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HOME > 解決支援者の現場日記 > アーカイブ > 2023年10月

解決支援者の現場日記 2023年10月

ひきこもり・不登校~取り残された問題


時間が経過し、環境が変われば、ひきこもり者たちはしだいに動き出せるといった捉え方が多く

感じられます。

時間の経過(時薬)によって和らぐのは、きっかけになったことからの痛みです。

例えばいじめや、失敗などによる挫折感、恥辱感は、環境(その場)から離れ、遭遇しなくなれば、

しだいに癒えてきます。

ですが、そもそもひきこもる(不登校)といった行動を選んだ原因には、それまでの生き方の問題

あります。




生き辛さです。

思うように自分を動かせない、思うような結果を出せない苦悩です。

もちろんそこには痛みを伴っています。

それは、昨日今日の話ではなく、かなり長い期間にわたってのことですから、ひきこもりや不登校が

始まった直前のこと(きっかけ)とは違うのです。




この痛みは、時が解決してくれるものではありません。

解消するための具体的な手立てが必要なのです。

ここが解消していなければ、仮に仕事を始められたとしても、過剰適応の結果再び倒れてしまう

可能性が高いようです。

ひきこもりから脱したものの、仕事を何度も変え、再び動けなくなったという相談を何例も見てきました。

ひきこもりは、「生き方の病」です。

ひきこもる前に戻す(回復させる)というよりも、本人の資質に即した「新たな生き方」を身に備えて

いくことが重要なのです。

(続く)









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ひきこもり・不登校~虚無感からの矛盾そして長期化②


共著者である久世氏も書いておられますが、「子どもを信じて見守りまょう」といったアドバイスが

かえって長期化を招いています。

私はこれを「悪魔のささやき」とかねてから言っていました。

この無責任な言葉が、どれだけ「8050問題」につながってしまったでしょうか。




前回述べたように、二神氏は「巨大なニヒリズム」と指摘しておられましたが、親の虚無感を招いた

ひとつの要素が、勇気を出して相談に出向いた先で投げかけられるこの「悪魔のささやき」と言えると

私は感じています。

「わが子を信じて」と言われれば、どんな親だって「もちろんです」となります。

愛しいわが子を信じることも、見守ることも親として当然当たり前のことだからです。

「そうだやっぱり信じよう」となります。

しかし、見守り続けても何の変化も見られぬ現状を見るにつけ、「どうにもならない」といった

虚しさが出てくるのも無理もありません。




私はかねて、そう洗脳され、いたずらに時間を経過させてしまった親御さんには、何を信じるのかを

尋ねます。あらかた“いつか気づき動き出す”です。

「その根拠は?」と尋ねますと、ほとんど具体的なものは返ってきません。

単に、時間が経過すれば元気も回復できて動き出せるといった幻想を根拠としています。

基本、今のままでは動き出せません。

ひきこもりのきっかけとなった痛みは、ほどなく和らいだとしても、原因である痛みは、“時薬”

効かないのです。

〈ひきこもった原因〉〈継続した原因〉は分けて考えていく必要があるのです。

(続く)









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ひきこもり・不登校~虚無感からの矛盾そして長期化①


長く引きこもり支援をしておられる二神能基氏の近刊『引きこもりの7割は自立できる』(新潮新書)を

読んでみました。

タイトルに共感したからです。




二神氏は、「巨大なニヒリズム故に、引きこもりの問題も解決をあきらめてしまう人が急増している

ように感じられてなりません」
と述べられており、アンケートで、他者に相談しない理由の第一は

「相談しても解決しないと思うから」という結果を紹介しています。




私もこのことを象徴するようなことが数年前にありました。

連携している民間事業所から、当協会で訓練を受けた青年たちを引きこもり期間や年齢、学歴などに

関わらず採用して頂ける機会を得られました。

その際に、これまで当協会の家族会に参加経験があるものの、継続参加がないご家庭に対して

お知らせをしたところ、希望者が出なかったのです。

怪訝に思い、数名の方に理由を確認したところ、「うちの子が働けるようになるはずがない」

といった回答だったのです。正直愕然としました。

同時に継続的な家族会への参加がない理由もうなずけました。

どの家庭も、引きこもりから脱し普通の生活が送れるようになることを願っているはずです。

そう願っていながら、一方でできないと信じている。

まったく矛盾しています。




二神氏が感じられていることは、私も同様に強く感じます。

その背景についても二神氏は述べておられますが、私はまた違った角度から少しお話ししてみたいと思います。

(続く)









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ひきこもり・不登校~間違いあるあるFAQ《こんなはずじゃなかったのに》


「ただただ悔やまれてなりません。子育てを後悔しきりです」

後悔は何も生み出しません。

必要なことは、「反省」です。

「後悔」と「反省」は似て非なるものです。

後悔は、ただ後ろ(過去)を振り返り嘆くだけ。

反省は、後ろを振り返るのは同じでも、前(未来)へ進むためという目的があります。

一旦振り返り、原因と結果の再検討を行うことです。

誤り、過ちはやり直せばいいだけです。




ですから、過度な罪責感で自分を責めれば、全く動かなくなるか、償いとばかりに自己犠牲的になり、

全てわが子の言いなりになってしまい、やり直しが図られません。

反省は、その証しを行動で示していく必要があります。

口先だけでは反省になりません。

その行動がやり直しです。




私たちは、痛みによってこそ気づきを得る(意味を覚る)ことができます。

もがきも成長にとって必要なことなのです。

事態(事実)は学びの教科書です。

反省し、向上心をもって改めていく。

わが子が身を挺してその機会を与えてくれたと認識して、改善への感謝の証しとして成長して

いきましょう。

決して、やり直しから逃げてはいけないのです。

なんと言っても、わが子が助けを求めているのは両親なのですから。




対処への責任を自覚し、襟を正しましょう。

日々の過ごし方が準備となり、将来に必ず何かを用意してしまいます。

将来に何ができあがるのかを毎日の生活で常に意識しましょう。

今日は何か解決へつながるための行動がとれていますか?

過去に向き合う態度と、未来に臨む姿勢を正すことで、ひきこもりの解決の実現がなされます。

最も重要なのは心がまえなのです。









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ひきこもり・不登校~間違いあるあるFAQ《どうしてうちの子が・・・》


「どうしてこんなことになってしまったのでしょうか?」

良かれ悪しかれ、いかなることも、現状は過去からの自身の判断選択行動の結果です。

「誰が悪い」だの「誰のせい」だの、いいだの悪いだのではなく、どうした判断が、今を招いて

しまったのかを冷静に振り返ってみる必要があるのです。

「悪い」と見なせば、必ず責め償いが始まります。

それは決して良い結果を招かぬ愚かな行為です。




そうではなく、自分の判断、行動に責任をもつことです。

わが子自身が行ったことには責任はなくても、そのことにどう対応するかの責任は自分にあります。

自分の人生の中で起こっていること、自分の身に起こっていることです。

現状への対応が、過去と同じ誤りを繰り返すことにならないようにしなければなりません。




人生に責任をもつことです。

責任逃れは、人生から責任を取らされます。

自ら蒔いた種は、自ら刈り取るべきなのです。

責任の自覚から、事態は確実に好転していくのですから。









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ひきこもり・不登校~間違いあるあるFAQ《わが子が求めているもの?》


「子どもを理解し、要求はできるだけ応えてあげた方がいいとアドバイスを受けましたが・・・」

理解はとても大事なことです。

ただ、「理解」は、理解のある親になって、要望に何でも応えてあげることでは決してありません。

それは、子どもにとっての都合のいい親にしかすぎません。

そんなことをしていても、信頼されて聞く耳をもてるようになるわけではありません。

せいぜいATM代わりか、ウーバーイーツ代わりにあてにされるだけです。




「理解」は、わが子の置かれている状態や、ひきこもり(不登校)といった現象の理解です。

わが子が何を抱え、苦悩しているのか、なぜ動けなくなったのか。

それらを理解していくことです。

ただ欲しがるものをあてがうことが、意欲を引き出すわけではありません。

親の声に耳を傾けるようになるわけではありません。

大切なことは信頼です。

本当にわが子が欲しているものが何かが分からなければなりません。

それが得られていなかったことが、今の状態を招いてしまっています。

ゲームを好きにさせても、前向きになれていない状況を見れば、それが本当に欲していたものでは

ないことが分かるでしょう。




ひきこもり(不登校)は、不安におびえている状態です。

ですから、安心感を与えてあげられなければ、動き出すことはできません。

安心させてあげられるためにも、事態の理解が必要なのです。

また、理解が深まることで、親側も過度な抑うつや、怒りも少なくなります。

わが子が表している意味が見えてくるからです。

リカイとイカリは表と裏です。

理解が深まれば深まるほど、わが子への共感寄り添いが自然とできるようになり、信頼が得られるのです。









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ひきこもり・不登校~間違いあるあるFAQ《なすべきことをやるだけ》


「いつまで今の状態が続くのか不安です」

大切なことは、「変化を待つ」ではなく、「自ら変化を起こす」です。

問題解決をシンプルに考えてみましょう。

解決がなかなか出来ないのは、なすべきことをせずに、しなくてもいいこと、やってはならないことを

やっているからです。

変化を起こすためになすべきことをやっていますか?

やってはならないことをやっていませんか?

やってはならないことは、傍観無用な説教です。

時の経過が解決につながるわけではありません。




なすべきことは何でしょう?

解決のために何が必要かを知ることです。

初めての経験です。分からないのは当たり前です。

初めての子育てを思い出してください。

自分で思うままに、勝手にやっていましたか?

母親や先輩ママたちやお医者さん、育児書などを頼りに懸命に頑張りましたよね。

それと同じことをやっていますか?




何が起こっているのかを知り、何故起こったのかの原因を探り、何から始めていけばよいのかを

確認することから始めましょう。

じっとしていては分かりません。

足を使ってください。

時間の経過と共に、履歴の空白は増え、現実の世界から遠のき、事態はより深刻化するばかりです。




解決のための心構えはできていますか?

現状をどう捉え、どこへ向かっていくのかの方向性が重要です。

方向性が定まっていなければ、現状は当然改善しないばかりか、ふらつき、無用な苦労をするだけです。









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ひきこもり・不登校~間違いあるあるFAQ《人に慣れていける?》


「うちの子は、対人関係が苦手のようですが、少しずつ慣れさせていくしかないでしょうか?」

単なる引っ込み思案の改善でしたらそれでいいですが、こと不登校や引きこもりの場合は、この

「慣れさせていく」というやり方は、適切ではありません。




慣れるためには、当然人との関わりの機会を継続的に増やしていかなければなりません。

しかし、引きこもり者たちは、慣れるもなにも、新たな人との関わりをもつことが、とてつもなく

ハードルが高いのです。

ですから、たとえ人との関わりの機会をつくり始めたとしても、慣れるまでに行きつく前に、

ダウンしてしまいます。




苦手意識は、自己認識が極めて否定的なために、自己像が歪み、誰からも受け入れられないだろう、

必要とされないだろう、認めてもらえないだろうといった自己観からのものが大半ですから、

肯定的な自己認識に変えていく取り組みが必要となるのです。









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ひきこもり・不登校~間違いあるあるFAQ《やりたいことも無いの?》


「何でもいいから、やりたいことをやりなさいと、伝えてはいるのですが・・・」

思ったような効果もなく、その結果に嘆き、なぜ動かないのかの疑問を尋ねてきます。




実は「やりたいことをやりなさい」は、禁句なのです。

例えるならば、うつ病の人に「頑張って」とは言ってはいけないというのと同じようなことです。

やりたいことだったら、自分から動き出すだろうという目論見だと思いますが、そもそもやりたいこと

が無いから引きこもっているのですから。

自分の欲求にも気づけないでいるような状態だからこそ、虚無感から引きこもっているのです。




こういうことを言おうものなら、「もうやってるよ。ゲームが楽しいから」と返されてしまいます。

やりたいこと探しは、空想幻想の世界に入り込んでしまいやすいです。

現実直視を避け、やりたくないことからいかに逃れるかばかりを考えている状態の子に、

「やりたいことを」と言えば、逃れることを真っ先に行います。

ですから、「やりたいこと」ではなく「やるべきこと」を示し、「やれること」を認識させてあげる

必要があるのです。

もちろん、「やるべきこと」は登校や働くことではないですよ。









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不登校・ひきこもりオンライン家族会
「たらちねオンライン」始動!
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行動する親たちの学び場です。

地域の当事者家族会に参加して落胆している方、ここでは希望を実感できますよ!

【不登校・引きこもりフォーラム〈たらちねの会〉】

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新プロジェクト〈OKAGESAMA fellowship〉開始!

これまでの、かえって長期化を招いてしまっている家族会や居場所とは
違う当事者家族にとって本当に必要な「行き場」の提供です。




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【ひきこもりは動けないから解決できる!】

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不登校・ひきこもり・アダルトチルドレンのメンタルケア
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ひきこもり期間中 に喪失した自律性や社会性を回復していきます。

【生活機能回復訓練  生活道場】
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大野城市総合福祉センター 午前10時~正午 (要予約  0120-870-996 )

詳細は https://www.interbrain.co.jp/counseling/ 

 

 



引きこもり・不登校・発達障害の相談解決
 NPO法人地球家族エコロジー協会
福岡県大野城市つつじヶ丘6-4-21
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ひきこもり・不登校~間違いあるあるFAQ《特効薬が欲しい》


「こうすれば、必ず解決するというものを教えてほしいです」

残念ながら、インスタントラーメンのように即席にはいきません。

これまで子育ても即席でやってこられましたか?

手間も愛情もかけて、一所懸命やってこられましたよね?

「子育てを、なめたらあかんぜよ!」と、誰かに言いたくなるでしょ。

それと同じです。

ですから、しっかり時間もエネルギーもかけて、取り組んでいく必要があります。




ひきこもり(不登校)という現象の仕組みを理解するのにも時間がかかります。

わが子が抱えている生き辛さ(苦悩)を理解するのにも時間はかかります。

なにより、わが子のわが家の現状をありのままに受け入れられるまでに、長い長い時間がかかります。

一度相談に出かけたり、家族会に参加したり、講演を聴いたり、数冊の本を読んだだけで、

「レンジでチン」のようには片付かないのです。

継続して学び気づき覚醒していかないと、行動も事態も何も変わりません。

作物でも料理でも造作するものは、手間をかけるほど仕上がりも良いものです。



これから行っていくのは、いわば子育てのやり直しです。

子育ては、「己育て」でもあります。

自分自身もわが子と共に手間をかけて、より良く育てていくのです。








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