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解決支援者の現場日記 : 旧ブログでタグ「家庭問題」が付けられているもの

多問題家族

熊本、福岡の講演を終えました。

熊本は今回、高校教員の方や教職を退職された方などのご参加がありました。

私の講演や講座などには、時折当事者家庭以外の教育現場や、相談現場に関わっている

方などの参加があります。

そういった方々の講演の感想を聞いておりますと、それまで感じていた不登校やひきこもり

に関してのイメージとかなり違ったということをよく聞きます。

それは、不登校やひきこもりといった現象が起こる根っこの部分に焦点をあてた話が多い

からだと思います。

とかく、不登校問題は「どうやって登校を促すか」「どのくらい刺激しないでいた方がいいのか」

とか、ひきこもりは「どうしたら働くのか」「病院へも連れていけないしどうしたらいいのか」など

の話題に終始しているようです。

それらのことを考えるためにも、どうしてわが子がこうしているのかの意味、理由が分かって

いなければ的確な答えは出ません。

今回の講演でもひきこもりを終わらせるためには何が必要かをテーマにお話ししましたが、

そもそも「ひきこもり」とは何かを先ず考えて頂きました。

一般的には、過保護による甘え、病気でおかしくなった、変わったところでは「霊にとり憑か

れている」と占い師や宗教関係者から言われたなどがあります。

甘えと見れば、説教、勘当騒ぎとなりますし、病気と見れば、治すのは薬であり医者。

本人が診療を受けなければどうにもならない。

霊の仕業であれば神頼みで終わってしまいます。

では実際はどうなのか。

病気は子どもたち本人ではなくむしろ家族の方だということです。

不登校もひきこもりも家族病理の症状として現れています。子どもたちは、ひきこもるという

行為で家庭の病理を治療しているのです

とり憑かれているのは霊ではなく、連綿と続いてきた家族、一族の“しきたり”という呪縛です。

家族としての機能が果たしえていない「機能不全家族」という表現がありますが、それよりも

多問題家族」といったとらえ方の方が実態を端的に表していると思います。

不登校、ひきこもり、ニートの症状が出る家庭には、複数の改善を要する問題を抱えている

ということです。

複合的にそれらの問題が重なり、それがわが子の逸脱行動に集約されたということです。

ですから、「わが子のひきこもり(不登校)が解決したら、わが家は全て問題無しか?」と問いか

けてみるといいんです。そうでないことが必ず分かりますし、その他の問題の中に、わが子の

ひきこもりの原因が見えてきます。

わが家を含めて問題の無い家庭はありません。要はその問題に気づけたか、どう対処したか

がまさに問題なのです。また問題は、機が熟してこそ表面化します。

子どもが学校に通っているから、働いているから何も問題無しということにはなりません。

「子どもを問題児と見られたくなかったから相談にも行けなかった」ということを聞きます。

子どもたちは問題児ではなく、わが家の問題、課題を教えてくれる存在です

子どもたちが問題を提起してくれることで、それまで気づけなかった、気づかないふりをしてい

た家族関係が浮き彫りになります。

子どもたちが示してくれることに真摯に向き合うことで、わが家がより安らぐ場所、和みあえる

空間となるのです。

次回は、講演の中でもお話しした家族にできること、親にしかできないことについて述べてみましょう。

 

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何度も同じことの繰り返し

ひきこもりという現象は、毎日同じことを繰り返していると言えます。

目が覚め、食事をとりその日を漫然と過ごす。そこに何かの変化をつけることもなく、家族もまた、

その光景があたりまえのようにその日を終える。

「いつになったら動き出すの?」

「そのうち動くよ」

「いつもそう言うじゃない。なぜ動かないの?」

「自分なんか受け入れてもらえないよ」

「またそれを言うの」

「・・・・・」

これは、変化が起こること、変化をおこすことへの怖れです。

親も子も、変化することで何か新たなものが生じてしまうことが怖いのです。

変化に対応できないという課題を親も子も抱えています。 

変化に対応できるためには、柔軟さ必要です。硬直化されたコミュニケーションの中でバランスを

保っていた親子は、柔軟な思考を欠き、たとえ状況が改善される可能性が見える変化に対しても、

それを拒もうとします。 一旦固定化されてしまえば、それが苦悩の源泉であっても、安定が崩れる

かのような錯覚に陥るのです

柔軟な思考にするためには、囚われをはずすということです。

人は認識を深め、気づきのレベルを高めることで、世界観が広がります。

自己の認識にないものは、存在自体がないのです。

人はよほどの自分育がない限り、親の世界観以上の視野をもてません。

閉塞的環境の住人となった不登校、ひきこもり、ニートの家庭は、先ず親が価値観の大転換

いった変化への挑戦をしていかなければならないのです。

 

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質問で解決が決まる

昨日は、家庭教育無料講座でした。

『不登校・ひきもり全て答えます』と題して、参加者の方の質問に答える形式を取りました。

事前に配られた質問用紙に匿名で自由に書いていただきましたが、質問をしてもらうという手法は、

実は問題が見えているかどうかを確認できる有効な手法なのです。私はかねてより、講演や講座

の後、出来るだけ質問をしてもらうようにしています。私自身が、質問をしてもらうことで、発見でき

ることが少なくないからです。時に「こんなに具体的に質問に答える講師はあまりいませんでした」

と聴講者に言われることもありますが、私は話す内容を用意した講演よりも、その場で出た質問に

答える方がかえってやり易いんです。事例でお答えできますしね。

昨日お話した中でひとつご紹介しましょう。

「仕事が長続きせず困っています。(30歳)」「就職しないで家にずっといます(27歳)」

こういった質問の際、「どうしたらいいですか?」と聞かれます。「どうしたら」つまり解決法

真っ先に尋ねられます。ここで大切なことは、解決法、方法論は、先ず何が問題か明確にしてか

ら出てくるものだということです。解決すべきより優先順位の高い問題は何かということです。

また、悩みは必ず、不快や苦痛を伴いますので、周囲としてもなんとかすぐにでもその苦痛を取り

除いてあげたいと自然に思うものです。手っ取り早くやれる方法(解決法)が、話を聞いてあげること

です。一人で心に溜め込んでおくと苦しいですから、ただ黙って聞いてもらえるだけでもそれなりの

効果は確かにあります。しかしこれは、解決法というよりも対処法です。その場限りのもっというと

その場しのぎの苦肉の策です。

この聞いてあげるとゆっくり休ませてあげるが相まって、長期化してしまうことが実は多いのです。

精神科医の西城有朋氏は、自身の著書の中で〈ダメな精神科医の見極め方〉の一つに

二言目には「とにかく休め」を言う医者と述べています。もちろん、患者の状況にもよりますが、

不登校やひきこもりの相談を受けている様ざまな場所でも、この言葉はよく聞かされているようです。

さんざん悩みを聞いてもらって、「もう話すことも無くなった」と聞いてもらうことすら必要でなくなり、

ただ黙って休養だけ続けている例も少なくありません。

聞いてあげたら、返してあげましょう。その悩みの解決法を返してあげるのです。その時に大切な

ことが先に述べたように、解決すべき問題は何かを明確にするということです。

例えば、不登校の問題は何ですか? 「学校へ登校していないこと」 はい、ハズレです。

ひきこもり、ニートの問題は? 「働かず、社会生活をしていないこと」 はい、またハズレです。

この答えでは、せいぜい説教するか、勘当するか、本人のやる気をただ待つかの対処法になって

しまいます。登校しないとか、働かないが問題ではなく、何かができなくなっていて、登校できず、

働けないのです。この何が出来なくなってしまっているのかを知ること最優先の課題なのです。

例えば、自宅の中ですら行動が制限され、行きたい部屋へいけない状態の子が外出などできます

か? 人間関係を構築することが出来ない者が働けますか? 面接の場の緊張に耐えられない青年

が就職できますか?

わが子が何が出来ないでいるのかを把握していない状態で、「学校行けー!」「働けー!」は新たな

傷を与え、事態をより深刻化させるだけです。それはご家族も望んでいないはずです。

周囲が当事者に手を貸すべきことは、悩み、不安への共感と共に、問題の解決です。

問題の解決のためには、

①問題は何かを把握する ②具体的解決法を知る ③解決法の実行を妨げる障害要因の排除

が要となります。

①と②は、自分で分からなければ専門家に委ねることです。特に②は解決実績のある実践家で

ないと分かりません。

③は、例えば理解、協力の姿勢の無い同居家族などです。そういった場合は、協力者は多ければ

多いほどよいですから、親戚の方とか当事者のことを小さい時から知っている近所のオジチャン、

オバチャンでもかまいません。協力者に素直に頼みましょう。

ここでかねての生きかた、人間関係が問われるのです。わが家の有事にサポーター(協力者)も

得られないような生きかたは改めましょう。世間体を気にしなければならないような風通しの悪い

家庭は、既に呼吸不全を起こしています

 

解決すべき問題が解決されてこそ、学校にも戻れるし、社会へも入っていけるのです。

質問の内容で問題認識のボタンの掛け違いが露呈されます。最初のボタンがずれていたら、

後の対策は総崩れになるです。

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無自覚な過去の傷み

不登校やひきこもりの相談を受けていますと、あらかた学校でのいじめや失敗体験、人間関係

のもつれなどが引き金となり閉じこもりだしたという話があります。ともすると、これらの出来事が

原因としてとらえられてしまいます。しかし、これが本質的な原因である場合はほとんどないと

いっていいでしょう。中には、前髪を自分でハサミで切り損なったのをきっかけに6年間ひきこ

もった子もいます。もちろん原因は他にありました。

こうとらえてみてください。

500段の階段を一気に駆けあがり、頂上に着いてみたら10段ぐらいの跳び箱があり、「これを

跳んだら終了」と言われたら、さすがに跳べませんね。いつもだったらなんでもない跳び箱でも、

足がガクガク震えてぶつかって崩れ落ちてしまうでしょう。

きっかけとなった出来事は、本来だったらつまづきの原因にもならなかったはずのことです。

それがその時には精神的に跳ね返せるだけの余力が無かったということです。よく「そのくらいの

ことでなんだ!」と親や周囲の大人たちから出ることからも分かるでしょう。

ではなぜその時、それだけの抵抗力がなかったかを考えてみる必要があります。それが先ほど

の500段の階段です。つまり、すでに相当のストレスをそれまでに抱えていたということです。自身

の許容量をはるかに上回るだけの心的ストレスを抱えていて、それがきっかけの出来事によって

あふれ出したというわけです。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)もトラウマを受けた数年も後に突然発症する場合があると言わ

れています。

では、許容量を超えるほどのストレストラウマがどの時期、どこにあったか。それを知ることが

回復の手助けをするためにも大切です。多くが日常の、その子にとってはあたりまえの生活の

中で受けた傷の場合です。

日常とは言っても、本人にとって決して軽々しいものではありません。むしろ、深刻なダメージ

をあたえているものが多いのです。しかし、慢性的なダメージは、本人すらその影響に気づけ

ないでいる場合が少なくないのです

不登校やひきこもりの理由を親が尋ねても答えないことが多いですが、その理由がここにあります。

きっかけになる出来事の多くは、叱責批判排斥など自身を否定されるような場面です。

自己の存在をうとんじられる周囲からの言動などにより、こころの心棒がポッキリ折れてしまうのです。

ですから、それまでにあったものは、自分を自覚できず、足元が揺らぎ、周囲からの自分に向け

られる評価に過度に怯えているといった状態です。「居場所がない」と言いますが、自分がここに居る

意味を見いだせずにいる状態なのです。

こういった状況で、先のような場面に遭遇するともろくも崩れ落ちます。

では、これまでにそういった背景をどこで作ってしまったのかを親御さんには考えていってほしい

のです。

 

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本心は行動にあらわれる

「ちゃんとわかっている」「するつもり」「しようと思えばできる」こんな言葉を子どもから聞かされた

ことはありませんか? どう対応しておられるでしょうか。

言葉では、行動を起こすことを意図しているようですが、案外行動は現状維持の状態ではない

ですか。これは、現状の不満足な状態に対しての妥協が、すっかり習慣となってしまっているか

らです。決して満足できているわけではない。でも、改善するために新たに何かに取り組むのは

したくない。というのが本音なのです。うまくいかないかも知れないというリスクをかかえてまで、

現状改善に取り組むことは避けたいんです。

現状の生きにくさを我慢することよりも、新たな挑戦への不安の方が負荷が大きいということです。

現状維持がまだましなのです。

では、どうやって現状を打破し、改善していくか。

本心(本音)を変えていくしかありません。めんどくささや新たな取り組みへの不安に克つことが

必要です。本心から、より良くなっていきたいと決心することです。

良くも悪くも一定の期間が経過してしまうと、その状態を維持しようという力がはたらきます。

「家族平衡」により、支配、被支配、依存、被依存といった関係性でバランスをとろうという勢力が

はたらくのです。

「わが子がまた今日も家にいる」ということがあたりまえ(通常)になってしまっていませんか?

その状況を変えるためには、先ず親が大きく動き出さなければなりません。

ここで本音が問われます。動き出すことでの抵抗勢力がすぐに頭に浮かびます。その時、現状の

不満足な状態に対しての妥協の習慣、癖が頭をもたげてきます。

本心に問いかけましょう。

「私は今の状態を改善することを心底望んでいるのだろうか?」と。

 

 

 

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わが子を理解する

医療の現場では、「病気」は診るけど「病人」を診れる医者は少ないといったことが言われるそうで

す。なぜこのような病気になったのか、その人そのものを理解することが治療にとって不可欠だと

いうことです。

不登校やひきこもり、ニートは、病気ではない分、よりこの本人を理解するということが、回復への

要となります。なぜそのような生きにくい生き方をあえて選んでしまったのか。

当事者にとっては、傍から生きにくいと見えている生き方が、それ以前の生きかたよりまだましだ

からです。それだけ以前の生きかたは、生きにくく、生き辛かったのです。

それはなぜなのでしょうか。

私がご相談者によくお尋ねするのは、「ひきこもりが解決したら家庭の中は全てOKですか?」とい

うものです。この質問の回答に先ほどの質問の答えが実は隠されています。

わが子のひきこもりが解決したら他に何も問題がないという家庭であれば、恐らくひきこもりは生じ

なかったでしょう。

わが子を理解するためには、その子の生きてきた背景を観察しなければなりません。

なぜ生き辛さを感じて生きてきたのか。

人はどのような状況で生き辛さを感じるのでしょうか。考えてみてください。

あなたは、自分の存在を誰も気づいてくれなくて平気でいられますか?

あなたは、誰からも必要とされず、愛されずに平気でいられますか?

あなたは、自分の価値を実感できずに平気でいられますか?

あなたは、自分を伝える手立てを持てずに平気でいられますか?

あなたは、恐れずに心を開ける相手がいなくても平気でいられますか?

あなたは一人で平気ですか?

 

学校に行かない。働かない。閉じこもる。

その状態の修復に終始しているうちは、わが子を理解することはできないでしょう。

学校にあって家庭にないものは? 働くことに求められるものは? 家族とは違い他人とのかかわり

に必要とされるものは? 家族だからこ負わなければならないものは?

これらのことを考えてみてください。

 

今日の相談者からもこんな言葉がもれました。

「どうしてこんなに長くなってしまったのか。もっと早くに動いていれば」

10年のひきこもりも最初の一日から始まっています。

なぜすぐに動かなかったのか。あなた自身の背景を理解してみましょう。

 

 

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最低限やるべきことは?

こんな相談がありました。「家庭で心がけておくべきことは何でしょうか?」

これに対しては、こうお答えしています。

「解決策が分からないまでも、最低限状況の悪化は防いでください」

コミュニケーションは絶たれ、昼夜逆転し、ゲームやインターネットを好きにやれる環境があれば、

間違いなく事態は深刻化していきます。3ヵ月もそのままにすれば、もうそれを親が容認したと

本人はみなしています。

不登校やひきこもりが始まって、1年もしない内に相談に来られることはまずまれです。

相談に来られた時には既に数年を経過しています。ですから、当然その家庭では、ひきこもりは

容認されたものとしてわが子は受け止めているということを前提にかかわりを始めなければなり

ません。にわかに親が動き出しても「何をいまさら。なぜ今頃」状態です。

だからといって、早々にあきらめ動かないわけにはいきません。

先ず、その生き方を認めているわけではないこと。改善を要する状態にあると受け止めている。

積極的に改善していくことを共にやっていきたい。という親側の姿勢を明確に示す必要があります。

いざ、第三者の介入を加え改善、解決を始めていく決心をしたら、ある意味これまでのことは、棚に

あげてかかるしかありません。

多くが、「困るんだ」とただの愚痴をこぼす形になっています。困っているのは当事者が一番困って

います。親の「困った」を解決するのではなく、わが子が抱えている課題の解決をしていくことを、

はっきり示してあげてください。

それから、よく「本人がいやがることを無理強いしても」というのもよく聞かれます。

私はいつも「この親御さんは、何を大切にしようとしているのだろう?」と疑問に思います。

これまでの生活形態から、自立に向けての促しは、当事者にとってほとんどいやがることばかりで

す。庭木の剪定に学んでください。目的を果たすためには、制約、犠牲、苦痛は必要なのです。

果実も厳しい冬を越してこそ美味しい実がなります。

生活するというのは、「生命を活かす」「活き活きと生きる」ということです。何かを生みだしていく。

創造していくということです。

わが子を活き活きとさせていくことが、個性、存在を大切にするということです。

親側が傷つきたくない自分を優先(大切に)してしまうと、言わなければならないことも言えなくなり

ます。

事態を深刻化させないために、家族が閉じこもらず、学びを広げていくことが肝要なのです。

 

 

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父の日のわが家

昨日は父の日でしたが、娘たちからの贈り物がありました。

昨年嫁いだ長女夫婦も一緒に食事の予定でしたが、あいにく娘に仕事が入り、娘婿が届けてくれ

ました。毎年、私が着る服にかまわないから服をプレゼントしてくれます。娘からもらった服で少し

おしゃれができます。

次女は、ビールとケーキ。家内と私がビールを喜ぶので、先月の母の日もビール。おかげで少々

飲みすぎのようです。私が子どもたち以上に甘いものが好きなのでケーキもつけてくれたのでしょう。

小6の末娘は、にっこり笑顔でごまかされました(笑)。

こんな娘たちとも、特に長女、次女とは、思春期のころにかなりぶつかりました。

どうやったら伝えられるか、どうやったら分かりあえるか。頭も心も悩ませたものです。

大きな声を出したこともあります。つかみあったこともあります。家内とも喧嘩になりかけながら娘

たちのことで話し合ったことも何度もあります。

私が心がけていたことは、「何のためか」という目的を伝えることです。また自分自身にも「何のため」

「何を」娘にしようとしているのかを確認するように努めました。

親も子も衝突するのは、あらかた手段に拘るからです。目的が明確になっていれば、手段は多様に

考えていけばいい。ひとつの手段に囚われてしまうから当初の目的を見失ってしまいます。

それから、私は決して娘たちに好かれよう、気に入られようと考えませんでした。嫌われようが、

「いつか分かる日が必ず来る。そのために今伝えるべきことは今伝える」という信念で向き合いまし

た。かっこ悪い姿も見せました。父親の威厳?そんなものは考えもしません。ありのままに感じた

ままを伝える。それだけでした。

長女の結婚式の日。私たち両親への手紙の中に、心に届いてくれたと実感できる言葉をもらい

ました。父親としてひとつの役目をはたせたと胸にこみあげるものもありました。

次女からは、数年前の誕生日に手紙をもらいました。ぶつかりあったころのことを振り返り、

「これからも叱ってほしい」と書いてありました。

娘たちからの手紙は、私の一番の宝物です。

支援活動の中で多くのご家族と出会い、その中で、本来の家族の絆を取り戻していったのは、

皆真正面から向き合い、本音でぶつかりあったご家族です。

たとえ、暴力や暴言があった子どもたちでも、両親が目をそらさず、しっかり現実を受け止めた

ご家族が深い絆を取り戻しました。

わが子が自分の人生を代償にしてまで、身を挺して両親に訴えようとしていることを、自身の問題

と受け止めきれず、最後まで背中を見せた親御さんもいました。

これまで出逢った青年たちから、気づかされ、教えられたことのお蔭で、娘たちの気持ちを少しでも

分かってあげられる姿勢が得られたと思って、感謝しています。

 

 

 

 

 

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不登校、ひきこもりが意味するもの

不登校やひきこもりという状態は、必要なあたりまえ(とうてい耐え難いといったものではない)の

ことが、できなくなってしまっている状態と言えます。

当事者としての青少年たちの心の中にあるものは、恐れであり、怒り、憎しみです。

この恐れや怒り、憎しみが、必要なあたりまえのことすらできない状態にしてしまっています。

決して自分は周囲から必要とされないであろうという絶望的な恐れから、外界と関わることを拒絶

し、孤独感をさらに強め、ありのままの自分でいさせてもらえなかったことに対して、激しい怒りを

かかえているのです。

何ものかを求め、得られぬ時、人は怒りを覚えます。それは、得られぬことでの傷みをまぎらわせ

るために、怒りのエネルギーにすり替えるのでしょう。

その得たいものが、限定された相手からのものでなければならない場合、その相手が自分にそれ

を与えてくれなかったという、もうひとつの傷を受けてしまいます。

その得たいものが、自分を無条件に求めてくれる愛情であったとするならば、相手である親に対し、

怒りから憎しみへと変質します。

自分が自分のままで生きていくことを許されぬということは、自分ではない他の人間でないと必要

とされない、愛されないという絶望感と同時に、そのままの自分は無価値であるという強烈な自己

否定感を心に刻みます。

そういった青少年たちは、自身のそれまでの生き方自体を呪っていることも少なくありません。

自分といったものを際立たせる外界(他者の存在)は、彼らにとって、恐怖以外の何ものでもありま

せん。あたりまえの世界ですら、息をすることさえままならぬ空間となるのです。

「こんな私では、なおさら受け容れ難い子どもなのでしょうね」と自虐的に怒りを表現し、閉じこもっ

ていきます。と同時に、この子らは、「私はあなたから愛されることが必要なのです。ありのままを

認めてもらいたいのです。なぜなら私はあなたの子どもでありたいから」と声無き声を発信してい

るのです。

 

 

 

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秋葉原通り魔事件

今日の新聞にも秋葉原の事件が大きく報道されていました。

携帯電話の掲示板に、事件に至るまでの経緯を実況中継のように書き込みしていたとのこと。

犯罪心理学などの識者が、「ゆがんだ自己顕示」と分析していました。

書き込みの中で私の目に留まったのは、

「小さいころからいい子を演じさせられていたし、騙すのには慣れてる」

「いつも悪いのは全部俺」

「隣の椅子が開いている座らなかった女の人が、2つ隣が開いたら座った。さすが、嫌われ者

の俺だ」

という部分です。

これらの書き込みから、なぜこれほど歪んだ形でここまで自己顕示しなければならなかったの

かが、見えてくるような気がします。

今朝、TVのワイドショーで流れているのが少し耳に入りました。容疑者の生い立ちに関わるもの

だったようです。

「作文も絵も親がかいたもので賞をとりました」

「親の検閲が入っていました」

「実力がある弟の方が成績を取り出してからは、親の関心は弟に移りました」

容疑者の母親は、非常に教育熱心で、子どものテストの点数を話題にするほどだった。

容疑者が短大に行ったことを近所には隠し、有名大学に進学したと嘘を言っていた。

近日には週刊誌等にも掲載されると思いますが、これが真実だとするなら、先の書き込みの内容

は、十分理解できます。

小さいころからいい子を演じさせられていたし、騙すのには慣れてる

きっと、成績もよく、聞き分けのいい子を親から要求、いや強制させられていたのでしょう。

その家で生き残っていくためには、それに従うしかなかったのでしょう。

「隣の椅子が開いている座らなかった女の人が、2つ隣が開いたら座った。さすが、嫌われ者

の俺だ」 こういった内容は、私は支援活動の中で出逢った青年たちからよく聞かされます。

ありのままを許されなかった子どもたちが、社会生活の中で周囲から批判されたり、否定され

る機会に遭遇すると、すべてを自分に結びつける「関係妄想」や「被害妄想」が強くなってしま

う傾向があります。

もちろん、だからといって容疑者のおこなったことが赦されるわけではありません。

若い犯罪者を生み出す背景を考えなければならないと思うのです。

犯罪という形で、他者をも巻き込み自分に制裁をくわえたい若者たちが生まれてくる、その元型

(アーキタイプ)を知るべきだと。

犯罪者予備軍って、日本にはたくさん居る気がする

容疑者のこの言葉に、社会はただ批判するだけでいられるのだろうか?

 

 

 

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干渉ではなく、関心をもつ

慣性の法則」というものがあります。

不登校やひきこもりで、ある程度の期間を過ぎてしまうと、ほとんど生活スタイルに変化がなくなりま

す。これは、当事者のみならず家族もそうです。部屋にいるのがあたりまえという状態です。

毎日の生活に変化をつけていくことが大切です。また、昨日と今日と何が違っていて、何が同じか

に気づくことも重要です。

変化に応じて、本人へ問いかけていく。変化を促すための質問をする。

その内容とタイミングを間違えると、単なる干渉になってしまいます。

変化に気づくためには、「観る」ことが必要です。見るではなく観るんです。観察、洞察するのです。

そしてしっかり子どもの声を聴き、どの視点から視ればいいかを判断する。

家族が先ず気づきから反省し、同じ過ちを繰り返さぬよう学び、問題解決を決心し、行動を起こす。

行動を起こせば、次なる気づきをえることができます。この繰り返しにより、事態はいやでも好転

してゆきます。

では何を変化させていくべきか? それは習慣です。

 

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家族にできること

「本人がやる気にならないかぎりは・・・」

この言葉は、よく聞かれる言葉です。この後には「どうしようもない」と続きます。

だから長期化するのです。

医療施設もあらかたの相談窓口も「本人を連れてこられなければ・・・」と答えにならない答が

なされているようです。

さて、本人が動けなければどうにもならないのでしょうか?そうであれば、不登校、ひきこもり

はあきらめるしかありませんね。えっ? 「だからあきらめている」ですって。(苦笑い)

まぁ、ちょっと聞いてください。あきらめるのはいつでもできます。

「親が動かなきゃ!」とはっぱをかけられる場合もあります。でもどう動けばいいのか分からない

から留まってしまっているのですよね。

親が動かなきゃというよりも、親自身が当事者であるという自覚。問題の中心という自覚が

必要なのです。つまり、本人をどうにか動かすというよりも、本人よりも何よりも親自身が、

自分の問題改善のために動かざるを得ないということです。

ひきこもりは(不登校の一部も含む)、「個」の問題ではなく、「族」の問題です。

ちなみに戦争や環境破壊は「類」の問題ですね。

「族」の問題というのは、「民族」ではなく、「家族」「一族」の問題ということです。

ですから、家(族)単位で考えることが必要なのです。

「わが家」というくくりでながめた時、本人がかかえている本質的な苦悩が見えてきます。

ジェームズ・アレンの言葉にこういうものがあります。

人間は、自分の置かれた状況を、より良くしたいと望むが、自分自身を、より良くしよう

とはしない。そのため、かれらは、一生古い自分に束縛されたままである

環境は自分をありありと映し出す鏡です。

人が環境を作り、環境は人に影響を与えます。

自らが環境の主体者であり、その状況における当事者、責任者という気づきと自覚が、

新しい自分へ変われるターニングポイントになるのです。

 

 

 

 


何がアドバイスできるのか

知人や身内にひきこもりや不登校の子どもがいる場合に、どうしたらいいかという問い合わせが

あるときがあります。しかも年齢、性別、ひきこもり期間といった僅かな情報だけで、回答を求め

られることも少なくありませんが、それではお答えしようがありません。

こういった際、先ず頭に置いておいていただきたいことは、ひきこもり(不登校)という状態をどうに

かしようとしてもどうにもならないということです。状態の改善は最終結果です。

なぜ、そんな生活ぶりしか出来なくなってしまっているのかを理解することが先決です。

周囲からはたらきかけられるとすれば、親御さんに問題意識をもってもらい、相談機関を一緒に

探してさしあげるぐらいです。

ひきこもりも不登校、ニートも、それができる環境があるというのが基本にあります。つまり、その

環境を作っているのは、親御さんですから、周囲がどんなに心配して手助けしたいと思っても、

それを必要としていない場合も少なくないのです。

意外に思われるかもしれませんね。「そんなことはない。わが子がひきこもっていて悩まない親

なんていないだろう」と。

もちろん、悩んではいます。しかし、悩むことには、エネルギーを使っているという意味で一生懸命

ですが、その悩みを解決することには一生懸命でない場合は多いのです。

先に話しましたように、なぜこの子はこういう生き方しかできない状態になってしまったかを理解

することが大切ですし、傷みに共感することも必要です。回復のための具体的な道筋も示して

あげる必要があります。問題を共有し、共に動いていくという姿勢が必要なのです。それがあって

こそ、子どもたちは孤独感に押しつぶされずにすみます。

ところが、よく言われるように、ひきこもりや不登校問題は、家族自体がひきこもることが多いの

です。どこへも相談に行かない。だれにもしゃべらない。私がこれまで経験した中でも、10数年も

妹がひきこもっていたことを、全く親からしらされてなかったケースもありました。親戚にも全く話

していないというケースも決してめずらしくありません。もっとも親戚から「ひきこもっていることな

んか絶対口外してくれるな」と念をおされて、なくなく事態を長期化させているといった場合もある

のですが。

当事者たちの場合は、怖れや怯えこそありますが、何に迷っているのか、悩んでいるのかが分か

らないまま悩んでいるといった状況が多いですから、「頑張りなさい」は励ましにはなりませんし、

「大丈夫だから」も支えになりえません。

何がどう大丈夫なのかを具体的に示してあげられることが必要なのです。

 

【毎週月曜日無料相談会】

大野城市総合福祉センター 午前10時~正午 (要予約 0120-870-996)

詳細は https://www.interbrain.co.jp/counseling/ 

【熊本出張相談会】

熊本市内近隣地域は自宅出張相談も行います。(交通費実費)

八代市厚生会館  6月11日 (要予約 0120-870-996)    

相談料3千円

 

 

 

 

 


家族モビール

私たちの身体は、ホメオスタシス(恒常性保持機能)によって、生体内部環境が自動調整されていま

す。家族という有機体もまた、家族平衡という形であるバランスを保とうとします。これを私はモビール

で例えています。モビールは、全体でバランスを保っている飾りですので、どこかひとつでも飾りを

とってしまうと、その飾りだけが落ちるのではなく、全体が崩れてしまいます。つまり、すべてが関

わりあって保たれているバランスです。

家庭は、それぞれが安らげ、和める環境を望み生活しています。そういう面では同じ方向の共通の

目標です。ところが、そこへ至るための方法がそれぞれの立場で微妙に変わってきます。

そこで、ある家族にとっては望まれるものでも、他の家族にとっては、不都合な場合も生じます。

それぞれの都合、思惑が違うということです。

そこに互いの「誤解」というものが生じ、この誤解から家族間の葛藤が発生するのです。

誤解のもとに傷つけあうことは悲劇です。

心の疲労にいち早く気づくのは、自身の身体です。身体はとても正直で、自分が気づいていない

心のシグナルをきちんとキャッチしています。生理機能の不調という形で、心の危険を知らせてく

れます。

それと同じように、家庭のアンバランス(不具合)をいち早く知らせてくれるのが、子どもたちの逸脱

行動です。子どもたちは、家族の救援者として、"揺り戻し作用"を無意識に担ってくれています。

家庭にあっては、親の思惑の方が優位です。したがって、そこには無言の強制力がはたらき、

また子どもの領域への侵入が繰り返され、子どもたちは実存性(存在の尊厳性)を脅かされ、ありの

ままを拘束されるのです。

ありのままを許されなかった子どもたちは、やがて生まれ直しを渇望します。それが胎内回帰とし

ての「ひきこもり」です。

 


家庭から笑い声は消える?

今全国で、児童養護施設や一時保護所が窮地に追い詰められているといいます。

その最大の理由が、虐待相談件数の急増だそうです。(週刊東洋経済)

一時保護所には、虐待を受けた子や非行の子らが一緒に保護されており、虐待を受けた

子たちが怯えたり、ストレスから職員に暴力を振るうケースもあるといいます。

また、乳児院では、「飛び込み出産」(妊婦が健診を受けないまま出産する)が増えたことで、

児童相談所でのアセスメントをまったく経ずに入所を迎えることで、乳児院がHIVなどの

感染症のリスクにさらされているといった指摘もあるそうです。

こういった中、北九州市子ども総合センター(児童相談所、同市戸畑区)の一時保護所で、

非行などのために保護した少年を鍵をかけた個室に閉じ込めていたというニュースがありました。

センターによると、保護している他の子どもや職員に危害を加える恐れのある中学生や

高校生の男女を「静養室」と呼ばれる個室に入れ、外から施錠していたとのこと。

厚労省の指針は「身体の直接的拘束」や「一人ずつ鍵をかけた個室におくこと」を禁じている。

センターの幹部や職員は禁止行為と知りながら、他の子どもに危害を加えたり施設の設備を

壊したりした場合に「やむを得ず外から施錠していた」ということです。

確かに人権問題ではあるのでしょうが、一施設だけの責任云々の問題ではない気がします。

社会的背景こそを考えていくべきではないでしょうか。なぜこういった施設が満杯状態になるのか。

親から暴力を受け、見捨てられ、あるいは穏やかな家庭のようにあっても、親の欲求充足の

道具にされたり、自己判断、選択を許されなかったり、家族の顔を見るより携帯の画面を見て

いる時間が長い子どもたち。この子らの家庭に笑い声は戻ってくるのでしょうか?


ニートに思う

ニートという現象を考えたときに、役割認識の欠如ということがひとつの視点として

浮かび上がってきます。道徳性心理学の分野で、『役割取得能力』『社会的視点

取得能力』と言っているものがあります。これはそれぞれ、相手の立場に立って

考える能力、自他の欲求や考えを理解し、それらを関係づける能力のことです。

特に相手の立場に立って考えるという行為は、「思いやり」とも言えます。

自分の役割を全うし、相手の役割を手助けできることが、"お役に立つ"ということ

です。よく「人様に迷惑をかけない子に」ということを聞きますが、迷惑をかけさえ

しなければそれでよいのでしょうか。さらに一歩進んで、役に立つようにと何故

もっと積極的に考えられないのでしょうか。お役に立てるようにという教育が親から

与えられていないために、「思いやり」のない子供達が増えてきています。

「家庭は社会の縮図」とは言い古された感がありますが、家庭の中で、なんら

役割(家事労働)を与えられず育った子どもたちは、役割を担う(役に立つ)ことで

の充実感も体験せぬまま、自分の存在の確証を得られず、社会への参加を拒む

のでしょう。親から子へ「ありがとう」という機会は、何かをしてもらうことでしか作り

出せません。「ありがとう」の言葉は、相手の存在への絶対肯定の言葉です。

「ありがとう」のシャワーを浴びた子どもたちは、健全なアイデンティティ(自己存在

意義)を構築でき、自己開示、自己表現が出来るように育ちます。

お母さん、お父さん、最後に「ありがとう」を言ったのはいつですか?


回復への一歩一歩

うれしい便りが届きました。
『おかげ様で順調に回復しています。一日2時間のバイトとパソコン教室に通っています。子供の頃の辛かった時の話など私を追いかけるようにして話しかけてきます。先生が言われていたように、親子関係のやり直しのつもりで楽しみながら私も頑張っています』

長きにわたって親子間のコミュニケーションが取れていなかったこの家庭で、今確実にその絆の結び直しがはかられています。親がわが子の傷の痛みに向き合う姿勢さえ出来れば、必ず絆は戻ります。現象としての不登校やひきこもり、未就労ばかりを問題視していても決して事は解決されません。わが子ではなく、"わが家"が抱えている本質としての問題は何かを見すえて、目をそらさずに関わりあっていく親子だけが真の絆を回復していけるのです。いかなる時も親が逃げてはいかんのです!今年も一軒でも多く、温もりを回復していく家庭に関われていければと心新たにしています。


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