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解決支援者の現場日記 引きこもり: 2023年11月 2ページ目

ひきこもり・不登校~ひきこもりが継続するわけ③


本人がつくった長期化の原因は何か述べてみましょう。

ひきこもる行為は、危険からの退きですので問題はないのですが、自分を守るための手段が目的と

なってしまった
ことです。

あくまでも自己防衛の手段であったはずの引きこもり(退却)が、引きこもること自体を目的化して

しまったのです。




本来、退却(避難)している間に、危険(と思われるもの)に対しての対応を考えていかなければならない

のに、ゲームやネットに明け暮れるといった怠惰な生活になってしまったことが、長期化につながっ

てしまったのです。

嫌なこと(痛み)から気を逸らすために取った手立てに、毎日の時間を費やす生き方になってしまったわけです。




こういった状況になってしまったのは、自身の身に起こっていることが何か、なぜ危険と感じ、

なおかつそれを乗り越えられないでいるのかが、自分で分かっていないからです。

「何を考えているのやら」と、周囲はあきれ顔でありつつも、「いつか動き出すだろう」と期待して

いるでしょうが、自覚できていないことを考えるも何もありません。

こうして、思考停止しているわが子を「考えているはずだ」と、幻想を抱いている親がひたすら信じて

待っていることで長期化が進んでいくのです。









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ひきこもり・不登校~ひきこもりが継続するわけ②


これは当事者本人がつくった原因とも重なりますが、何かの「問題」が起こった時に、その対処の

仕方にそれこそ問題があるのです。

いかなる問題も基本は、「先ず自分が動く」です。

責任転嫁は、自分が動かなくていいといいうご利益がありますので、つい私たちは責任転嫁をして

しまいがちです。

「○○のせい」といった感じですね。




誰かが状況を変えてくれる、責任は自分にあるわけではないから自分は動かなくていいと思って

いる内は、問題は解決しません。

被害を受けているのは自分の方だからといった被害者意識をもっている内は、何も変わらないのです。

仮に、ひきこもった原因に自分は全く関与していなかったとしても、その状況にどう対処していくか

の責任
は自分にあります。

そのことを最も表しているケースが、本人自身からのSOSが入った時に、ほとんど支援につながらない

といった事例です。

不思議ですよね。なぜだと思いますか?

当事者たちは、かねてインターネットを利用しています。

ですから時折、本人からの救援の求めがあります。

こちらとしては、たとえ成人からの求めでも、ご両親の許可がなければ勝手に支援はできません。

ですから、ご両親にサイトを見て頂くなりをして頂き、一緒に出向いて来てもらうことを勧めるのです。

ところが、ほとんど、「おまえが動けばいいだけの話だろう。どこかへ相談する必要はない」と

親に言われていて終わってしまうのです。

せっかくひきこもりを脱したいと本人が思っているのにそれが叶わないのです。

このことからも何が長期化の原因なのかが分かりますね。

(続く)








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ひきこもり・不登校~ひきこもりが継続するわけ①


「継続した原因」について述べてみましょう。

つまり、一日から始まったひきこもりが、なぜ数年にまで及んだのかということです。

これには、〈本人がつくった原因〉と、〈親がつくった原因〉の二つがあります。

その大きさから言うと親の対処の仕方によるものが大きいですので、こちらを主に述べてみましょう。




大前提として考えておいて頂きたいのは、本人は右も左も分からないで止まってしまっている

ということです。

「何を言っても聞く耳をもちません」と落胆の声がよく親御さんから聞かれます。

なのにです。

それほど嘆きたくなる状態のわが子が、見守っているうちに自発的に動き出せるでしょうか?

わが子を頼り、親が子に依存していることになります。




これは、わが子個人の問題と捉えているからです。

ひきこもり(不登校)現象は、わが家全体の問題です。

だって家族なのですから。

川をボートで渡りきるのに、わが子が具合が悪くうずくまっているのに、自分は何もしないで、

わが子がこぎ出すのを待ちますか?

流されてしまいますよ。

必死に両親で漕ぐでしょう。

きょうだいもいれば、家族総出で漕いでいけば、わが子が元気に回復できる向こう岸の新天地に

たどり着けるのです。

(続く)









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