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HOME > 解決支援者の現場日記 > アーカイブ > 不登校: 2018年5月 > 2ページ目

解決支援者の現場日記 不登校: 2018年5月 2ページ目

不登校を引きこもり化させないために 2-①


〈ためになる不登校〉について述べてみましょう。

最も重要なことは、あたりまえですが、不登校を招いた原因、要因になった

であろうものを推察し、改善、解決していくことです。

もちろん、その原因をわが子に問い詰めるわけではありません。

先ずは、安心させてあげることが先決です。




不登校も、子どもが判断決定したひとつの選択です。

自分の判断を親が尊重してくれているということが伝われば、ひとまず安心

します。

ここで大事なことが、尊重するということが、何も不登校を「それはいい

ことだ」「行きたくなきゃ、行かなくていい」と賛成し、積極的に勧める

ことではありません。

適切とは限らないのですから。




今は、ギリギリの選択でわが子がそうしたことですから、同意してあげる

のです。賛成も反対もありません。

それから時間をかけて、なぜその選択しかできなかったのか。

学校に行かないことが、本人にとって何を意味しているのか。

そこに至った背景として、わが子を取り巻く環境、これまでの経緯などを

振り返っていきながら、尋ねていきます。




環境で最も本人に影響を与えているのは、もちろん家庭です。

本人を取り巻く家族(親、祖父母、きょうだい)です。

経緯で重要なものは、生い立ちです。

これらを振りかえることで、わが家の問題点が浮き彫りになってきて、

何を解決しなければならないかが見えてきます。

いいですか。「わが家の」問題点ですよ。

わが子のではありません。




わが家の問題点を通して、そこからわが子の中にある、わが子がわが子

そのまま、ありのままでいられなくしてしまっている本質的な問題


たどりつくようにしていきます。

その過程で、親子のコミュニケーションももちろん増え、互いが見えて

いなかったものが分かり、家族の絆が深まってきます。




家庭がわが子にとって、安全基地になっていたかを確認することが、

親御さんには特に必要なことなのです。

「学校に行くの?行かないの?」ばかりを気にしていては、子どもは安心

できません。






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【不登校をひきこもり化させないために】⑩


不登校のご相談の場合、親御さんにとっては、学校に戻ることが一番の関心

になってしまっています。




それは無理もないことではありますが、不登校という行動で現した集団

不適応
コミュニケーションの不具合人間関係失調などの問題こそ、

優先的に改善していかなければならないことです。

これらがなおざりにされたままですと、たとえ学校に戻れたとしても、

先行きが心配です。




思春期以降、長くひきこもっていた青年たちの中には、過去に不登校を

経験し、一旦学校に戻ったケースが少なくありません。

戻ったことで、問題が解決されたと勘違いしてしまいます。

進級、進学、将来のことを考えての焦り、また、自分の不登校のことで、

親、家族を心配させている、嘆かせていることへの罪悪感から、無理を

して再登校する場合があるのです。

あくまでも、学校に戻るというのは、問題が改善されたその結果として

であり、復学を目的とするのではなく、不登校を招いた問題の改善を目的

としましょう。





ですから、どうせ学校に行けないのなら、その間を有意義な期間にして

みましょう。いわば、ためになる不登校をさせた方がいいのです。

ためになるとは、家族全体にとってです。

では、ためになる不登校とは?





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【不登校を引きこもり化させないために】⑨


不安を減らし、落ち着かせるためには、登校刺激を加えない方が無難です。

ただ大事なことは、学校に行かない間にどう過ごさせるかです。

もちろん好きにさせていれば、ゲームかネットで明け暮れます。

学校生活に強い抵抗を感じさせてしまっている本質的な問題に向き合わ

させることが必要です。




例えば、成績不振を理由にあげているとします。

であれば、登校しなければ苦手な教科の学習時間がしっかり取れるわけ

ですから、復習にあてれば理解が深まるわけですが、そういった時間を

取るかというと、ほとんどしません。

勉強に限らず、苦手意識をもっていることを補っていくことをしないで

いるところに、真の問題が別にあることが示されています。




特定の個人(教師や生徒)に対しての嫌悪感を示した場合でも、転校させても、

数日後には再び登校しなくなるというケースもよくあります。

いずれも、改善、解決すべき問題は何かをしっかり把握しなければ、

対症療法的になり、その場しのぎ、その場をごまかすだけの対応となります。

面倒がらずに原因療法をやっていかなければ、ひきこもりへ発展していくのです。







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【不登校を引きこもり化させないために】⑧


不登校が長期化してしまう理由は、親がその対応に困り、先ずは登校を

促してしまう。子どもは背を向け、一切遮断するか、強く反発します。

強引に引っ張って連れていくような行動に出ると、さらに心を閉ざします。




こういった経験もあり、どこかで「登校刺激は加えない方がいい」といった

言葉を聞くと、途端一切何もはたらきかけることをしなくなります。

その間、子どもは落ち着けますが、一日の大半をゲームやネットで過ごす

ことになってきます。

親は、やきもきしながらもどうしていいか分からず、結果そのまま放置

してしまい、わが子が学校へ行かないのがあたりまえの生活になってしま

います。




「子どもを否定せず、ありのままを認めてあげてください」という助言も

よくありますが、〈ありのまま〉〈そのまま〉と取り違え、本人のなす

がままに、要求されたことはそのまま与え、好きにさせてしまっている

ケースが多いようです。

もちろん、そのままにしていたら、確実に引きこもりへ発展します。




評価を差し挟まず、現実をありのままに見て、何が起こっているのかを

歪めず真っ直ぐに見ていくということです。

さらには、見えているところだけを見ず、背景、わが子がなぜ学校へ行け

なくなったかその要因になったであろうわが子を取り巻く環境や状況

まで、思いをはせるということが大切です。

登校していないことだけを問題視するのではなく、何かの解決し難い問題

を抱えているからこそ、学校へ行けなくなっているという前提で、真の

問題
を確認していくことが重要なのです。





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【不登校を引きこもり化させないために】⑦


様々な事故やトラブルの原因にあるものは、過信慢心です。




問題を抱えた時には、その時点で自身の価値観の限界を表していると捉えると

よいでしょう。

限界に来ているから、越えがたい難問として生じているのです。




わが子の今の在り様は、それまでの両親の価値観の総和です。

であるならば、越えるためには価値観の見直し、修正が必要なのです。

価値観は、自分にとって意義、価値、意味のある、より優先させるものを

選択する際の基準になるものです。

自身の判断力を過信してしまった時に、問題が起こりやすいものです。

子育てにおいても、わが子のために「良かれ」と判断してきた結果が今です。




慢心は、謙虚さと真逆です。

事実に対しての謙虚さを損なうと、向上心も失います。

目の前の現実に真摯に向き合い、学び取ろうという姿勢を欠きます。

そうなると、周囲からの声に耳を傾けることも、わが子からの身を挺した

訴え、叫びを読み取ることもできないままです。

前回述べた無力を覚るということが、慢心を抑えることにもつながるのです。





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【不登校を引きこもり化させないために】⑥


目の前の現実にある問題を解決に導くためには、そのことにおいての無力さ

を認め、本気で「助けてほしい」と手をあげることです。




親御さんたちは、自身の見解から離れられず、その囚われのために日々の

生活がままならなくなってしまっています。

いわゆるお手上げ状態です。

にも関わらず、無力であることを認められなければ、それは否認であり、

否認は、正直さ素直さを奪います。




無力を覚ることは、わが子へのコントロール幻想を捨てるためでもあります。

事実に対して謙虚になり、真摯に向き合う姿勢が大切なのです。

自己都合で、わが子を「復学させよう」「働かせよう」としても、解決

どころか、これまでの繰り返しになってしまいます。




問題は、敵にまわさないことです。

抵抗すれば問題と争うことになります。

問題自体を味方につける。

つまり、問題から何かを学ぶ(得る)という姿勢ができれば、必ずその問題

を越えられます。




正直さや素直さがあってこそ、周囲からの支援をより受けられる受援力

養われるのです。

受け皿が出来ていなければ、援助の機会があっても取りこぼしてしまいます。

「いつか何とかなる」と根拠も無く信じ、頑なにわが家の中だけでやり

過ごそうとしてきた結果が長期化であることに気づいてください。






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【不登校を引きこもり化させないために】⑤


前回、本気で援助の手を上げる親御さんは少ないという話をしました。

「そんなことはないだろう。みんな困っているはずだ」と思われるかも

知れませんね。

もちろん困ってはいるでしょう。ですから、家族連合会といった組織も

作り、数を集め、国に救援を求めている所もあります。




家族会では、研究者(教授)や精神科医などを招き、勉強会を行ったり、

支援者の情報も集まっているはずです。

それなのに、なぜ10年以上も参加していて事態の改善、解決がなされて

いないのでしょう。

特に会の世話人となっている親御さんほど、在籍年数が長いのですが

肝心の自身の子息の解決はなされていません。

当然、後から新たに参加する家族にとっては、先行く人に希望を見い

出せず、当事者が若い年齢ほど継続的な参加を見送るようになります。

これが、シリーズ③で述べたように平均年齢が上がっていっている理由です。




不登校・引きこもりは、多因子により現れる現象です。

本気で手を上げないのは、他にも複数の問題を抱えていて、そちらに気を

取られ、不登校・引きこもり問題が後回しにされているからです。

例えばそのひとつが、両親(夫婦)間の問題です。

わが子の一大事にも、多くが夫婦間の意志統一、協力関係がはかられて

いません。

こういったことに気が煩わされ、結果目の前の状況は放置されてしまうのです。

いかなる問題に対しても、その解決のためには何が先ず必要なのかは、次に

述べてみましょう。





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【不登校を引きこもり化させないために】④


家族会や勉強会などに参加していることを「罪滅ぼし」と表現していた

親御さんもおられます。




もちろん、解決のために親御さんが様々なことを学習していくことは必要

です。

ですが、ともすると、関連図書を読んだり、家族会での学習が、トランキライザー

となり、それだけであたかも現状が改善されたかのように錯覚してしまう

場合が少なくありません。

ですから、現状の改善がなされないまま、家族会に10年以上も通っている

というケースもあるのです。




不登校者13万人のうち、何のサポートも受けてない子どもは、全体の86.5%。


人数にすると11万2450人だそうです。

この数字が示していることは、改善、解決のために本気で手をあげる親御さん

が少ないということです。

ひきこもりの場合、具体的な取り組みをしているのは0.1%くらいだと思います。




タクシーを止めるために手をあげるように、黙っていてサポート側から

目の前に停車することはないのですから。

なぜ手があがらないのでしょうか?

次に考えてみましょう。






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【不登校を引きこもり化させないために】③


〈8050問題〉と表され、ひきこもりの長期化が問題視されてきています。

「親亡き後・・・迫る現実」といった見出しが新聞などに見られます。




これらが取り上げられる際は、家族会に参加している当事者の親御さんたち

の声がもとになっていますが、10年近く会に参加しているケースもあります。

ご子息の状態は、改善されぬままです。

私の地元の家族会の様子は、よく耳にするのですが、ここでも20年近くの方

もおられます。改善されていません。




現在では、全国規模の家族会もありますが、そもそも家族会の存在目的が

何だろうと疑問が出てきませんか?

もちろん、解決のために当事者家族同士が情報の共有をしたり、励まし

あったり、時には慰めあったりする場ですが、解決につなげる手立てを

共有し合うのがなによりも優先させられるものだと思います。

なのに、なぜ会に参加している間にも長い時間が経ってしまっているの

でしょうか?(もちろん、家族会には当事者本人は通っていません)

不思議に感じませんか?




ある記事には「月日の重みを感じる」とありました。

家族会の調査データでは、平均年齢が年々上昇してきているとありますが、

それは当たり前のことで、時が経てば年齢は自然高まります。

ですから、年齢が高いケースが解決されていき、若年層の引きこもり家庭の

参加者が増えでもしないかぎり平均年齢は、下がらないのです。

つまりこのことが表していることは、改善されている家庭が少ないことと、

比較的若い層の新たな参加があっていないということです。





これらのことが何を意味しているのか。何を物語っているのかが実は長期化

を防ぐ(解決する)ための重要な点を示しているのです。

次回にゆずりましょう。







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【不登校を引きこもり化させないために】②


子どもが不登校になった場合、親は当然その原因を知りたがるものです。

「いじめにあっているのでは?」

「勉強についていけないのでは?」

「友だち関係で悩みがあるのでは?」などなど




これらに対して、支援者側にも「原因追究はあまり意味がない」と述べて

いる方も少なくありません。

「聞いてもほとんど言わない」とこう言うのです。

確かにどの子も、聞いたからとて、すぐに分かりやすく答えてくれるわけ

ではありません。本人だってよく分からないということだってあるのですから。




しかし、だからと言って、原因を知ることが無意味なことは決してありません。

原因をつかめずして、何を解決しようと言うのでしょうか。

決まって出てきます。「今(現状)の改善が重要」と。

最もらしく聞こえますが、これによって原因(病根)はそのままに、単に学校に

戻す、働かせるといったことを至上命題としてしまいます。

「復学して(働いて)よかった、よかった」と肩の荷(?)を下ろした後、数年後

(数か月の場合も)に再び繰り返します。






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