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アダルトチルドレンからの回復
~私は私でありたい : 旧ブログ
トラウマ: 2008年6月

行動の基点

トラウマによる生き辛さに身もだえしているAC状態は、行動の基点がいつも過去、まさに

トラウマ体験があったその時にあります。

「あんなことさえなければ・・・」「何年前に戻りたい」「過去は一生消せはしない」と悔恨の念

をこぼします。今の自分を成り立たせているゼロ地点が過去なのです。

ですから、今の過ごし方は過去からの影響、強制力によるものであり、忌まわしいトラウマ

の置き土産としか受け止められていません。だから、何か新たなことに取り組まなければ

ならない場合、きまって「明日からやる」と言って今すぐとりかかることを避けてしまいます。

その明日になったら、また「明日からこそ」と先延ばしします。

それは、この瞬間の「今」が、これからを創りあげる礎ということに気づいていないから

です。現在は過去の結果としての今であり、将来は過去の延長線上でしかないと。

後ろから投げられたボールをどう受け止め、前に向きなおってそのボールをどちらの方向

へ投げるか。その受けとめ方と方向次第で、未来は創造できます。

意志行動により、可能性というエネルギー体ができあがると仮に想定してみてください。

意志はフォーカスされた方向性をもった意思です。

意思は過去のトラウマにより偏りや歪みを生じています。その偏り、歪みを是正し、ありた

い姿にフォーカスし、常に今行動を起こしていく。

偏り、歪みを是正するのが受けとめ方です。過去のトラウマ体験にどういった意味を与え

るかです。病気になったことを「ついてない」ととらえるのと、「健康の有難さを実感できた」

ととらえるのでは、同じ病床でも全く違ってきます。それが回復力にさえ影響します。

過去ではなく、今を基点とし行動を起こしていくことで、明日は今より少しでも成長できて

いきます。

あなたは、毎日髪や爪が伸びているのを見たことがありますか?いつの間にか気づいた

ら伸びていますよね。

毎日のほんの少しの成長が、やがて大きな人生創造力となるのです。

AC(アダルトチルドレン)、次世代AC(ACに育てられた子どもたち)の回復援助活動の中
から開発された自己創造技法 『自心観』ゼミナール

https://www.interbrain.co.jp/adultc/

NPO法人地球家族エコロジー協会付設心理教育カウンセリング・オフィス
ふぉーらむ北辰
福岡県大野城市つつじヶ丘6-4-21
https://www.interbrain.co.jp/hokushin/


トラウマの考察

トラウマを考える時、過去の体験の影響が、今の生き方に痛み、苦悩をかかえさせると

表現できます。

起こった出来事を本来の場所に置くことを考えてみてください。

あなたを傷つけたその体験は、過ぎさったある時期のことです。多くは幼かったころのある

場所でのことでしょう。あなたにとってその体験の中に登場する相手は、当時どういう立場

のあなたにどういった影響を与える人物だったのでしょうか。その人物は、今でも関わって

いますか?あなたにとってその人物が意味するものに変化はありませんか?

あなたはまだ未成熟でした。その場の意味を解することも、向かってくる危険に対して抵抗

することもできませんでした。でも、今は違います。

その人物はあなたにとって、もう当時のような意味を与える人物ではなくなっているはず

です。そして、今のあなたはその出来事に対して、新たな意味づけをできるだけ成熟して

いるはずです。

痛みをかかえ、痛みのままに生きていたあなたでも、痛みをかかえつつも、その痛みに

どう対処していくかを選ぶことができます。今のあなたは、考え方を選択することができ

ます。

あなたは恐怖をあたえる対象そのものよりも、恐怖を感じることそれ自体を恐れていま

せんか?そうであれば、対象を見ることをしなくなります。目をそらせばその対象を踏み

越えることができません。傷つくこと、恐れることを過度に恐れていては、本当の危険を

感じ取ることができなくなってしまいます。

万象は変化していることに気づいてください。あなたも、あなたに与えられた影響も変化

しています。変化しているものを固定しているかのように感じ執着していることこそが、

トラウマの呪縛から脱せないでいる原因なのです。

AC(アダルトチルドレン)、次世代AC(ACに育てられた子どもたち)の回復援助活動の中
から開発された自己創造技法 『自心観』ゼミナール

https://www.interbrain.co.jp/adultc/


感情と自制心

人は感覚というものがあります。外界からの刺激を感覚でとらえ、さまざまな感情がわきお

こり、そして反応としてのある行動をとります。この刺激と反応の間にこそ、自由意志によ

る選択が入り込めるのです。しかし問題は、この自由意志は、トラウマにより条件づけされ、

刺激と反応の間隔すらトラウマにより制限されているということです。

意志の力のひとつに自制心があります。

幸福とは、今この瞬間の欲望を抑圧し、将来手に入れたいと思っていることを優先

できる能力だ」という言葉がありますが、この能力こそ自制心です。

自制心がはたらかなければ、目標到達が困難になります。「こうなりたい」という希望を

もっても、目の前の欲求に惑わされ、今を刹那的に楽しむといった生き方になってしまいま

す。「めんどくさい」という言葉がよくでませんか?

トラウマを超えた人生を想像してみてください。

自己責任に基づく自由選択による希望の未来を描いてみてください。

自制心を後押しするのは、熱意です。熱意は感情が強く刺激されることで生じますから、

先ず感情を閉じ込めるこれまでの習慣を改善しましょう。

身体の感覚を通して、「すばらしい!」と声をあげられる体験を積極的にやってみましょう。

感情が喚起され、希望や目標に対しての意識が強まれば、自制心をはたらかせ同じ状況

にあっても、それまでとは違う行動(反応)をとれるようになるのです。

それがトラウマの克服です。


信念とは?

最近、書店の自己啓発の棚によく見かけるものに、『引き寄せの法則』関連の書籍があります。

多くがお金持ちになる方法といった内容のようですが、成功哲学の古典であるナポレオン・ヒル

の『思考は現実化する』をはじめとする、いわゆる「念ずれば花開く」式の西洋流帝王の学で

す。ですから、引き寄せるといっても、何もお金だけではなく、何でも自分の思考で引き寄せて

しまうという法則です。

「信念」に関して、こういう言葉があります。

信念とは、目に見えないものを見て、信じることができないことを信じる能力のこと。だから、

できると信じる人だけが、他の誰もができないと思っていることをできるのさ」

目に見えないものを見て、信じることができないことを信じる能力

「信じることができないことを」というのは、確証こそないがという意味だと私は解釈していま

す。“信じる”という行為は、目に見えず確証がなく不確実だからこそ意味をなすのです。

だから、「自信」というものは、自らの不確かなこれからを信じるという意味に解釈できると

思います。これからの可能性を信じる。自身の成長を信じるということです。

であるならば、「今の自分には何のとりえも才能もないから、自信がない」というのは、

おかしくないだろうか。

何もなければ、それだけ上達できるものがたくさんあるということだし、なおさら成長できる

というものです。

投資家も企業の将来性に賭けます。自分にしっかり投資して、成長させ、これからの可能性

に賭けてみては如何でしょうか。それが真の“自信”です。

自己正当化するために、なにものかに絶えず責任を転嫁し、グチや批判をしている内は、

まさに、不満だらけの環境を引き寄せてしまいます。

引き寄せの法則は、善悪の区別をしてはくれません。


意識的に生きる

私たちは、生活の大半を無意識に過ごしています。朝起き洗顔し、服を着替え、学校や会社

に出る。そのほとんどは毎日繰り返されていることだけに、ひとつひとつ意識せずに行なって

います。パターン化した行動がほとんどと言っていいかと思います。

生きづらさを感じているとするなら、自分のパターン(偏向性)を知ることが大切です。

悩むパターンが同じで、悩んでしまうことになる失敗のパターンや、思考のパターンが

変わっていないということなのです。

あなたは、自分の行動が意味していることに意識を向けたことがありますか?

自分にとってその行動がどういう意味があるのかを考えたことがありますか?

トラウマにより刷り込まれたプログラムは、いつしか意識から外れ、強迫行為を繰り返して

いきます。

心の硬直化、固定化は、執着、偏りを誘引し、自我を変容させます。変容した自分を本来の

自分と錯覚している状態がアダルトチルドレンとも言えます。

硬直化、固定化した心に変化を起こすためには、“気づき”が必要です。

気づく自分は「観察する自己」とも言うべき、客観視できるもう一人の自分です。

その「観察する自己」との対話ができるようになるために、意識の目を向けた生活が必要

なのです。日常の行動ひとつひとつに意識を向けてみてください。何かを感じている自分

を意識してみてください。

生きづらさを感じていると、傷つきたくない気持ちから、感情を鈍磨させてしまうきらいが

あります。感情の鈍磨は、退屈感や空虚感を招きます。

「小人閑居して、不善をなす」 その退屈さから、ギャンブルや飲食、携帯電話などに耽溺

してしまい、ますます生きづらくなってしまうのです。

AC(アダルトチルドレン)、次世代AC(ACに育てられた子どもたち)の回復援助活動の中
から開発された自己創造技法 『自心観』ゼミナール

https://www.interbrain.co.jp/adultc/


自分の手元に人生を取りもどす

コメント頂きました。ありがとうございます。

「親のせいにでもしないとやってられないほど苦しかったのです。自分の責任

といわれても、否認してるといわれても、そうでもしなければ生きていけない

ほどに苦しいACなんです。」

そうでもしなければ生きていけない」まさに本音だと思います。

そこで、これからは「より良く生き続けるためには」を考えてみられては如何

でしょうか。なぜこの親の子として生をうけたのか。宿命との対峙です。

動かしがたい限定されたものに向き合う姿勢が問われます。

変えられないものに対して、変えられるもの何か?

それは態度です。恨みたくも呪いたくもなる、わが人生のスタートに、わが身

に起こった出来事にどういう態度でのぞむか。

その態度選択に責任をもつのです。他でもないわが身に起こったということを

受容してみましょう。

あなたが自分の人生に責任をもった時、あなたの人生は初めてあなたのもの

になります。

より良く生き続けるためには、人を愛せる心が必要です。好意に報える感謝の

心ねが必要です。

あなたがここに生きている価値は、親が勝手に決められるものではありません。

あなた自身が、わが人生にどう向き合うか。その姿勢・態度に価値が現れます。

生き残ったあなたです。きっとあなたならできます。


アダルトチルドレンって、ある意味ラッキー?

精神科医の斎藤学氏は、「家族パラドクス」の中で、「世の中には二種類の人しか

いない。ACである自分を認められる人と認められない人」と述べている。まさに卓見

であると思います。

私も最初にアダルトチルドレン(AC)の概念を知った時、「世の中にACでない人など

いるのだろうか」と思ったものです。それは、ACとは親との関係性からきたものだか

らです。親から生まれていない人間はいないし、親という存在との関係性がない

人間もいない。

早い時期に生死別していても、その親がいなかったという影響を受けています。

同著の中で斎藤氏は、「ACである自分を認められた人の方が楽ですよ。今の行動

を自分で説明できるし、将来どうしたらいいかもわかりますから」と述べられています。

皆さんは、日頃の自身がとっている行動の意味を考えたことがあるでしょうか。

「なぜこんな行動をとったのか」と。理屈をこねるか、「ただなんとなく」ではないですか?

行動の端緒、源泉を知ることは、これからの行動、生き方を変えるために必要なことです。

そういう意味では、ACを自覚できるような機会、生きにくさを感じる場面があった方が

かえって良いような気が確かにします。

トラウマティック・グロウス(トラウマ体験による成長)という考えがありますが、トラウマ

体験を葉っぱの裏だとしたら、表は? 実はそれは「自己変革・自己実現」なのです。


“否認”によって失うもの

ありのままの自分とは、真っ直ぐな自分とも言えます。

くせもの(曲者)という言葉がありますが、まさに曲がるといびつになります。

人が正直、素直さが無くなるのは、“否認”する自分があるからです。

現実の出来事が苦痛を伴うものであればあるほど、人はそこから目を逸らそうとし

ます。「現実回避」「直視恐怖」です。

自分が認めていない恐れは、克服できない。

感じていることを認めない苦痛は、癒すことができない。

あると認めていない問題は、解決できない。

自分が認めたがらない傾向は、変えることができない。

自分の失敗、過ちを素直に認める勇気があれば、「禍転じて福となす」こともでき

ます。

何ものかに怯え、何ものかを守るために自他を欺き、今に止まろうとしている(変化

への恐れ)その『不都合な真実』から決して目を逸らさぬことです。ありのままにそ

うである自分を受け容れることです。

正直さ、素直さは、成長していくためには必ず必要となる資質なのですから。


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