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HOME > 解決支援者の現場日記 : 旧ブログ > アーカイブ > ひきこもり: 2008年6月

解決支援者の現場日記 : 旧ブログ ひきこもり: 2008年6月

コミュニケーションが取れない

今日は久留米市にある若者自立塾の卒塾式前の保護者会へ参加してまいりました。

3ヵ月の合宿を終え、それぞれの家庭へ帰っていきます。迎え受ける家族がこれからどのように

サポートしていけばよいかなどの様ざまな質問がありました。

その中である父親から「子どもとのコミュニケーションがうまく取れない」というものがありました。

この父親は、手紙で意思を伝えたところ、子どもから「なぜ直接言わないんだ」と母親を通して言

われたそうです。そこで直接話をしようとしたところ、今度は黙ったまま返事もしなかったそうです。

こういったことはよくあることです。子どもは、直接話をしてくれたらちゃんと返事をすると言ったわ

けではありません。そのお子さんは、ただ直接話を聞かせてほしかったということだと思います。

返事をするつもりはないけど、顔を見て語りかけてほしかったんだと思います。

コミュニケーションは、たとえ一方通行でも途絶えさせてはいけません。私が自宅訪問をする際

でも、ドアの向こうで息を潜めている青年たちに、一方的に語りかけ続けます。たとえ何の応答が

なくてもそれを続けます。そうしている内に何度目かの訪問の際に、ようやく返事が出てきます。

メタコミュニケーションと言う言葉があります。非言語的コミュニケーションのことです。

コミュニケーションを考える際、言葉(言語)によるコミュニケーションを主体に考えがちですが、

ひきこもり家庭においては、特に父子間の言語によるコミュニケーションは長きにわたって途

絶えており、子どもに影響を与えているのは、むしろ非言語的コミュニケーションの方なのです。

口では「早く仕事をして自立して」と言いながら、身の回りの世話のほとんどをやってしまうという

ことは、「お母さんをいつでも頼りなさい」というメッセージを送っているのと同じです。

「出ていけっ!」とは言っても、夕食が準備されていれば、「いつまでもいなさい」というメッセージが

送られます。これが非言語的コミュニケーションです。

女の子に男の子の格好をさせれば、「女の子では愛せないよ」というメッセージであるし、他の

兄弟をかわいがれば、「オマエは必要ないよ」というメッセージとして送られるのです。

コミュニケーションは、相手に何をイメージさせるかなのです。言葉そのものではなく、相手に

抱かせる情景が、コミュニケーションの結果なのです

このメタコミュニケーションにより、ありのままの自分でいることを許されなかった子どもたちが、

ひきこもるというメタコミュニケーションを通して、親たちにメッセージを送っています

メッセージの内容は、それぞれ違います。わが子のメッセージを汲み取ることが大切です。

言語によるコミュニケーションが十分でなかった家庭ほど、いざコミュニケーションを取りたくても

思うように取れないことを嘆きます。しかし、それは当たり前の話です。

わが子に送ってしまった非言語的メッセージ、不登校、ひきこもりでわが子から送られてくる

メッセージの解読こそが、コミュニケーションの回復を助けます。

 

 

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無自覚な過去の傷み

不登校やひきこもりの相談を受けていますと、あらかた学校でのいじめや失敗体験、人間関係

のもつれなどが引き金となり閉じこもりだしたという話があります。ともすると、これらの出来事が

原因としてとらえられてしまいます。しかし、これが本質的な原因である場合はほとんどないと

いっていいでしょう。中には、前髪を自分でハサミで切り損なったのをきっかけに6年間ひきこ

もった子もいます。もちろん原因は他にありました。

こうとらえてみてください。

500段の階段を一気に駆けあがり、頂上に着いてみたら10段ぐらいの跳び箱があり、「これを

跳んだら終了」と言われたら、さすがに跳べませんね。いつもだったらなんでもない跳び箱でも、

足がガクガク震えてぶつかって崩れ落ちてしまうでしょう。

きっかけとなった出来事は、本来だったらつまづきの原因にもならなかったはずのことです。

それがその時には精神的に跳ね返せるだけの余力が無かったということです。よく「そのくらいの

ことでなんだ!」と親や周囲の大人たちから出ることからも分かるでしょう。

ではなぜその時、それだけの抵抗力がなかったかを考えてみる必要があります。それが先ほど

の500段の階段です。つまり、すでに相当のストレスをそれまでに抱えていたということです。自身

の許容量をはるかに上回るだけの心的ストレスを抱えていて、それがきっかけの出来事によって

あふれ出したというわけです。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)もトラウマを受けた数年も後に突然発症する場合があると言わ

れています。

では、許容量を超えるほどのストレストラウマがどの時期、どこにあったか。それを知ることが

回復の手助けをするためにも大切です。多くが日常の、その子にとってはあたりまえの生活の

中で受けた傷の場合です。

日常とは言っても、本人にとって決して軽々しいものではありません。むしろ、深刻なダメージ

をあたえているものが多いのです。しかし、慢性的なダメージは、本人すらその影響に気づけ

ないでいる場合が少なくないのです

不登校やひきこもりの理由を親が尋ねても答えないことが多いですが、その理由がここにあります。

きっかけになる出来事の多くは、叱責批判排斥など自身を否定されるような場面です。

自己の存在をうとんじられる周囲からの言動などにより、こころの心棒がポッキリ折れてしまうのです。

ですから、それまでにあったものは、自分を自覚できず、足元が揺らぎ、周囲からの自分に向け

られる評価に過度に怯えているといった状態です。「居場所がない」と言いますが、自分がここに居る

意味を見いだせずにいる状態なのです。

こういった状況で、先のような場面に遭遇するともろくも崩れ落ちます。

では、これまでにそういった背景をどこで作ってしまったのかを親御さんには考えていってほしい

のです。

 

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本心は行動にあらわれる

「ちゃんとわかっている」「するつもり」「しようと思えばできる」こんな言葉を子どもから聞かされた

ことはありませんか? どう対応しておられるでしょうか。

言葉では、行動を起こすことを意図しているようですが、案外行動は現状維持の状態ではない

ですか。これは、現状の不満足な状態に対しての妥協が、すっかり習慣となってしまっているか

らです。決して満足できているわけではない。でも、改善するために新たに何かに取り組むのは

したくない。というのが本音なのです。うまくいかないかも知れないというリスクをかかえてまで、

現状改善に取り組むことは避けたいんです。

現状の生きにくさを我慢することよりも、新たな挑戦への不安の方が負荷が大きいということです。

現状維持がまだましなのです。

では、どうやって現状を打破し、改善していくか。

本心(本音)を変えていくしかありません。めんどくささや新たな取り組みへの不安に克つことが

必要です。本心から、より良くなっていきたいと決心することです。

良くも悪くも一定の期間が経過してしまうと、その状態を維持しようという力がはたらきます。

「家族平衡」により、支配、被支配、依存、被依存といった関係性でバランスをとろうという勢力が

はたらくのです。

「わが子がまた今日も家にいる」ということがあたりまえ(通常)になってしまっていませんか?

その状況を変えるためには、先ず親が大きく動き出さなければなりません。

ここで本音が問われます。動き出すことでの抵抗勢力がすぐに頭に浮かびます。その時、現状の

不満足な状態に対しての妥協の習慣、癖が頭をもたげてきます。

本心に問いかけましょう。

「私は今の状態を改善することを心底望んでいるのだろうか?」と。

 

 

 

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わが子を理解する

医療の現場では、「病気」は診るけど「病人」を診れる医者は少ないといったことが言われるそうで

す。なぜこのような病気になったのか、その人そのものを理解することが治療にとって不可欠だと

いうことです。

不登校やひきこもり、ニートは、病気ではない分、よりこの本人を理解するということが、回復への

要となります。なぜそのような生きにくい生き方をあえて選んでしまったのか。

当事者にとっては、傍から生きにくいと見えている生き方が、それ以前の生きかたよりまだましだ

からです。それだけ以前の生きかたは、生きにくく、生き辛かったのです。

それはなぜなのでしょうか。

私がご相談者によくお尋ねするのは、「ひきこもりが解決したら家庭の中は全てOKですか?」とい

うものです。この質問の回答に先ほどの質問の答えが実は隠されています。

わが子のひきこもりが解決したら他に何も問題がないという家庭であれば、恐らくひきこもりは生じ

なかったでしょう。

わが子を理解するためには、その子の生きてきた背景を観察しなければなりません。

なぜ生き辛さを感じて生きてきたのか。

人はどのような状況で生き辛さを感じるのでしょうか。考えてみてください。

あなたは、自分の存在を誰も気づいてくれなくて平気でいられますか?

あなたは、誰からも必要とされず、愛されずに平気でいられますか?

あなたは、自分の価値を実感できずに平気でいられますか?

あなたは、自分を伝える手立てを持てずに平気でいられますか?

あなたは、恐れずに心を開ける相手がいなくても平気でいられますか?

あなたは一人で平気ですか?

 

学校に行かない。働かない。閉じこもる。

その状態の修復に終始しているうちは、わが子を理解することはできないでしょう。

学校にあって家庭にないものは? 働くことに求められるものは? 家族とは違い他人とのかかわり

に必要とされるものは? 家族だからこ負わなければならないものは?

これらのことを考えてみてください。

 

今日の相談者からもこんな言葉がもれました。

「どうしてこんなに長くなってしまったのか。もっと早くに動いていれば」

10年のひきこもりも最初の一日から始まっています。

なぜすぐに動かなかったのか。あなた自身の背景を理解してみましょう。

 

 

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最低限やるべきことは?

こんな相談がありました。「家庭で心がけておくべきことは何でしょうか?」

これに対しては、こうお答えしています。

「解決策が分からないまでも、最低限状況の悪化は防いでください」

コミュニケーションは絶たれ、昼夜逆転し、ゲームやインターネットを好きにやれる環境があれば、

間違いなく事態は深刻化していきます。3ヵ月もそのままにすれば、もうそれを親が容認したと

本人はみなしています。

不登校やひきこもりが始まって、1年もしない内に相談に来られることはまずまれです。

相談に来られた時には既に数年を経過しています。ですから、当然その家庭では、ひきこもりは

容認されたものとしてわが子は受け止めているということを前提にかかわりを始めなければなり

ません。にわかに親が動き出しても「何をいまさら。なぜ今頃」状態です。

だからといって、早々にあきらめ動かないわけにはいきません。

先ず、その生き方を認めているわけではないこと。改善を要する状態にあると受け止めている。

積極的に改善していくことを共にやっていきたい。という親側の姿勢を明確に示す必要があります。

いざ、第三者の介入を加え改善、解決を始めていく決心をしたら、ある意味これまでのことは、棚に

あげてかかるしかありません。

多くが、「困るんだ」とただの愚痴をこぼす形になっています。困っているのは当事者が一番困って

います。親の「困った」を解決するのではなく、わが子が抱えている課題の解決をしていくことを、

はっきり示してあげてください。

それから、よく「本人がいやがることを無理強いしても」というのもよく聞かれます。

私はいつも「この親御さんは、何を大切にしようとしているのだろう?」と疑問に思います。

これまでの生活形態から、自立に向けての促しは、当事者にとってほとんどいやがることばかりで

す。庭木の剪定に学んでください。目的を果たすためには、制約、犠牲、苦痛は必要なのです。

果実も厳しい冬を越してこそ美味しい実がなります。

生活するというのは、「生命を活かす」「活き活きと生きる」ということです。何かを生みだしていく。

創造していくということです。

わが子を活き活きとさせていくことが、個性、存在を大切にするということです。

親側が傷つきたくない自分を優先(大切に)してしまうと、言わなければならないことも言えなくなり

ます。

事態を深刻化させないために、家族が閉じこもらず、学びを広げていくことが肝要なのです。

 

 

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父の日のわが家

昨日は父の日でしたが、娘たちからの贈り物がありました。

昨年嫁いだ長女夫婦も一緒に食事の予定でしたが、あいにく娘に仕事が入り、娘婿が届けてくれ

ました。毎年、私が着る服にかまわないから服をプレゼントしてくれます。娘からもらった服で少し

おしゃれができます。

次女は、ビールとケーキ。家内と私がビールを喜ぶので、先月の母の日もビール。おかげで少々

飲みすぎのようです。私が子どもたち以上に甘いものが好きなのでケーキもつけてくれたのでしょう。

小6の末娘は、にっこり笑顔でごまかされました(笑)。

こんな娘たちとも、特に長女、次女とは、思春期のころにかなりぶつかりました。

どうやったら伝えられるか、どうやったら分かりあえるか。頭も心も悩ませたものです。

大きな声を出したこともあります。つかみあったこともあります。家内とも喧嘩になりかけながら娘

たちのことで話し合ったことも何度もあります。

私が心がけていたことは、「何のためか」という目的を伝えることです。また自分自身にも「何のため」

「何を」娘にしようとしているのかを確認するように努めました。

親も子も衝突するのは、あらかた手段に拘るからです。目的が明確になっていれば、手段は多様に

考えていけばいい。ひとつの手段に囚われてしまうから当初の目的を見失ってしまいます。

それから、私は決して娘たちに好かれよう、気に入られようと考えませんでした。嫌われようが、

「いつか分かる日が必ず来る。そのために今伝えるべきことは今伝える」という信念で向き合いまし

た。かっこ悪い姿も見せました。父親の威厳?そんなものは考えもしません。ありのままに感じた

ままを伝える。それだけでした。

長女の結婚式の日。私たち両親への手紙の中に、心に届いてくれたと実感できる言葉をもらい

ました。父親としてひとつの役目をはたせたと胸にこみあげるものもありました。

次女からは、数年前の誕生日に手紙をもらいました。ぶつかりあったころのことを振り返り、

「これからも叱ってほしい」と書いてありました。

娘たちからの手紙は、私の一番の宝物です。

支援活動の中で多くのご家族と出会い、その中で、本来の家族の絆を取り戻していったのは、

皆真正面から向き合い、本音でぶつかりあったご家族です。

たとえ、暴力や暴言があった子どもたちでも、両親が目をそらさず、しっかり現実を受け止めた

ご家族が深い絆を取り戻しました。

わが子が自分の人生を代償にしてまで、身を挺して両親に訴えようとしていることを、自身の問題

と受け止めきれず、最後まで背中を見せた親御さんもいました。

これまで出逢った青年たちから、気づかされ、教えられたことのお蔭で、娘たちの気持ちを少しでも

分かってあげられる姿勢が得られたと思って、感謝しています。

 

 

 

 

 

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不登校、ひきこもりが意味するもの

不登校やひきこもりという状態は、必要なあたりまえ(とうてい耐え難いといったものではない)の

ことが、できなくなってしまっている状態と言えます。

当事者としての青少年たちの心の中にあるものは、恐れであり、怒り、憎しみです。

この恐れや怒り、憎しみが、必要なあたりまえのことすらできない状態にしてしまっています。

決して自分は周囲から必要とされないであろうという絶望的な恐れから、外界と関わることを拒絶

し、孤独感をさらに強め、ありのままの自分でいさせてもらえなかったことに対して、激しい怒りを

かかえているのです。

何ものかを求め、得られぬ時、人は怒りを覚えます。それは、得られぬことでの傷みをまぎらわせ

るために、怒りのエネルギーにすり替えるのでしょう。

その得たいものが、限定された相手からのものでなければならない場合、その相手が自分にそれ

を与えてくれなかったという、もうひとつの傷を受けてしまいます。

その得たいものが、自分を無条件に求めてくれる愛情であったとするならば、相手である親に対し、

怒りから憎しみへと変質します。

自分が自分のままで生きていくことを許されぬということは、自分ではない他の人間でないと必要

とされない、愛されないという絶望感と同時に、そのままの自分は無価値であるという強烈な自己

否定感を心に刻みます。

そういった青少年たちは、自身のそれまでの生き方自体を呪っていることも少なくありません。

自分といったものを際立たせる外界(他者の存在)は、彼らにとって、恐怖以外の何ものでもありま

せん。あたりまえの世界ですら、息をすることさえままならぬ空間となるのです。

「こんな私では、なおさら受け容れ難い子どもなのでしょうね」と自虐的に怒りを表現し、閉じこもっ

ていきます。と同時に、この子らは、「私はあなたから愛されることが必要なのです。ありのままを

認めてもらいたいのです。なぜなら私はあなたの子どもでありたいから」と声無き声を発信してい

るのです。

 

 

 

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秋葉原通り魔事件

今日の新聞にも秋葉原の事件が大きく報道されていました。

携帯電話の掲示板に、事件に至るまでの経緯を実況中継のように書き込みしていたとのこと。

犯罪心理学などの識者が、「ゆがんだ自己顕示」と分析していました。

書き込みの中で私の目に留まったのは、

「小さいころからいい子を演じさせられていたし、騙すのには慣れてる」

「いつも悪いのは全部俺」

「隣の椅子が開いている座らなかった女の人が、2つ隣が開いたら座った。さすが、嫌われ者

の俺だ」

という部分です。

これらの書き込みから、なぜこれほど歪んだ形でここまで自己顕示しなければならなかったの

かが、見えてくるような気がします。

今朝、TVのワイドショーで流れているのが少し耳に入りました。容疑者の生い立ちに関わるもの

だったようです。

「作文も絵も親がかいたもので賞をとりました」

「親の検閲が入っていました」

「実力がある弟の方が成績を取り出してからは、親の関心は弟に移りました」

容疑者の母親は、非常に教育熱心で、子どものテストの点数を話題にするほどだった。

容疑者が短大に行ったことを近所には隠し、有名大学に進学したと嘘を言っていた。

近日には週刊誌等にも掲載されると思いますが、これが真実だとするなら、先の書き込みの内容

は、十分理解できます。

小さいころからいい子を演じさせられていたし、騙すのには慣れてる

きっと、成績もよく、聞き分けのいい子を親から要求、いや強制させられていたのでしょう。

その家で生き残っていくためには、それに従うしかなかったのでしょう。

「隣の椅子が開いている座らなかった女の人が、2つ隣が開いたら座った。さすが、嫌われ者

の俺だ」 こういった内容は、私は支援活動の中で出逢った青年たちからよく聞かされます。

ありのままを許されなかった子どもたちが、社会生活の中で周囲から批判されたり、否定され

る機会に遭遇すると、すべてを自分に結びつける「関係妄想」や「被害妄想」が強くなってしま

う傾向があります。

もちろん、だからといって容疑者のおこなったことが赦されるわけではありません。

若い犯罪者を生み出す背景を考えなければならないと思うのです。

犯罪という形で、他者をも巻き込み自分に制裁をくわえたい若者たちが生まれてくる、その元型

(アーキタイプ)を知るべきだと。

犯罪者予備軍って、日本にはたくさん居る気がする

容疑者のこの言葉に、社会はただ批判するだけでいられるのだろうか?

 

 

 

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干渉ではなく、関心をもつ

慣性の法則」というものがあります。

不登校やひきこもりで、ある程度の期間を過ぎてしまうと、ほとんど生活スタイルに変化がなくなりま

す。これは、当事者のみならず家族もそうです。部屋にいるのがあたりまえという状態です。

毎日の生活に変化をつけていくことが大切です。また、昨日と今日と何が違っていて、何が同じか

に気づくことも重要です。

変化に応じて、本人へ問いかけていく。変化を促すための質問をする。

その内容とタイミングを間違えると、単なる干渉になってしまいます。

変化に気づくためには、「観る」ことが必要です。見るではなく観るんです。観察、洞察するのです。

そしてしっかり子どもの声を聴き、どの視点から視ればいいかを判断する。

家族が先ず気づきから反省し、同じ過ちを繰り返さぬよう学び、問題解決を決心し、行動を起こす。

行動を起こせば、次なる気づきをえることができます。この繰り返しにより、事態はいやでも好転

してゆきます。

では何を変化させていくべきか? それは習慣です。

 

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家族にできること

「本人がやる気にならないかぎりは・・・」

この言葉は、よく聞かれる言葉です。この後には「どうしようもない」と続きます。

だから長期化するのです。

医療施設もあらかたの相談窓口も「本人を連れてこられなければ・・・」と答えにならない答が

なされているようです。

さて、本人が動けなければどうにもならないのでしょうか?そうであれば、不登校、ひきこもり

はあきらめるしかありませんね。えっ? 「だからあきらめている」ですって。(苦笑い)

まぁ、ちょっと聞いてください。あきらめるのはいつでもできます。

「親が動かなきゃ!」とはっぱをかけられる場合もあります。でもどう動けばいいのか分からない

から留まってしまっているのですよね。

親が動かなきゃというよりも、親自身が当事者であるという自覚。問題の中心という自覚が

必要なのです。つまり、本人をどうにか動かすというよりも、本人よりも何よりも親自身が、

自分の問題改善のために動かざるを得ないということです。

ひきこもりは(不登校の一部も含む)、「個」の問題ではなく、「族」の問題です。

ちなみに戦争や環境破壊は「類」の問題ですね。

「族」の問題というのは、「民族」ではなく、「家族」「一族」の問題ということです。

ですから、家(族)単位で考えることが必要なのです。

「わが家」というくくりでながめた時、本人がかかえている本質的な苦悩が見えてきます。

ジェームズ・アレンの言葉にこういうものがあります。

人間は、自分の置かれた状況を、より良くしたいと望むが、自分自身を、より良くしよう

とはしない。そのため、かれらは、一生古い自分に束縛されたままである

環境は自分をありありと映し出す鏡です。

人が環境を作り、環境は人に影響を与えます。

自らが環境の主体者であり、その状況における当事者、責任者という気づきと自覚が、

新しい自分へ変われるターニングポイントになるのです。

 

 

 

 


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