解決支援者の現場日記

ひきこもり・不登校~何が解決を阻むのか③


私は、二神氏と同じように、「親離れ、子離れ」は

確かに必要なことだとは考えているのですが、だからと言って、

物理的に話せば、つまり、親元から出せば自立心が芽生えるとは、

考えていません。




なぜなら、実際、相談者の中には、

家から出して一人暮らしをさせて久しい家庭もあるのです。

一人暮らしをさせれば、自立心が出てくるだろうとの目論見です。

ところが、そのまま引きこもっているので相談に来られたのです。




一人暮らしとはいっても、すべて親がかりです。

家賃、光熱費、食費諸々、収入がありませんので当然です。

ひきこもる場所が実家の自室からアパートに移っただけです。

実質、親の経済的負担は増しています。

目論見は大失敗ということです。




アパートに食事を定期的に運んでいた家族もありました。

それでも家にはいてほしくないということなのかも知れません。

悪質業者(引き出し屋)に数百万円も支出してでも、

なんとかしてほしいという家庭もあるくらいですから。




私は、当事者たちの声を聞く限り、

親抜きでは本質的な解決はできないと思えたのです。

対症療法ではなく、原因療法を行わなければ繰り返してしまうと。




支援の始めが、不登校児専門家庭教師ということで、

100%家庭に訪問していた経験が、後の支援に役立ちました。

家庭に訪問していたことが、訪問せずとも

当事者たちを動かせる手立てを見出せたのです。




「親離れ、子離れ」させるために、

単に物理的に距離をおかせるのではなく、

なぜ互いが離れられないでいるのかというところに踏み込み、

解決をはかっていったのです。




簡単に言ってしまえば、共依存状態です。

つまり、愛されることを必要とする子と、

必要とされることを必要とする親
の間に生じる呪縛の関係性です。




子は、世話をしてもらうことで愛されていることを実感しようとし、

親は、かいがいしく世話をやくことで

わが子から必要とされている実感を得ようとするのです。

また、子どもは、親から支配されてきたという思いから、

世話をさせることでコントロール欲求を満たそうとします。

たとえ物理的に距離をとったとしても、

この共依存の呪縛が解けない以上、

互いが相手を手放そうとしないのです。




このことは何を意味しているかと言うと、

子は、「変わりたいけど、変わりたくない」という

両価的な意識があるように、

親もまた、「解決したいけどこのままでもいたい」

という意識があるのです。

このことが長期化の一因でもあることを知ることが、

支援には必要なのです。




さて、ではなぜこのような心理になってしまっているのか、

次回述べてみましょう。





この「現場日記」では今、ポツポツとこれまでの支援の歴史を振り返っておりますので、

しばらく内容はそれぞれ次回へ続いてまいります。



 




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