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HOME > 解決支援者の現場日記 > アーカイブ > 2021年5月

解決支援者の現場日記 2021年5月

ひきこもり(不登校)~責任はもつもの


前回に続き、責任について述べてみましょう。

責任を負うことをためらうひきこもり者たちがとても多いです。

その背景には、無用な責任を取らされていたという経緯もあります。

「あなたがしっかりしないからよ」

「あなたが自分で考えないからよ」

「お母さんをがっかりさせないで」「お父さんを怒らせるなよ」

といった言葉などをよくかけられていると、責任を過度に感じさせられ、それからが責任から

逃れる状態にあろうとします。

逆に、親の過度な世話焼きや身代わり、先回りで責任を担わせていないと、責任は誰かがとるものと

思ってしまっています。




責任は「取る(取らされる)」と言うよりも、自ら積極的にもちましょう。

「取る」というのは、「不本意ながら」「仕方なしに」というニュアンスがあります。

もちろん、自分が担うべき責任だけでいいんです。

他人の責任まで負う必要はありません。

責任をもつというのは、自身の責任を自覚して、主体的に何事も行っていくということです。

責任者という立場は、裁量権がありますね。

つまり、自分の判断で行動を起こせる決定権があるのです。

ですから、とても生きやすいです。

責任をもたなければ、結局常に何ものかに頼り、依存した生き方となってしまいます。

それでは支配され、常に受動的に何かをやらされ、取る必要のない無用な責任を取らされるはめに

なるのです。

当然、とても不自由で生き辛くなってしまいます。




主体的に生きるというのは、

①環境に振り回されず、流されず、支配されないこと
②環境に対して常に働きかけ、つくり変えていくこと


です。

ですから、常に自己判断自己決定自己責任に基づき行動を取ります。

決して責任転嫁をしません。

責任を自らもつ生き方は、重荷を背負うような生き方なんかではなく、真に自由になれる

生き方
なのです。







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ひきこもり(不登校)~果たすべき責任


「誰のせい?」

こういった声が、よく聞かれます。

犯人捜しというやつですね。

人はとかく自己正当化(責任転嫁)しやすい生き物です。

学校のせい、いじめっ子のせい、母親の甘やかしのせい、父親の無関心のせい等など。

「〇〇のせい」といった時は、「〇〇が悪い」という意味にだいたいなりますね。

だからですか、「〇〇に責任がある」となると、同じように「〇〇が悪い」と

なってしまいます。




誰しも自分が悪いとは思いたくないものですし、人からそう言われるのはもっと嫌です。

そのせいで、自分にある(担う)責任を認めたがらない傾向がありますが、責任がある

というのは、何も「あなたが悪い」ということではないのです。

大事なことは、いいだの悪いだのと評価するのではなく、自分が担うべき責務を果たす

ことはあたりまえだということです。

父親には父親としての役割があり、母親には母親の役割があります。

それぞれの役割の責任を果たしていくだけです。




過去の結果をあれこれ批判するのではなく、今、それぞれが、自身の役割の範囲での

現状に対しての「対処の責任」を果たしていくことが肝心なのです。

他を非難する前に、自身の責任果たしていますか?






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ひきこもり(不登校)~手段の目的化


問題の解決をするためには、行動あるのみです。

考えあぐねてばかりいても、何も進みません。

「時が解決してくれるであろう」という考えは一切捨てて下さい。

長期化、深刻化するだけです。

ひきこもりには、時薬は効きません。




何事かの行動を起こす際に大切なことは、それが「誰のため」に行おうとしているのか、

「何のため」に行おうとしているのかを先ず、しっかり確認することです。

つまり、その行動の「目的」です。

目的が不明瞭であれば、どういう結果を出そうとしているのかがはっきりと分かっていないということ

ですから、当然望ましい結果は出ませんし、目的自体が間違っていれば、事態はさらに悪化します。

努力がムダになってしまいかねません。




ここでは、「誰のため」はもちろんわが子のためですよね。

動けなくなっているわが子を最優先にしなければなりません。

ところが、親側の困りごとを優先させてしまっていることが少なくありません。

「働かないで困っているんです」

これは、親の困りごとですね。

一番困っているのは、本人です。働きたくても働けなくて困っているのですから。

「学校行かなくて、困った子だねぇ」ではありません。

困ってしまっている子どもです。

だから、手助けが必要なのです。




「何のため」は、もちろん最終的には解決のためですが、そのためにはいくつもの取り組みが必要です。

その度に、必ずそれが何のためなのかという目的を問うのです。

目的を問う意義は、手段を目的と取り違えないようにするためです。




例えば、外出は手段ですね。

社会的生活を取り戻すためのひとつの手段です。それが目的ではありません。

ですが、それが目的化してしまえば、それに固執し、外に出すことばかりに躍起になります。

外出自粛で「あ~」と、落胆してしまうのです。

目的はひとつでも、手段は複数です。

手段は、臨機応変に変えればいいだけです。




こういったことが理解できていなければ、現状の改善すらままなりません。

現状の改善、問題の解決、わが子の苦悩の解消のために、親として何が必要かをもう一度、しっかり

考えてみてください。

脱ひきこもりの実現は、親(家族)しだいなのですから。






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ひきこもり(不登校)~変えられることは?


「人生ままならぬ」

ひきこもり者は、こう思っています。

あなたはどうですか?

わが子が思うようにならないことで、同じように感じていませんか?




ここで振り返って頂きたいのは、無理なことを考えていないかという事です。

「思うように」というのが、自分の都合に合わせた強引な結果を望んでいないかということです。

親の促しに対して、部屋の中のわが子がすぐに前を向いて動き出すことを期待していませんか?

そうでしょう、だから嘆きたくなるのです。そんなこと無理なんですから。

「過去と他人は変えられない」これは道理です。

こちらに合わせて、他人(わが子)が都合よく変わってくれるはずがないではないですか。

幼かったわが子をそうしようとしていませんでしたか?

道理に反すれば、必ず差し支えが生じます。




何が変えられて、何が変えられないかをしっかりと見極めることが大切です。

多くの親御さんたちは、事態(わが子のひきこもり)をいきなり変えようとします。

明日にでもハローワークへ行って、仕事に就いてくれることを期待します。

あまりにも無茶過ぎます。

先ず変えることは、事態に対しての向きあい方です。

事態をどう捉え、どういう姿勢で臨むかです。

つまり変えるのは自分自身です。




わが子から背を向けられ嘆きたくなる前に、自身が事態に背を向けていないかを振り返ってください。

ありのままに事態を受け入れられていますか?

「こんなはずじゃない、こんなはずじゃない」と、目をそらしていませんか?

何が起こってしまっているのかを理解していく姿勢が必要です。

決してわが子の状態を否定的に捉えないことです。

わが子からのシグナルでありサインなのですから。




「どうして分かってくれないのっ!」

そう嘆きたくなることでしょう。

ですがこれはそのまま、わが子が親に向けていた思いなのですよ。

同じ思いを今感じさせられていると理解すれば、わが子の痛みに寄り添うことができます。




事態のいきなりの変化は望めません。

ですが、事態への向きあい方はすぐにでも変えられます。

そこが変われば、事態も自ずと変化し始めるのです。

変えられること、変えられないことを見極めて下さい。






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ひきこもり(不登校)~"解決"が見えていますか?


そもそも、どこに向かって事態の終息を考えていますか?

つまり、わが子がどうなることを描いていますか?

きっと、登校しているとか、働いているとかでしょう。

どんな顔をお子さんしていますか?

そう、表情がしっかり浮かんでいますか?




笑顔でいる姿が思い描けているでしょうか。

なぜ笑顔が失われているのかを考えてください。

笑顔を取り戻すことが本当に必要なことではないですか?

「うちの子は、ゲームやっている時は笑い声が聞こえている」と仰る親御さんもおられますが、

人前で見せる笑顔、他者に向けられた笑顔です。

一人でいる時の笑顔ではありません。




どうなれば自然に笑顔が出るようになるのかを考えるのです。

どうなることが解決であるのかが明確に見えていないところで、「どうしよう、どうしよう」と

解決策ばかり求めようとするので、思うようにならないのです。

また、スイッチをポンと押せば事態が好転するようなマニュアル的なものを求めるから、かえって

こじれたり、頓挫してしまうのです。




わが子が、ひきこもる生き方を望んでも、満足もしていないことは、その不機嫌さで分かるはずです。

イライラしているか、落ち込んでいるか、感情を失っています。

心の状態がどのようになれば笑顔がこぼれるかを考え抜いてください。

そこに解決のためのヒントがあります。




先ず、鏡の前に立って、自分の顔を見てください。

笑顔がありますか?

そしてかねてのわが家の様子を思い返してください。

家族に笑顔がありますか?

無ければ、毎朝鏡の前で「ニッコリ」笑顔をつくる練習を習慣づけてください。

そうして先ず自分から、笑顔を増やすことを実践していきましょう。






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ひきこもり(不登校)~外出自粛は関係なし!


問題を解決していくという意識が希薄なために、現象に囚われ、登校させよう、外出させよう、

働かせようとなります。

コロナ禍において、外出自粛により、さらにひきこもりにとって事態の改善が難しくなっている、

行き場所が出来てきた矢先に自粛となり、再びひきこもりだしたとか、家族会なども開催がなく、

親たちも行き場所を失い膠着状態となってしまっているような報道を見ます。

このことがそれをよく物語っています。

何を問題点とし、どういう状態にしていくべきなのかを理解できていないために、外出自粛が

解決のための阻害要因と勘違いしてしまっているのです。




親は、「どうしたら?」と解決策にこだわります。

しかし、問題点も見えていないのに、解決方法を知ったとしてもそれを実行できません。

なぜその方法が必要なのかが分からないからです。

解決法を探しに外へ行きたいのに外出自粛「あ~....」となってしまっていませんか?

ここから変えましょう。




解決のためのヒントは「内」にあります。わが家にあります。

ですから、コロナ禍の今こそ、実はチャンスなのです。

また、解決法を知ってもそれを実行できないのは、事態を受け入れる心がまえが出来ていない

ことによります。

そうです。わが子がひきこもっている事実を、どこか否認してしまおうとしてしまい、解決に

踏み出す覚悟ができないでいるのです。

ですから、外出自粛は関係なく、今こそ内部に目を向け、問題点を見定めてください。

問題点は、自分の内(中)にも有ります。




「どうしたものか」と解決法に囚われるのではなく、問題点が見えていないから解決しないことに

早く気づいてください。

「どうにもならない」とあきらめるのは、八方手を尽くしきってからにしましょう。

まだまだやっていないこと、見ていないことが沢山あるのですから。






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ひきこもり(不登校)~問題見えていますか?


問題意識はあっても、問題を見誤ることも多いですね。

「そこじゃないでしょ」ってことです。

間違った「問題」に対して、懸命に正解を求めようとする努力は、まったく無駄なものとなります。




問題を見定める時に大切なことは、目に見える現象だけにとらわれないということです。

その現象を招いている本質を見抜くことです。

病気で例えるならば、症状にとらわれず、病根をおさえるということです。

学校に行かない、外出しない、働かない等、そこが問題ではありませんし、それだけが改善を要する

わが子の状態ですか?

背景にある、わが家の問題」「問題」を探っていくことで本質が見えてきます。






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ひきこもり(不登校)~問題意識ありますか?


現状の改善問題の解決という視点が大切です。

問題意識が先ず必要です。

現状が問題であるという認識が十分でないことが多く見受けられます。




何事もあたりまえ(マンネリ化)なっていると、大きな問題であるにも関わらず、問題意識をもっていない

ことがあります。

不登校やひきこもりも、それが通常になっていると要注意です。

問題意識をもつということは、そのままにしないということです。

問題意識をもてば、必ず行動が伴います。






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ひきこもり(不登校)~疑問をもってみては?


不登校は7年連続増加し、令和元年は18万人で過去最多、ひきこもりは、40代以上の方が7万人

ほど多く、合わせて110万人といった調査結果が明らかになり、「8050問題」と合わせ、

「大変だー、大変だー」となっていますが、ただ困ったと大騒ぎしていても何も解決しません。




そもそも、なぜもっと疑問をもたないのでしょうか?

不登校など、「学校恐怖症」と言われていた時代から40年以上も経過し、教育支援センター

(適応指導教室)
スクールカウンセラーが配備されたり、ひきこもりは、各自治体に「ひきこもり

地域支援センター」
などが設置されています。

なのになぜ減らないのでしょう。なぜ長期化しているのでしょうか。




何事も、事実に対して謙虚になることを心がけたいものです。

対応、支援策のどこかが間違っていたからこその現状なのですから、真摯な態度でどこを視ていたかを

振り返ってみるべきではないでしょうか?





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地域の当事者家族会に参加して落胆している方、ここでは希望を実感できますよ!

【不登校・引きこもりフォーラム〈たらちねの会〉】

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 NPO法人地球家族エコロジー協会
福岡県大野城市つつじヶ丘6-4-21
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ひきこもり(不登校)~心配への対処法②


心配に対して有効な「仮説(仮定)思考」をご紹介しましょう。

人は、自分が前提としているものに基づいた行動を取ります。

つまり前提が起点となるのです。

どれが正しいかで判断するのではなく、ひとつの仮説に基づき、「そう仮定したら、今悩んでいることが

どう変わるか?」
で考えてみるのです。

もちろん、より前向きに考えられる仮説を採用すればいいのです。




常に「今」の現状は、これまで何をしたかを実感できる状況にあると仮定してみましょう。

身に起こることは、自分が成長するために必要な気づき、学びを得るための最適な出来事として起こる

と仮定してみましょう。

最適は快適とは限りません。むしろ、逆境や困難な事態からほど多くを学べます。




この仮定によれば、どの判断、行動が誤っていただろうか? 

何に気づき、何を学ばなければならないのだろうか?と考えます。

この思考する作業が、感情をコントロールできる理性、知性による意志力を育てます。

「仮説(仮定)思考」は、新たな視点からの捉え直しです。

私たちは自由意志が与えられています。しかし、意志の自由は、自由に思考することができてこそ得られます。

そのためには、先入観固定観念偏見を外すことです。




偏見は、ネガティブな執着です。

心配というネガティブな想念への囚われは、心の自由さを奪います。

主観的な想念を事実と受け止めてしまうのは、現実から乖離し、とても危険です。

人生に起こるネガティヴな事柄は「自己洗浄(クリーニング)」というのも仮説です。

洗浄の後は、成長し、美しくなります。美しくとは、ムダやムリが無く、道理にかなった行動ができている

ということです。ですから、洗浄として起こるその事柄に先ず感謝です。

感謝は、過去の出来事をポジティブに思い出す助けであり、また未来を楽観的に見る助けにもなり、心配が

軽減していきます。







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