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解決支援者の現場日記 : 旧ブログ 家族問題: 2009年10月

責任からの逃避

ある新聞に「引きこもる大人たち」という連載があっていました。

この中に40歳の男性の事例がありました。

 

 

高校卒後、28歳で国立大へ入学したものの退学。

夜間に編入するもそこでも退学。すでに30歳を過ぎていた。

これまでにもバイトや就職も経験してきたが長くは続かず、資格勉強も現在やっているそうだが。

 

 

社会や政治の批判を延々と繰り返してきた男性は、親にも怒りの矛先を向けてきたとのこと。

大学合格がどんなに大変だったか。どうして努力を認め、ほめてくれなかったか

ここまで追い込んだのは親だ

 

 

親はそんな息子に対して、

「でることはいろいろやったけど、息子はなかなか変わらない。自分たちが育てられたように育てて

きただけなのに・・・」

「働け」と何度も厳しくしかった父親は、「神様はこういう人間もつくるんだな」と最近漏らしたとのこと。

ひきこもり家庭によく見受けられる風景です。

 

 

ここで気がついていただきたいことは、

「息子はなかなか変わらない。自分たちが育てられたように育ててきただけなのに・・・」

この「自分たちが育てられたように育ててきただけ」 ここが問題なのです。

 

 

自分が育てられてきた親の子育てを無批判に継承することは、決してよい選択とは言えません

例えば、両親のどちらかが親と早くに生死別し、係わり合いが少なく育った場合、自分自身も

子どもとの係わり合いが極端に少ない場合がよく見受けられます。

これは、生死別でなくても、肉体的にも精神的にもふれあいが少なかった場合も同じです。

 

 

子どもは親の背中を見て育つ

子どもは自然に育つものだ

これは、親の傲慢さ以外の何ものでもありません。

 

 

「自分も親とそんなに会話をしていたわけではないけど、ひきこもりなどなかった」

こういった声も当事者の親御さんからよく聞かれます。

親との情緒的交流が少なかったことなどから、成人してからの人間関係に支障をきたすことが

少なくないのですが、もちろんみんながひきこもるわけではありません。

子育てにこそ大きく影響するのです

自身の親との関係からの影響が自覚できていないのです

 

 

 また「息子はなかなか変わらない」と言っています。

これも子どもを変えるのではなく、親自身が変わる必要があります

子どもが変わってくれないとしたら、親が少しも変わっていないからです。

 

 

親自身がなかなか自分たちの側にも責任があることを認めたがりません

責任を負うことに対して、あたかも非難されていると取ってしまうからです。

 

 

「親御さんにも責任があるのですよ」と言うと、「私たちが悪いと言うんですか?」

と憤慨なされる方も少なくありません。

責任を負うべきと言っているだけで、「悪い」なんて一言も言っていないのです。

 

 

大学合格がどんなに大変だったか。どうして努力を認め、ほめてくれなかったか

ここまで追い込んだのは親だ

というのは、おそらく本音でしょう。

 

 

わが子が抱えた傷を理解しようと取り組み、痛みに寄り添うことなしに、現状に対してだけ叱責

すれば、子どもはますます自分の世界へ閉じこもります

 

 

この父親は、「神様はこういう人間もつくるんだな」とつぶやいたそうですが、責任を押し付けられた

神様もお気の毒です。

 

 

人は、他人に責任をもっていけなくなると、運やツキのせいにします。

神様までもっていっては救いようがありません。

責任から逃避し続ければ、最後には自分の人生から責任を取らされることを肝に銘じるべきです

 

 

 

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https://www.interbrain.co.jp/topics/2009/06/post-2.php

 

 

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わが子に蒔きおく種

 臨済宗中興の祖と称される江戸中期の禅僧白隠慧鶴施行歌というものがあります。

一節をご紹介しましょう。

 

 

今生富貴する人は  前生に蒔きおく種がある

利口で富貴がなるならば  鈍なる人はみな貧か

利口で貧乏するを見よ  この世は前生の種次第

多くの宝を譲るとも  持つ子が持たねば持たぬもの

少しも田畑譲らねど 持つ子はあっぱれ持つものぞ

 

 

ほんの一部の抜粋ですが、私はかねての支援活動の中で特に考えさせられる箇所があります。

それは、

 多くの宝を譲るとも  持つ子が持たねば持たぬもの

少しも田畑譲らねど 持つ子はあっぱれ持つものぞ

という部分です。

 

 

白隠禅師は、経済的なことで表現していますが、人並みはずれた能力があったからとて、必ず

幸福になれるかというとそうではない。 

親がわが子に財産を残したからとて、それに相応しい器の者でないと身上つぶしてしまう

お金など残さなくても、持つべき子は自力でしっかり財を成す。

わが子の繁昌祈るなら  人を倒さず施行せよ

と、わが子にはをのこすべきことを諭しています。

 

 

私が考えさせられるというのは、徳をのこすことはもとよりですが、わが子にのこす(植える)ものは、

自尊心自己信頼感であるべきだと思うのです。

自尊心自己信頼感が健全に育っていなければ、学歴をつけてあげようと親が努力して(それこそ

お金をかけて)も、不登校になったり、高学歴でも就職面接すら行けない。

また、せっかく大きな会社に就職できても、仕事のミスや上司からの叱責ひとつで、ひきこもりに

なってしまうことだってあるのです。

 

 

逆に自尊心自己信頼感が育っていれば、どんなトラブルやアクシデントに見舞われても、なん

とか解決してしまいます。

親身になってくれる協力者もいるからです。

 

 

私たちは人生早期の発達段階で、自身の人生の“前提”が決定されてしまっているようです。

しかもそれは、養育者に完全にゆだねられているのです。

 

 

前提とは何か?

自分が生きていく環境は、信頼できる人たちと安全に暮らせる環境であり、自分は周囲の人たちか

ら、愛され、求められると自分を信頼していける人生か、常に裏切られ、傷つけられることに怯え、

自分が生きていっていい理由、意義を見いだせない人生かということです。

 

 

どちらの前提で人生をスタートするのかが、養育者の関わり方によって決められてしまうのです。

そして、この前提をプログラムされたことには、本人は気づけず、特に否定的前提は、成人してのち

もあらゆる場面で手を出し、口を出し、本人を脅かします

 

 

ストレスに対しての脆弱性や、常に印象、憶測、気分で物事を判断し、否定的結論から前向きな

行動をとらない癖が身についてしまうのはこの前提のせいなのです

 

 

自分を信頼できれば、親から自立することができます

家族だけとの人間関係に依りすがり、自分の世界に閉じこもる行動は、自分を信頼できずにいる

からです。

 

 

誤った前提を与えてしまったわけは、養育者(親たち)が、自身の人生の初期に満たされなかった

欲求を子育てにおいて無意識の内に満たそうとしてしまったためです

それは、不適切で不健全なわが子への関わりとなり、存在に対してのダメージを与えてしまうの

です。

 

 

自尊心自己信頼感という種さえしっかり植えていれば、

少しも田畑譲らねど 持つ子はあっぱれ持つものぞ

で、親に与えられなくても必要なものはすべて自分で手にしていける人生を送ることができるように

なるのです。

 

 

 

ひきこもり無償支援活動〈たらちねサポート〉事業
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熊本市五福公民館 

 

10月13日 (要予約 0120-870-996)
八代市厚生会館  

 

10月14日 (要予約 0120-870-996)
和水町中央公民館

 

【北九州出張相談会】

10月31日 (要予約 0120-870-996)
北九州市立生涯学習総合センター(北九州市小倉北区大門1-6-43)

 

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