解決支援者の現場日記 : 旧ブログ

ひきこもりは甘えか?

ひきこもりに対して、まだ甘えという偏見がある」とか、「親の過保護がつくりだしたという誤解がある

といった意見が聞かれたりすることがままありますが、「そうではないのです。分かってあげてくだ

さい」なんて、まことしやかに支援者側や評論家が言うから、認識がさらにおかしくなってしまいます。

 

 

本当にひきこもり支援に携わっている者であれば、「甘え」もあることが周知の事実であることは、

分かっているはずです。

 

 

以前に、ある不登校の研修会の席で、不登校児童に関わっているという男性教師が、「あの子たち

は、純粋な子なんです。傷つきやすいだけなんです。甘えているんではありません」と、涙ながらに

発表しているのを横で聞いていて、私は、いささか引いてしまったことがありました。

そんなに感傷的になっても、正確に事実が伝わりません。

 

 

過度に保護、支援しようと考えると、事態を美化してしまう傾向があります

ある親の会の代表の方が、「私たち親がすべて悪いんです。子どもたちは悪くありません」と、興奮

して話されたこともありました。

 

 

何事も事実を客観的により正確に観ていくことが大切です。

「ひきこもりは、甘えがある」と言っても、

なんだ、それなら支援なんかするべきじゃないだろう」とか、

税金を投じる必要性があるのか」と、

単純軽薄な返しをしないでもらいたいのです。

 

 

「甘えがある」と言っているだけで、「甘えだけで、そうなっている」とは言っていません。

 

 

それに、「甘え」と言っても、誰でもが内在しているものとあまり変わりはありません

あなたは、家族に甘えることがありませんか?

赤の他人と接するのと同じように家族と接しますか?

そんなことはないでしょう。

心を許せている分、頼ったり、気遣いをおろそかにしてしまっていませんか?

着る物や物のありかも自分では分からない父親もいますね(笑)。

食器の片付けや身支度まで、妻にさせている夫もいます。

これは甘えではありませんか?

 

 

ひきもり当事者たちの甘えは、どちらかと言うと、自分に対しての甘えが強いです。

自分への「甘やかし」ですね。

 

 

困難や痛みに対して、自分を向かわせるということが、苦手。避けていることは確かです

ですが、これもまた、「克己心」という言葉があるように、あなたも「自分は克己心があって、自分を

常に律することができる」と自信をもって言えますか?

これまた、なかなか難しいところだと思います。

 

 

認識して頂きたいのは、自分に負荷を与えず、周囲に依りすがってしか生きられないほど、脆弱に

なってしまっていて、甘えよりも恐怖心の方が上回っているということです。

それほどまでに、ストレス耐性欲求不満耐性が失われているのがなぜかに関心をはらってもらい

たいのです。

 

 

「感性が研ぎ澄まされている」といった言葉で、彼らを表す方もいますが、これも先ほど言った美化

した表現でしかありません。

研ぎ澄まされているほど、洗練されてもいませんし、ガラス細工のように優美でもありません。

 

 

それどころか、心の鏡が曇りきっています。

すべてのものをありのままに映し出せなくなってしまっていて、見るもの、聞くもの、歪んでしか捉え

るしかできなくなってしまっています

自己認識にもかなりの歪みがあり、存在自体に価値がないとみなしています

そういう意味では、自分を甘やかすと言うよりは、自分を粗末に扱っています

 

 

感性が鋭いということではなく、皮を剥ぎ落とされ、丸裸にされて、赤肌を常にさらしているような状態

なのです。

だから、風が吹いても痛みで悲鳴をあげます。

保護膜を失っている状態です。

ですから、新たな保護膜で覆ってあげる必要があります。

 

 

それと合わせ、心の脱皮が必要です。

自身の今を招いた古い皮(歪んだ思い込み)に囚われ、なかなか脱ぎ捨てることができません。

長期化してくると、ひきこもり自体を自分らしさ(アイデンティティ)としてしまうほどです。

働き出しても、心の脱皮が出来ていない青年もいます。

 

 

感性が鋭いのではなく、思考の柔軟性に欠け、傷つかないでいい方法が分からず、自己破壊的に

自らを傷つけるのです。

 

 

柔軟な動きが出来る動物は、脊椎動物です。

背骨(バックボーン)をもつ生き物です。

節足動物は、厚い甲羅に覆われ、柔軟な動きが出来ません。

 

 

思考に柔軟性がないのは、バックホーン(精神的支柱)をもっていないことと、多様な価値観をもち

あわせていないからです

多様な価値観が、私たちをあらゆるストレスから守ってくれる保護膜となるのです

 

 

当事者本人のやる気が出るのを待つ支援や、簡単な作業から慣れさせていったり、人に少しずつ

慣れさせていくといった支援は、彼らに何を補ってあげればいいのかを全く理解できていない援助

です。

いたずらに時間を経過させるか、社会に一旦入ったとしても、リバウンドがあります。

 

 

心の脱皮が出来て、多様な価値観から、確たる精神的支柱をもつことができてこそ、社会へ出て行く

覚悟が出来るのです。

 

 

 

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