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解決支援者の現場日記 : 旧ブログ 家庭問題: 2009年3月

訪問支援が目指すもの

訪問支援(アウトリーチ)について述べてまいりました。

訪問支援がはたす役割、意味は何かを考えるためには、そもそもひきこもりの支援に必要なことは

何かが明確になっていなければなりません。

 

 

私が関連図書の紹介を乞われた時にお薦めしているものに『ひきこもりと家族トラウマ』があります。

著者は、多重人格研究の第一人者である服部雄一先生です。

この書の内容は、当協会がこれまで行ってきた指導理念を理論的に裏づけするような内容であり、

現場から入ってきた経歴の私としては、臨床家、研究家の立場の方からエールを送っていただいた

ような気がして、とても心強く感じた本です。

 

 

一部抜粋させて頂きますと、「ひきこもりを見る場合、日本人と外国人は目のつけどころが違います。

多くの日本人は「外に出ないこと」「働かないこと」だけを問題にして、専門家も含めて、トラウマ性の

症状-人間不信、対人恐怖、自殺願望、不眠、感情マヒ-に目を向けません

こうした症状を無視すると、ひきこもりは働きもせずに部屋でテレビゲームばかりする怠け者に見え

てきます。

これに対して外国人は、ひきこもりが何年も人を避けて部屋に閉じこもったり、自殺願望をもったり、

人間不信や感情マヒの症状があることに注目します。」(109P)
 

 

 

私はかねてより、不登校・ひきこもりの問題”は何か?ということを相談者の方に問いかけています。

つまり、学校に行っていないことや、ひきこもっている、その状態が最優先で解決すべき問題なのか

を、自問して頂いています。

 

 

「訪問支援活動(アウトリーチ)」https://www.interbrain.co.jp/blog/2009/03/post-88.phpでお話した

名古屋の支援施設のテレビ放映に関しても、この本の中でふれられており、海外専門家たちが絶句

していることや、「これは治療ではない。しかも親のためのものだ。本人のためのものではない

(108P)といった言葉が記されています。

私がこの女性に強い憤りを感じたことは、やはり当たり前のことのようでした。

 

 

この名古屋のひきこもり支援施設「アイメンタルスクール」は入塾生を死亡させた事件を起こした施設

です。こういう事件があると、「いったい何をしたいのかな?親も含め、当事者たちをどうするつもりだろ

う?」と考えてしまいます。問題をどこに置きたいのだろうかと思ってしまいます。

 

 

部屋(家)から出す。家族から離す。集団(社会)生活をさせる。暴力(自他への)を止めさせる。

働かせる。精神病院へ入れる。根性(子も親も)を叩き直す』こういったところが問題として扱わ

れているような印象を受けます。

確かに表面的な課題としては、これらも有りますが、要は何故こうなったか。

それには必ず“訳”があるということです。その“訳”を解消し、さらには、より良く生きていきたいという

意識が生まれれば、結果として上記のことがらは改善されているということです。

 

 

プロセスや手段を目的化してしまうと、本質的な解決から遠ざかります

精神病理を原因にしたてたいといった動きも見られますが、確かに一部病理性がある事例もあります。

であっても、薬を飲ませること、入院させることが目的となっては同じことです。

本人に病気を受容させ、治療への積極性を促し、さらには症状、障害をかかえながらの生き方の充実

(QOL)を模索させていくことが大切だと思います。

そのためには、病人と認めてもらっただけでは解決にはなりません。

 

 

訪問支援の目的はなんでしょう。訪問することが目的となっては意味がありません

いきなり訪問して、声をかけたからといって何の解決にもなりません。

もちろん、本人の了解もないまま強引にドアを開けることは、絶対にあってはならないことです。

 

 

私が訪問する場合は、最初の訪問は必ず日時を伝達します。外出ができる青年の場合は、留守を

される場合があります。それでいいんです。こちらが招かれざる客ですから、本人のテリトリーへの

訪問に対しては、最低限の礼儀をつくすべきです。そしてまた、本人の了解がない場合、絶対にドア

を開けないことを約束し、ドアノブにも手をかけません。これらを徹底することで、当事者は安心して

ドアの向こうにいるようになります。

 

 

訪問支援の目的は、私の場合、当事者に自身のひきこもりがわが家の問題だけではすまなくなって

しまったと認識させる意味があります。わが家の問題である内は、親も子もゆったりかまえてしまい

ます。

第三者が介入することで、社会を意識させることが出来るのです。

 

 

福岡市でも訪問支援事業が取り組まれているようですが、訪問に関して本人の強い拒否がないこと

が条件となっています。斎藤環氏が懸念していたように、支援法が確立されていない現時点では、

それが賢明でしょう。

しかし、本人の強い拒否がない状態であれば、逆に訪問支援の必要はないと思います。

つまり、訪問をせずとも本人が動き出せる可能性が高いということです。

そもそも、訪問支援がどーしても必要なケースというのは、むしろ本人が強く拒否するような場合と

も言えます。

 

 

結論として、訪問支援(アウトリーチ)は、必要に迫られて行うべきもので、安易に話し相手になるため

といったような形で下準備(ここが重要)もないまま行うことは避けるべきだと思っています。

訪問支援法の確立は、実は訪問支援をしなくてもいい方法の確立でもあるのです

どうやって訪問すればいいかを考える前に、どうやったら訪問をしなくてもすむかを考えてもらい

たいものです。

 

 

ひきこもり無償支援活動〈たらちねサポート〉事業
https://www.interbrain.co.jp/topics/2009/01/post-3.php

 

 

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NPO法人地球家族エコロジー協会
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何のための訪問支援?

前回の訪問支援の記述に対して、支援団体の主宰者の方からコメントが入りました。

同伴支援ということを提示しておられます。詳しくはコメントをご覧下さい。

 

 

大変すばらしい取り組みだと思います。

私がかねて申しておりますように、ひきこもりは生き方の病です。

ですから、様ざまな生きざまに触れさせることはとても有意義なことなのです。

 

 

支援者としての私自身、何ものかを分析し、型にあてはめ、期待値に近づけるといったような支援法

をかねて取っておりません。

青年たちにアドバイスしている内容は、全て自分で人体実験(笑)して効果があった改善法だけを伝

えています。自分をより良く成長させられる生き方を提案しています。

ですから、こちらの期待値に近づけるというよりも、彼らがどう化けるか(笑)を楽しみにしているので

す。いろんな化け方があって、“らしさ”が出てくればいいんです。

 

 

ニート層に関して申しますと、なぜ彼らが健全な職業意識、就労意識が育っていないかというと、

社会の中で働くということに関して、手本となるような、憧れとなるような仕事人が周囲にいなかった

仕事に対して、やりがいや生きがいをもって取り組んでいる大人がいなかったということがあげられ

ます。

残業で遅く疲れ果て、グチをこぼし、休日も接待ゴルフでいない会社員の父親に育てられ、「絶対に

会社員にだけはならない!」と言った青年もいました。

 

 

私が訪問支援をする場合というのは、どーしても自室や家から出られないとか、頑固に意地をはっ

ている(笑)場合だけです。 “どーしても”のみです。

しかし、この“どーしても”が当協会の場合は、前回にもお伝えしていますように、意外(?)に少ない

んです。

 

 

たとえ長期のひきこもりの場合でも、訪問まで至らずに、本人が動き出します。

もちろんそれは、やることをやればの話です。

 

 

では何をやるのかということですが、

それは家族の当事者本人への真の寄り添いです。

うわべだけのまやかしの寄り添いではなく、誠の真の寄り添いです。

それが何かは、是非〈たらちねサポート〉https://www.interbrain.co.jp/topics/ へ参加してみてくだ

さい。

 

 

前回ご紹介した調査結果で、ひきこもり経験者、その家族の相談スタッフの対応を期待している理由

として、「専門性や資格よりも、ひきこもりのことを理解し真剣に取り組んでくれる人を相談相手として

望んでいることを示している」とありました。

これについても私は、ひきこもり長期化の一因であると述べました。

その理由をお話ししましょう。

 

 

何でも経験者が一番の理解者であるというのは、うなづけると思います。

確かにそうです。

しかし、こと“ひきこもり支援者、問題解決者に経験したことだけで適正か?”となるとちょっと

違ってくるんです。

精神科医の斎藤環氏がやはり、「経験者が向いているとは限らない」といった見解をお持ちである

ことは、前々回https://www.interbrain.co.jp/blog/2009/03/post-88.php ご紹介しました。

 

 

私は、別の理由で同じ意見をもっています。

どういう理由かといいますと、

ひきこもりになる青少年たちは、あらゆる事象をとらえる時の選択肢が非常に限定され、偏っている

のです。自身の経験への意味づけに多様性がないです。それは、親ごさんも同じです。

だからこそ、傷つき、そして、ひきこもるという行動しか選択できなかったのです。

こちらのブログhttp://forum-hokushin.weblogs.jp/blog/2009/03/post-2a61.htmlも参考にして

みてください。

 

 

ですから、ひきこもりを経験したからとか、わが子のひきこもりを経験したからとはいっても、必ずしも

相談者、支援者に適性とは言い難いのです。

 

 

不登校、ひきこもりの問題解決の際に大切なことは、一般的解答ではなく、あくまでも特定解を見い

だすということです。

特定解というのは、「この子にとっては」という視点から導きだされるものです。

一人一人資質も、家族背景も、成育歴も違います。

経験者であっても、それは「自分の場合はそうだった」に過ぎません。

自分がそうだったから、他もそう」ではないのです。

 

 

よく、勉強熱心な親ごさんが、いろんな関連書を読み「結局どうすればいいか分からない」と判断に

困ったり、当事者が書いた本を読み「自分には参考にならない」という感想をもらす当事者たちは、

誰にでも当てはまるような一般解を期待するから分からなくなるんです。

特定解を導き出すというところになると、自身の経験だけでは追いつかない部分があるのです。

 

 

こういったところからも見えてくる問題は、「ひきこもり支援に何が必要か?」といったところが

不鮮明なまま、様ざまな論議がされたり、思いつき支援策が講じられていることです。

安易な訪問支援が及ぼす弊害はないのか、訪問せざるを得ない場合のその目的は?などにも関連

することですので、次回までこのテーマに言及しようと思います。

 

 

ひきこもり無償支援活動〈たらちねサポート〉事業
https://www.interbrain.co.jp/topics/2009/01/post-3.php

 

 

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【毎週月曜日無料相談会】

大野城市総合福祉センター 午前10時~正午 (要予約 0120-870-996)

詳細は https://www.interbrain.co.jp/counseling/ 

 

【熊本出張相談会】

3月25日 (要予約 0120-870-996)
熊本市青少年センター(熊本市新屋敷1-18-28)を使用させていただきます。
熊本市内近隣地域はご自宅までお伺いもできます。(交通費実費/熊本市役所からの距離による)

 

3月24日 (要予約 0120-870-996)
八代市厚生会館  

 

3月25日 (要予約 0120-870-996)
和水町中央公民館

 

【北九州出張相談会】

4月6日 (要予約 0120-870-996)
北九州市立生涯学習総合センター(北九州市小倉北区大門1-6-43)

 

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地球家族エコロジーとは?

時折、協会の名称について尋ねられる時があります。

今回はこの法人名について少しお話ししましょう。

 

エコロジーとありますので環境団体のようですが、これは、“大いなる大自然に生かされている

ことへの感謝”を表わしています。

私たちは、すべて他からの恩恵を受けて生きています。だからこそ、“あたりまえの事をも与え

られた恵み”と感謝できる心性が必要です。

そして、生活するということは、その恩に報いていく行為です。よって、自己責任に基づいた報恩

としての行動が求められます。

 
 

また、家族エコロジーというのは、家族というものは、循環(円環)的な因果論により、家族それぞれが

影響しあっていることを表わしています。

つまり子どもの変容は、母親だけが原因とか、父親だけが原因とかではなく、循環と調和の絶妙な

バランスを維持している生態系(エコロジー)のように、連なりあう家族が互いに影響を及ぼしあっている

のです。

 

今や環境問題も一国の範囲の問題ではなく、地球規模へ拡大していっています。

世界の国の人々は、大地を共有しています。遠く離れた国に居ても、足を踏ん張っている大地でつな

がっています。まさに分析心理学のユングが提唱した集合的無意識のように人類を連なりあう存在と

しているのが、「地球」の大地です。

古来大和民族は、太陽をお天道さま、大地をうぶすな(産土)さまと大自然への畏敬の念をもって呼称

し、自戒の規範としておりました。

地球家族は、連なりあい、互いの自立性を保ちながら支えあい、活かしあって生きていく、大地(大自

然)に根ざした生き方、共生(Normalization)の家族を表現しています。

 

今回始まった〈たらちねサポート〉https://www.interbrain.co.jp/topics/2009/01/post-3.php は、

これまでの「ゆにわの会」https://www.interbrain.co.jp/yuniwa/ の実績を踏まえ、当事者が部屋

から出られないような状況からでも、両親のはたらきかけにより、動き出せる方法を公開するものです。

協会名に込められた理念の実際化として運営されるものです。

 

 

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【毎週月曜日無料相談会】

大野城市総合福祉センター 午前10時~正午 (要予約 0120-870-996)

詳細は https://www.interbrain.co.jp/counseling/ 

 

【熊本出張相談会】

3月12日 (要予約 0120-870-996)
熊本市青少年センター(熊本市新屋敷1-18-28)を使用させていただきます。
熊本市内近隣地域はご自宅までお伺いもできます。(交通費実費/熊本市役所からの距離による)

 

3月11日 (要予約 0120-870-996)
八代市厚生会館  

 

3月12日 (要予約 0120-870-996)
和水町中央公民館

 

【北九州出張相談会】

3月09日 (要予約 0120-870-996)
北九州市立生涯学習総合センター(北九州市小倉北区大門1-6-43)

 

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