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解決支援者の現場日記

< ひきこもり・不登校~無用な犯人捜し③  |  一覧へ戻る  |  ひきこもり・不登校~新年のご挨拶 >

ひきこもり・不登校~無用な犯人捜し④


責任感があるから自分を責めるではなく、本当に責任感があれば、現実に対して謙虚になり、

独りよがりを慎み、周囲からの助力、協力を受けながら責任もって現状の改善に

自らが取り組むことです。

責めれば親としての自尊心や自己信頼感までも失い、わが子に何も言えず、

何もできなくなってしまいます。

それでは解決しようはずもありません。




「~のせい」「~が悪い」という責任転嫁は、自分は何もしなくていいといった

ご利益がありますので、「~頼り」といった依存的な姿勢になってしまいがちです。

「この子のやる気しだいですから」というのも同じです。




事実として起こっている問題に対しては、それぞれが主体的に責任をもっていくことでしか

解決は成し得ません。

「責任を取る」ではありません。

「取る」では「仕方なく取らされる」といった意味合いが出てきます。

取らされる責任はきついものです。「主体的に自ら責任をもつ」のです。

責任逃れをしていては、結局は人生から責任を取らされるはめになるのですから。









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ひきこもり・不登校~新年のご挨拶


明けましておめでとうございます。

正月からこのブログをご覧になって頂き誠にありがとうございます。

メルマガ『ひきこもりは動けないから解決できる!』1日号で、書ききれなかったことを少し述べてみます。




不登校にしても引きこもりにしても、スクールカウンセラーやフリースクール、行政の相談窓口等の

対策が打たれているにも関わらず、一向に改善されていないどころか、小中学校の不登校は約30万人

と10年連続で増加し、過去最多を更新。

ひきこもりは146万人です。

いい加減これまでの視点を見直し、その誤りを認め改変すべきです。




当協会の支援法のひとつの特徴は、アウトリーチ(訪問支援)を必要としないことです。

自分から動こうとしない引きこもり支援で、なぜ訪問を必要としないのか。

もちろん、最初から動ける事案だけに対応しているわけではありません。

私は医者ではありませんから。

親御さんがご相談に来られた時点では、ほとんど部屋の中です。

しかも数年経過しています。10年越しているケースもめずらしくありません。

「自分から動くはずもない。本人が来なければ行くしかない」という固定観念を改めるべきです。




以前、行政主催の支援者会議で、福祉課のお偉いさんと同席した際にアウトリーチを必要としない

ということをお話ししても何も質問されなかったことがあります。

恐らく「そんなことあるかいっ!」という固定観念でしょう(笑)。

この会議ではこういうこともありました。

親の会の世話役である70代くらいの男性がおられたのですが、いい機会でしたので

私が「ひきこもり者たちからは、意外に父親の話が良く出てきます。父親たちが立ち上がったら、

一挙に解決するでしょう」と目の前で話したのですが、この方も何も質問してこられませんでした。

この方も「そんなことあるかいっ!」と、思われたのかも知れませんね。

過保護だの過干渉だのと、あらかた母親たちがやり玉に挙げられますからね。

「ところがどっこい」です(笑)。

こういうタイプの方たちは、その勝手な思い込みで損をしてしまう人たちですね。




私がアウトリーチを必要としない支援法にたどり着いたのは、不登校専門家庭教師から支援が

スタートしたからです。

家庭教師ですから100%家庭に訪問していました。

ここで不登校が生じる家庭に共通の臭い(傾向)を感じたのです。

その経験が逆に訪問を必要としない、つまり、自ら動き出していく支援法につながったのです。

ですから、もちろん訪問が不得手なわけではなく、アウトリーチの方法は充分心得ています。




解決を必要とする問題を抱えたときに大切なことは、事実に対して謙虚になるということです。

あれこれ言っても、事実がすべてを物語っています。

現状が改善されないまま、いたずらに時間ばかりが経過してしまっているということは、

これまでの対策が間違っているということです。

そのことを謙虚に認め、固定観念を捨て、新たな視点から取り組んでいきましょう。









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ひきこもり・不登校~無用な犯人捜し③


要は、「~のせい」ではなく、責任の自覚が重要なのです。

責任の有無と、善悪の評価は別物です。

不登校やひきこもりが生じた直接的な原因が、仮に自分には無かったとしても、わが子の身に

起こっていることですから、それに対処していく責任は当然親にはあります。

それはなにも「悪い」と審判しているわけではありません。

自分を責めないようにと「悪くはない」と言ってあげても、「悪くない」は「責任がない」に

聞こえかねません。

「悪くないから自分は何も変える(動く)必要はない」となりかねないのです。

責任逃れ(転嫁)になりやすいのです。




例えば「〜のせい」ということで言うと、「病気のせい」と、自律神経失調症だの発達障がい

だのと、これまで色んな病名がつけられてきました。(診断の弊害についてはここでは論じません)

医者から言われるまま「そうだこの子は病気なんだ」と仕方がないと済ませていては解決はしません。




ですから、「親が悪くて起こることではない。でも対処の責任は親にあるということを自覚して

もらうことが重要なのです。

責任を自覚し、逃げずに解決のためにやるべきことをやれていれば、たとえ過去がどうあれ、

悪いどころか天晴れではないですか。

素晴らしい親御さんです。

対処の責任を充分に取らず、そのことで新たな傷つきをわが子にさらに与えてしまった事例は、

いくらでもあります。

それこそそれが長期化の原因と言ってもいいでしょう。

もちろん対処の責任は、当の本人わが子にもあります。

本人がやるべきことも当然あるのです。

ですから、親が変わっただけでは子は変わらないのです。

(続く)









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ひきこもり・不登校~無用な犯人捜し②


自分自身を責める親に対して「あなたは悪くない」と伝えていますが、そもそもいいとか悪いとか

の問題ではありません。

あるひきこもり当事者の居場所のチラシに、「あなただけが悪くはない」といった呼びかけが

掲載されていてあきれたことがありました。

「あなただけが」ということは、「あなたも」と言っているのと同じです。

つまり、当事者に対して主催側が「ひきこもっているのは悪い」と認識しているわけです。

こんな呼びかけをされて、そんな風に見られている場所に行くはずもありません。

先の「あなたは悪くない」と言っている支援者も、「あなたは」と言っているので、

じゃあ「誰が悪いの?」それが「社会が悪い」となってしまっているのです。




誰しも「あなたが悪い」と言われていい気持ちはしません。

親が自分を責めないように「悪くない」としてしまえば、他に悪人(犯人)をつくってしまわなければ

なりません。

それが社会と言っているのでしょうが、社会が変わっていくのを期待すれば、ますます「8050問題」

は増えていくでしょう。

なぜなら、社会の偏見・差別・固定観念は、そうそう変わっていかないからです。

なにも、不登校・ひきこもり問題に限ったことではありません。

当事者でなければ分からないことなどわんさかあるのですから、勝手な認識をもって無責任な発言を

する者は、昨今のSNSなどを見ても分かるように、後を絶ちません。

社会が変わるのを待っている間に、長期化がどんどん進行してしまいます。

社会の誤った見識に囚われず迷わされず同調せず、わが子をしっかりガードし必要な状態を

つくってあげられる自分になることの方が先なのです。

(続く)









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ひきこもり・不登校~無用な犯人捜し①


不登校やひきこもりの増加で、親たちが疲弊しているといった内容の記事がよく見られるように

なりました。

その中で、「自分を責めた」という母親たちが約7割もいるといった追い詰められた親たちの

現状も挙げられていました。




長期にわたりわが子が登校しなくなったり、部屋に閉じこもっていれば、当然困惑するばかりか、

苛立ちや抑うつも続きます。

子の養育の結果(育てあげる)を誇りとする親にとっては、耐え難い苦痛です。

責めてしまうのも自然な流れなのかも知れません。




こういった親たちの状況に対して、ある記事の中の親たちに向けられた支援者の言葉に

「あなたは悪くない」

「悪いのは、多様性を認めない社会であり、学校に行かない選択肢を認めない社会。

社会が変わっていく必要があります」


というものがありました。

こういった発言はまま聞かれますが、ここには誤解を招きかねない大きな考え違いがあります。

支援者自身が二者択一思考になっていて、「悪いか悪くないか」「責めるか責めないか」

「Aは悪くない。他が悪い」
といった多様な視点を欠いた極端な見方になってしまっています。

この辺りについて話してみましょう。

(続く)









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ひきこもり・不登校~解決の明暗を分けるもの⑤


さて、解決の明暗を分けるものということで述べてまいりましたが、これらを実行できるためには

何が必要か。

やるべきことが分かったとしても、実行できなければ全く意味がありません。

自己啓発書を読んだだけで成功した気になっているようなものです。

結果を出すためには、行動あるのみです。




行動に移せるために必要なことが「学び」です。

今目の前の問題は、これまでの自分自身の価値観意識で生じてしまったものです。

ですから、これまでと同じ視点でしか見ていなければ、いつまでも解決しません。

視点を変えられるためには、学び成長していかなければなりません。




「問題」が生じる時というのは、多くのものを見逃してきた結果です。

観察注意が足りなかったのです。

つまり、油断です。

油断を招くのは“慢心”です。

「分かっている」という慢心がありませんでしたか?

「思うようにできない」という無力さ謙虚に認め、学ぶ姿勢が大切です。




これまで、ひきこもり年数に限らず、わが子の救出に成功したご家庭は、先行く家庭を愚直に

見習い、理会(理解会得)していった親御さんたちです。

親の成長が、わが子の成熟を促進していけるのです。




やるかやらないかではありません。

やらない理由などあるはずもないからです。

「勝つか負けるか」

でもなく、「己に克つか学ぶか」です。









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