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解決支援者の現場日記 : 旧ブログ 福祉: 2008年6月

秋葉原通り魔事件

今日の新聞にも秋葉原の事件が大きく報道されていました。

携帯電話の掲示板に、事件に至るまでの経緯を実況中継のように書き込みしていたとのこと。

犯罪心理学などの識者が、「ゆがんだ自己顕示」と分析していました。

書き込みの中で私の目に留まったのは、

「小さいころからいい子を演じさせられていたし、騙すのには慣れてる」

「いつも悪いのは全部俺」

「隣の椅子が開いている座らなかった女の人が、2つ隣が開いたら座った。さすが、嫌われ者

の俺だ」

という部分です。

これらの書き込みから、なぜこれほど歪んだ形でここまで自己顕示しなければならなかったの

かが、見えてくるような気がします。

今朝、TVのワイドショーで流れているのが少し耳に入りました。容疑者の生い立ちに関わるもの

だったようです。

「作文も絵も親がかいたもので賞をとりました」

「親の検閲が入っていました」

「実力がある弟の方が成績を取り出してからは、親の関心は弟に移りました」

容疑者の母親は、非常に教育熱心で、子どものテストの点数を話題にするほどだった。

容疑者が短大に行ったことを近所には隠し、有名大学に進学したと嘘を言っていた。

近日には週刊誌等にも掲載されると思いますが、これが真実だとするなら、先の書き込みの内容

は、十分理解できます。

小さいころからいい子を演じさせられていたし、騙すのには慣れてる

きっと、成績もよく、聞き分けのいい子を親から要求、いや強制させられていたのでしょう。

その家で生き残っていくためには、それに従うしかなかったのでしょう。

「隣の椅子が開いている座らなかった女の人が、2つ隣が開いたら座った。さすが、嫌われ者

の俺だ」 こういった内容は、私は支援活動の中で出逢った青年たちからよく聞かされます。

ありのままを許されなかった子どもたちが、社会生活の中で周囲から批判されたり、否定され

る機会に遭遇すると、すべてを自分に結びつける「関係妄想」や「被害妄想」が強くなってしま

う傾向があります。

もちろん、だからといって容疑者のおこなったことが赦されるわけではありません。

若い犯罪者を生み出す背景を考えなければならないと思うのです。

犯罪という形で、他者をも巻き込み自分に制裁をくわえたい若者たちが生まれてくる、その元型

(アーキタイプ)を知るべきだと。

犯罪者予備軍って、日本にはたくさん居る気がする

容疑者のこの言葉に、社会はただ批判するだけでいられるのだろうか?

 

 

 

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何がアドバイスできるのか

知人や身内にひきこもりや不登校の子どもがいる場合に、どうしたらいいかという問い合わせが

あるときがあります。しかも年齢、性別、ひきこもり期間といった僅かな情報だけで、回答を求め

られることも少なくありませんが、それではお答えしようがありません。

こういった際、先ず頭に置いておいていただきたいことは、ひきこもり(不登校)という状態をどうに

かしようとしてもどうにもならないということです。状態の改善は最終結果です。

なぜ、そんな生活ぶりしか出来なくなってしまっているのかを理解することが先決です。

周囲からはたらきかけられるとすれば、親御さんに問題意識をもってもらい、相談機関を一緒に

探してさしあげるぐらいです。

ひきこもりも不登校、ニートも、それができる環境があるというのが基本にあります。つまり、その

環境を作っているのは、親御さんですから、周囲がどんなに心配して手助けしたいと思っても、

それを必要としていない場合も少なくないのです。

意外に思われるかもしれませんね。「そんなことはない。わが子がひきこもっていて悩まない親

なんていないだろう」と。

もちろん、悩んではいます。しかし、悩むことには、エネルギーを使っているという意味で一生懸命

ですが、その悩みを解決することには一生懸命でない場合は多いのです。

先に話しましたように、なぜこの子はこういう生き方しかできない状態になってしまったかを理解

することが大切ですし、傷みに共感することも必要です。回復のための具体的な道筋も示して

あげる必要があります。問題を共有し、共に動いていくという姿勢が必要なのです。それがあって

こそ、子どもたちは孤独感に押しつぶされずにすみます。

ところが、よく言われるように、ひきこもりや不登校問題は、家族自体がひきこもることが多いの

です。どこへも相談に行かない。だれにもしゃべらない。私がこれまで経験した中でも、10数年も

妹がひきこもっていたことを、全く親からしらされてなかったケースもありました。親戚にも全く話

していないというケースも決してめずらしくありません。もっとも親戚から「ひきこもっていることな

んか絶対口外してくれるな」と念をおされて、なくなく事態を長期化させているといった場合もある

のですが。

当事者たちの場合は、怖れや怯えこそありますが、何に迷っているのか、悩んでいるのかが分か

らないまま悩んでいるといった状況が多いですから、「頑張りなさい」は励ましにはなりませんし、

「大丈夫だから」も支えになりえません。

何がどう大丈夫なのかを具体的に示してあげられることが必要なのです。

 

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相談料3千円

 

 

 

 

 


家庭から笑い声は消える?

今全国で、児童養護施設や一時保護所が窮地に追い詰められているといいます。

その最大の理由が、虐待相談件数の急増だそうです。(週刊東洋経済)

一時保護所には、虐待を受けた子や非行の子らが一緒に保護されており、虐待を受けた

子たちが怯えたり、ストレスから職員に暴力を振るうケースもあるといいます。

また、乳児院では、「飛び込み出産」(妊婦が健診を受けないまま出産する)が増えたことで、

児童相談所でのアセスメントをまったく経ずに入所を迎えることで、乳児院がHIVなどの

感染症のリスクにさらされているといった指摘もあるそうです。

こういった中、北九州市子ども総合センター(児童相談所、同市戸畑区)の一時保護所で、

非行などのために保護した少年を鍵をかけた個室に閉じ込めていたというニュースがありました。

センターによると、保護している他の子どもや職員に危害を加える恐れのある中学生や

高校生の男女を「静養室」と呼ばれる個室に入れ、外から施錠していたとのこと。

厚労省の指針は「身体の直接的拘束」や「一人ずつ鍵をかけた個室におくこと」を禁じている。

センターの幹部や職員は禁止行為と知りながら、他の子どもに危害を加えたり施設の設備を

壊したりした場合に「やむを得ず外から施錠していた」ということです。

確かに人権問題ではあるのでしょうが、一施設だけの責任云々の問題ではない気がします。

社会的背景こそを考えていくべきではないでしょうか。なぜこういった施設が満杯状態になるのか。

親から暴力を受け、見捨てられ、あるいは穏やかな家庭のようにあっても、親の欲求充足の

道具にされたり、自己判断、選択を許されなかったり、家族の顔を見るより携帯の画面を見て

いる時間が長い子どもたち。この子らの家庭に笑い声は戻ってくるのでしょうか?


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