです。
柔軟な動きが出来る動物は、脊椎動物です。
背骨(バックボーン)をもつ生き物です。
節足動物は、厚い甲羅に覆われ、柔軟な動きが出来ません。
思考に柔軟性がないのは、バックホーン(精神的支柱)をもっていないことと、多様な価値観をもち
あわせていないからです。
多様な価値観が、私たちをあらゆるストレスから守ってくれる保護膜となるのです。
当事者本人のやる気が出るのを待つ支援や、簡単な作業から慣れさせていったり、人に少しずつ
慣れさせていくといった支援は、彼らに何を補ってあげればいいのかを全く理解できていない援助
です。
いたずらに時間を経過させるか、社会に一旦入ったとしても、リバウンドがあります。
心の脱皮が出来て、多様な価値観から、確たる精神的支柱をもつことができてこそ、社会へ出て行く
覚悟が出来るのです。
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(管理者:中光 雅紀) 2011年3月25日 10:38 | 個別ページ | コメント(0) | トラックバック(0)



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