解決支援者の現場日記 : 旧ブログ

家庭から笑い声は消える?

今全国で、児童養護施設や一時保護所が窮地に追い詰められているといいます。

その最大の理由が、虐待相談件数の急増だそうです。(週刊東洋経済)

一時保護所には、虐待を受けた子や非行の子らが一緒に保護されており、虐待を受けた

子たちが怯えたり、ストレスから職員に暴力を振るうケースもあるといいます。

また、乳児院では、「飛び込み出産」(妊婦が健診を受けないまま出産する)が増えたことで、

児童相談所でのアセスメントをまったく経ずに入所を迎えることで、乳児院がHIVなどの

感染症のリスクにさらされているといった指摘もあるそうです。

こういった中、北九州市子ども総合センター(児童相談所、同市戸畑区)の一時保護所で、

非行などのために保護した少年を鍵をかけた個室に閉じ込めていたというニュースがありました。

センターによると、保護している他の子どもや職員に危害を加える恐れのある中学生や

高校生の男女を「静養室」と呼ばれる個室に入れ、外から施錠していたとのこと。

厚労省の指針は「身体の直接的拘束」や「一人ずつ鍵をかけた個室におくこと」を禁じている。

センターの幹部や職員は禁止行為と知りながら、他の子どもに危害を加えたり施設の設備を

壊したりした場合に「やむを得ず外から施錠していた」ということです。

確かに人権問題ではあるのでしょうが、一施設だけの責任云々の問題ではない気がします。

社会的背景こそを考えていくべきではないでしょうか。なぜこういった施設が満杯状態になるのか。

親から暴力を受け、見捨てられ、あるいは穏やかな家庭のようにあっても、親の欲求充足の

道具にされたり、自己判断、選択を許されなかったり、家族の顔を見るより携帯の画面を見て

いる時間が長い子どもたち。この子らの家庭に笑い声は戻ってくるのでしょうか?


記事一覧を見る

ブログTOPへ戻る