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解決支援者の現場日記

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ひきこもり・不登校~いつまで待つんですか?


私の支援の歴史を振り返る内容を

続けてお伝えしておりましたが、

ちょっと気になるニュースを拝見しましたので、

今回はそれに関しての私の意見を

少しお話ししてみたいと思います。

URLは下記ですので、
先ずはご覧になってみてください。
https://news.jp/i/1350648357004739013




大分市で開催された

「ひきこもりの子どもを持つ親の交流会」

における記事ですが、

ジャーナリストの池上正樹氏が、

参加していた60代の男性から発せられた

「いつまで待つんですか?」という質問に

答えた内容が書かれていました。




池上氏は、

ひきこもりに関し長きにわたって取材し、

「KHJ全国ひきこもり家族連合会」にも

参加しておられる方で、

発言には一定の影響力のある方だけに、

その内容が看過できないものでしたので、

実際の支援実践家としての私の意見を

述べてみたいと思いました。




記事によれば 、この問いが発せられた瞬間、

その場が緊張感に包まれたようです。




この言葉は、単に時間的な見通しを

問うものではありません。

それは、心身ともに疲弊した親が抱える不安、

焦り、そして出口の見えない状況に対する

悲痛な叫びそのものであったでしょう。




この短い一文には、これ以上どうすれば

良いのか分からないという、

親としての深い葛藤が込められています。




ひきこもり支援における最も核心的

かつ困難な課題
を浮き彫りにしたものだと

言えるでしょう。




昔、私もこういう場面に

出くわしたことがあります。

ひきこもりの講演会で、

登壇していたのは精神科医でした。

2時間くらいの講演でしたでしょうか、

終わって質問の際に、7、80代の高齢の男性から

こんな発言がありました。

「それで結局どうすればいいんですか?」と。




精神疾患、障がいの話に終始し、

具体的な解決策の話は何もなかったのです。

あらかた、「どうすれば?」の答えは、

「子どもを責めず、信じて見守ってあげましょう」

です。




この言葉が、どれだけ多く

長期化を招いてしまったことでしょう。

私は、「悪魔のささやき」と申しています。

10年を越す家庭にも

そう答えているケースもあります。

中には、

「生きているだけでもいいじゃないですか」

というのも聞かれたりしますが、

あきれてものも言えません。




池上氏も「待つ」という言葉の危険性は

感じてはおられるようですが、

氏自身、その言葉がもつ真の破壊性には

気づけておられないようです。




次回、池上氏の回答の看過できない部分を

具体的に説明してみましよう。

(続く)





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ひきこもり・不登校~心理教育の必要性


ひきこもり者が抱える生き辛さ、

問題の原因が解ることで、

親子、家族でそれを共有し分ちあうことができます。




本人は、痛みへの対処として

ゲームやインターネットにのめり込みます。

無力さの絶望感を緩和させるために

コントロール機にしがみつくのです。




やがてその対処法自体を

自分でコントロールできなくなり、

ますます無力感を味わわされてしまうのです。




トラウマの影響の見える化をはかることで、

ひきこもり者に適切な対処スキル

身につけさせていくことが重要です。




「自分には惨めな人生が相応しい」

といったような間違った自己認識を改めさせ、

人に愛され、求められ、大切にされる価値と

資格があると実感させられる

孤立させない環境を与えていくべきです。





この「現場日記」では今、ポツポツと

これまでの支援の歴史を振り返っておりますので、


しばらく内容はそれぞれ次回へ続いてまいります。





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ひきこもり・不登校~トラウマ反応の意味を知る


ひきこもり者たちは、なぜあたりまえのことを

あたりまえに出来ないでいるのかが、

自分でも解っていません。

それは、過去のトラウマ体験が

現在に影響している可能性について、

説明してもらったことがないからです。




トラウマ反応は、まさに「反応」です。

つまり、刺激(きっかけ)に対して

あれこれ考えることもなく

心身が瞬時に反射的に応えるのです。

コントロールが効かない状態です。




影響を緩和させるためには、

見える化させていく必要があります。

そして反応を対応に変えていくのです。




トラウマ体験とトラウマ反応の関連の例を

あげてみましょう。

「暴言や暴力」過覚醒やフラッシュバック

「怠惰や無気力」回避や麻痺、気分や認知の異常、

うつ症状

「嘘やごまかし」自信のなさ、他者不信





家族、周囲が影響の理解をすることで、

痛みへの寄り添いができるだけでなく、

本人にとっては「自分がおかしいわけではない」

と解ることで、自責感自己否定感が軽減され、

回復への動機づけがなされます。





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ひきこもり・不登校~トラウマ反応と再演化


トラウマ体験は、

「突然の、一方的で、苦痛な、不条理を伴う体験」です。




家庭の中で起こりうるトラウマ体験は、

親子といった関係性の乱用に基づくものが

多いようです。




「親の言うことを聞く子がいい子」

「親の期待に答える子は親孝行」

「親の方がいつも正しい」

などが背景にある関係性では、

常に子どもは、強制される、侵入される、

支配される立場
にあります。




そうなると、自分自身や他者、世界に対する認知が

歪められ

「人は信用できない」

「自分は愛されていない」

「人から蔑ろにされる」

といったような

誤った否定的な思い込み(非機能的認知)

身についてしまいます。




これでは生きていくことがとても難儀です。

結果、生きぬくために

「感じない(感情麻痺)、考えない(解離)

近づかない
(回避)

といった対応をするしかなくなります。




私がひきこもり者たちに「質問は?」と問うと、

口をそろえて「大丈夫です」と

それぞれから返ってきます。

大丈夫ではないことは

私が一番よく知っています(笑)。

また石仏のように一切語らずということも

あります。




これらのトラウマ反応は、

トラウマ記憶の苦痛から

一時的に逃れることはできるでしょうが、

トラウマとなった出来事の状況や対人関係を

繰り返す再演化を招きかねません。




「自分は受け入れられるはずもないのだから」と、

非機能的な認知を実現させようといった振る舞い、

行為を取ってしまい、

人から距離を置かれ再トラウマを受け、

「ほら、やっぱり」と

さらにその確信を強めるのです。





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ひきこもり・不登校~トラウマから見えてくるもの


トラウマ(心的外傷)は、こころのケガです。

もっというと骨折、しかも複雑骨折です。



トラウマのメガネをかけて観察すると、

抱えている困難や問題が浮き彫りになってきます。



ケガですから、もちろん痛みを伴っています。

その痛みに共感し、寄り添えるためにも、

トラウマを「見える化」し、

問題と合わせわが子と共に共有し、

分かちあうのです。



トラウマのメガネで観ていく所は、

これまで見えて(見て)いない所です。

それは背景環境です。



昼夜逆転や自室に閉じこもる、

人との接触を避けるといったような

問題行為そのものを問題視するのではなく、

なぜそのような行動しか取れないでいるのか

それを理解するためには、

「トラウマ反応」を知る必要があります。




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ひきこもり・不登校~魔法のメガネをかけて見えてくるもの


前回、当協会の支援法が、

「愛着アプローチ」であることを述べましたが、

はからずも支援においての視点が、トラウマの理解

という角度からのTIC(Trauma-Informed Care)

というものであったということも知りました。




「トラウマインフォームドケア」というアプローチ法は、

トラウマの特徴を理解しながら関わっていくアプローチ

で、行動の背景にある“見えていないこと”を、

トラウマの「メガネ」“見える化”するもので、

問題行動として見るのではなく、こころのケガの影響

として理解していくものです。
(野坂祐子著「トラウマインフォームドケア」 )




私は、当事者と関わっている中で、

彼ら、彼女らのストレスや欲求不満に対しての耐える力

その脆弱性に、驚きと同時に疑問を感じていました。

敏感、繊細と言えば聞こえはいいですが、

「あまりにも弱すぎる、なぜだろう?」と思っていました。




周囲からは、「考え過ぎよぉ」なんて言われるばかりで、

ぬぐいきれない不安に、さらに落胆してしまうような

状態でした。




その疑問を解いてくれたのが、

「家族内トラウマ」という概念です。

これを知ったきっかけが少し面白いものでした。




精神科医の斎藤環(たまき)氏が、ひきこもりに関する本

「社会的ひきこもり」(PHP新書)を出版したということを

聞き、書店に買い求めに行ったのですが、

精神科医の斎藤何某というあやふやな記憶だけで行った

ために、他の著書を間違えて購入してしまったのです。




その著者は、精神科医の斎藤学(さとる)氏でした。

同じ精神科医の斎藤さんでしたので、

うっかり間違ってしまったわけです(笑)。

しかし、これが私にとっては正解だったのです。




斎藤学氏は、家族機能研究所の代表であり、

アディクション(嗜癖)治療の第一人者です。

氏の著書から、家族内トラウマアダルトチルドレン

依存症などの知見を得られ、抱えていた疑問が

スッキリと解けていったのです。




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