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解決支援者の現場日記 ニート

援助者としての親 ④


不登校・ひきこもりの解決のためには、支援を受けていくことが必要です。

「何を言っても動かない」

「言えば反発される」

「先々、きょうだいに負担をかける」

「どうしていいのか分からない」

だから、支援が必要なのです。




自力で解決できないことを抱えたときに必要なものが〈支援〉なのです。

ひきこもり者は、自力で解決できない問題を抱えたために、ひきこもる

という方法(退散、逃避)
をとったのです。

ですから、支援を受けなければ、長期化していくだけであることは、

わが子を見ていて分かるはずです。




同じように家族もまた、支援を受け、さらにはわが子にとっての援助者

なっていく必要があるのです。

援助していくのは、あくまでもわが子が抱えている問題の解決、再起の

援助
です。

最も注意しなければならないことは、ひきこもりの援助をしてしまわない

ことです。




現状は、例えるならば胎児と同じ状態です。

お腹(自室)の中で臍の緒から自動的に栄養(食事)や酸素が送られ、生きて

いくに必要な最低限の衣食住の提供(援助)がなされています。

ですから、そのままですと、わが子のひきこもりを支える(継続させる)援助

となってしまいます。




本当の援助は、わが子の抱えている問題の解決のためには、ひきこもるという

方法が適切ではないことを自覚させて、最も適した別の解決方法を実行できる

ようにあらゆる方面からサポートしてあげることです。

そのためにも、先ず家族が支援を受けていく必要があるのです。

上手な支援の受け方をこれから話していきましょう。






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援助者としての親 ③


親御さん自身の気がかりは何でしょう?

わが子から背を向けられ、自信を失っていますか?

それとも腹立たしいですか?

途方に暮れていますか?




わが子も自信をもてるものがなく、何かに怯えているのかも知れません。

何かに怒っているのかも知れません。

どうしていいのかも分からず、行き場を失っているのかも知れません。

同じです。

であれば、わが子の気持ちは分かってあげられますね。




わが子にどうしてあげたらいいかを判断するためには、自身がどうして

もらったら、前へ進めるかを考えてみたらいいんです。

恐らく「いったい何が起こっているの?」といった感じでしょう。

不登校にしろ、ひきこもりにしろ初めての経験です。

何が起こってしまっているのか分からなくて当然です。




何かに困ったときの基本は、

「求めよ、さらば与えられん。

 尋ねよ、さらば見出さん。

 叩けよ、さらば開かれん」


です。




先ず動くです。

特に不登校・ひきこもりの場合は、前号②でも述べたように本人は動けません。

ですから、親が先に動くんです。

解決のための援助(助力・協力)を求めていますか?

足を使って、相談窓口や家族会へ尋ね歩いていますか?

また、今はインターネットなどの情報源は無数にあります。

そして、すべてにわたって主体的に実行していますか?





親御さんが先ずそれらが出来て、そしてそれをわが子にそのまま生きた

手本として、教えていかなければならないのです。






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援助者としての親 ②


不登校・ひきこもりを早期に解決するためには、本人たちは動けないでいる

ということを大前提に置いておくということです。

「本人のやる気の問題だから、その気にならなければ何を言っても・・・」

という姿勢は、〈人頼り〉〈あなた任せ〉依存的な姿勢です。




そのやる気(意欲・動機づけ)を親御さんが引っ張り出していくんです。

もちろん、単に「ガンバレ!」ではその気にはなれません。

順番として、先ずはやる気を削いでしまっているものの除去です。




親御さんは、わが子の在りようは常に自分自身と同じ。写し鏡と思っていて

ください。

現状改善、問題解決に意欲がありますか?

ただ困って嘆いているだけになっていませんか?

わが子任せになっていれば、わが子も写したように〈人任せ〉となっています。




自身意欲が不十分なのは、何か気がかりがあるからですよね。

それと同じです。

わが子の気がかりを取り除いてあげることから始めなければ、いきなりやる気

は出てきません。

わが子の気がかり(不満・不安・苦痛)を知るためにも、自分自身の気がかりを

見直してみましょう。






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援助者としての親 ①


前号までに〈ひきこもり家族会〉の有用性を述べてきました。

大きな理由は、ひきこもりは親子の共同作業で継続され、親もまた引きこもり

現象の当事者であるため、動ける当事者として、解決の方向へ動いていけば、

確実に改善していけるからです。

しかし、もちろんこれまで述べてきたように、家族会の運営如何では、かえって

「8050問題」のような長期化を招いてしまいますので、注意は必要です。




当協会では、親御さんに当初から参画して頂き、私共支援者と親御さんがタッグ

を組んで、ひきこもり者をサポートしていく方法で進めています。

そのことが、結果的に多くがアウトリーチ(訪問支援)を必要とせず、当人たち

が自らサポートを求めて出向いてくるといった状況を実現しています。

10年を超すケースであったり、家庭内暴力があっているケースででもです。

これはもちろん不登校の場合も同じです。

それは、親御さんだからこそ、わが子の援助者になり得るからです。

そのことをこれから述べていきましょう。






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ひきこもり家族会が危ない!2-④~終わりに


「8050問題」がにわかに危機的問題としてあげられていますが、この

シリーズで述べてきた理由により、家族会自体が、目的とは裏腹に長期化を

進行させてしまっているという現実があります。


しかも、その自覚がないだけに、怖いところがあります。




どうしてこのような状況になっているかと言うと、〈ひきこもり現象〉という

問題を解決していくんだという認識がないからです。

どういうことかと申しますと、時間の経過により、当人(ひきこもり者)が自然と

意欲を回復していくのを信じて(期待して)待つとしています。

つまり、本人がその気になってくれないかぎり、家族としてはどうにもできない

としてしまっているのです。




当事者家庭は、複数の〈問題〉を抱えています。

ですから、気分や意欲がどうではなく、その問題を解決していく必要がある

のです。

〈問題〉というものは、そのままにはしておけないことです。

具体的な解決方法で、ひとつひとつ解いていかなければなりません。

もちろん問題を解いていくのは、自分です。

「わが子がその気になってくれないかぎり・・・」などと思っている内は、

決して自分が動こうとしません。

この姿勢が、すでに依存です。

ひきこもり現象が家族依存症とも呼ばれる所以です。




問題の解決法が分かるためには、適切な支援者からの助言を求めながら、

学習していかなければなりません。

また、長期戦の間に投げ出してしまわないよう、ストレスコーピング

意欲の喚起もしていかなければなりません。

まま家族会に見受けられるのは、「親が変わろう」「もっと自分のことに

時間を使おう」とレクレーション的な催しで、明るく笑顔をつくろうと

いった取り組みがありますが、そういった視点は一時的な対処にしかなり

得ません。




親が変わることで、わが子にも変化が起こってくることが重要ですから、

親の世界観、人生観、家族観、教育観、生命観などにより良い変化が

起こるような取り組みが必要なのです。

これらのことが、当事者意識をもった親御さんたちで行われる家族会こそ

が、〈ひきこもり現象〉の改善、解決につながる真に有効な家族会なのです。







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ひきこもり家族会が危ない!2-③~声(訴え)を知る


前回述べた学習会は、ひきこもり者の声(訴え)を前提に行っていくべきもの

です。

シリーズ④でも述べたように、ひきこもり者の声を知らぬまま、家族が寄り

集まっても意味をなしません。

ですから、学習会には、ひきこもり者の声を知っている(聞いている)支援者が

必要です。




最も必要なものは、シリーズ⑥で述べた〈先行く家族〉の存在です。

段階的な成果を実現している家族です。

私がこれまで、この〈先行く家族〉がいない家族会が少なくないことを

話しますと、どこかの家族会への参加経験がある方なら、あらかた大きく

うなづかれます。




当協会では、目的に応じて複数の家族会を運営していますが、継続的な

サポートをしている家庭の家族会では、当事者がすでに様々な訓練を受けて

いる段階に来ている家庭や、アルバイトや就労という形で、社会参加を実現

している家庭〈先行く家族〉の参加がもちろんあります。

これから、部屋から出てくるようにはたらきかけを始めていく家庭にとって、

とても励みになります。

最初は、皆同じだからです。動けないところからスタートしています。

そして多くが、アウトリーチ(訪問支援)を必要とせず、実現しているのです。

なぜ必要としないのか。単純です。家族が動くからです。

2-①でも述べたように、ひきこもりは親子の共同作業なのですから、親が

〈ひきこもり〉を支えるのをやめて、わが子を支えることに専念すれば、

ひきこもり者たちは、動けるようになるのです。




まだ、右も左も分からないという家庭に対して開催している家族会に、

「たらちねの会」というものがあります。

この会でも、〈先行く家族〉が参加者に自身の段階的成果の経緯を話して

くださる機会があります。

同じ当事者家庭からの暗闇から光を見い出していった家族の解決の歴史の

話は、どんな精神科医や研究者の話よりも具体性、説得力があります。

〈先行く家族〉の存在が、参加者を癒し、励まし、現状改善のための長い

困難な道程を乗り越えていく勇気を与えてくれるのです。







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ひきこもり家族会が危ない!2-②~必要なこと


自分たちも当事者である自覚がもてたら、自力で生きていけないわが子を

支えていたと思っていたら、実際は〈ひきこもり〉を支えてしまっていた。

ひきこもりが継続してしまう条件をつくってしまっていたということに

気づくことが重要です。

わが子が勝手にひきこもっていたわけではないのです。

知らず知らず手を貸していたということです。




こういったことも含め、家族会の中では、必ず〈ひきこもり現象〉を理解

していくための学習
の時間が必要です。

この学習で大切なことは、あくまでも状況改善、解決のための具体的な

内容
でなければなりません。




よく見受けられるのが、医者をはじめとする精神医療関係者を招いての

疾患や障がいの解説やカウンセリングや心理学の紹介。

研究者による統計的データに基づく傾向、社会的背景や歴史の概説や

文化論などです。

これらの話は、日頃なじみの薄い内容で専門家と称される立場からの話

だけに新鮮に聞こえ、とても勉強をしたような気がしてしまいがちなの

ですが、問題解決という点で、まったく具体性に欠けます。

日々のひきこもり状況の様々な場面に対しての対処に関しての効果的な

具体案の話は、ほとんどありません。




それらの学習は、実際に自室で動けない状態から社会参加までのサポート

実績のある支援者でないとできないでしょう。

医者が、当たり前ですが病気の治し方は詳しいのと同じです。

つまり、実際に解決の経験が多い者からの情報提供でなければ、学習の

効果は期待できないということです。

これまで、対応した事例で、親が医者や身内に精神科医がいる家庭も

ありました。カウンセラーや教師のケースも少なくありません。

基本、ひきこもりは病気や障がいではないのですから。






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ひきこり家族会が危ない!2-①~当事者は誰?


家族会が、ひきこもりの解決の要になることを述べてみましょう。

家族会は、〈ひきこもっているわが子を抱えた家族(親)たちの会〉と認識

されていますが、その認識から改めなければなりません。

そうではなく、〈ひきこもりという現象を起こしている親の会〉です。

つまり、自室に居る青年たちと同じ、まさに当事者の会なのです。

だからこそ、解決の要になり、なくてはならないものなのです。




幸いにも、外出がままならないひきこもり者と違い、外出も出来ますし、

人にも会えます。

ですから、その気になれば、すぐにでも動けます。

自分たちも当事者であるという自覚がもてれば、半分は解決したような

ものです。

ひきこもり現象は、親子の共同作業なのです。




「ひきこもる子」「ひきこもりを支える親」がそろって生じている現象です。

ひきこもり(現象)を支えるから、わが子を支える(援助する)に切り替わる

ことで、改善、解決の方向へ確実に進路が変わっていきます。







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ひきこもり家族会が危ない!⑪~責任の所在


わが子の成長に最も責任を負うのは、もちろん親です。

人格形成や健康にいいも悪いも影響を与えているのが親であることは、

誰しもが承知していることでしょう。

それが、前号で述べたように「ひきこもりは子育てや家庭の問題ではなく、

社会全体の問題だ」
とある家族会の代表の方が仰っていますが、これが

まさに「8050問題」を招いているように思えてなりません。




社会に責任をもっていけば、社会になんとかしてもらおうという行動しか

とりません。(それが家族会設立の目的かも知れませんが)

しかし、事が起こっているのはわが家の中です。

わが身に起こっているのです。

自分がひきこもる子をもつ親であるのです。

ですから、そのことに責任をもつのは自分自身です。

自分の人生に起こっていることですから、自分の人生に責任をもつことは、

あたりまえのことでしょう。




仮に、そのことが生じた(起こった)原因に自身が関与していないことが

あったとしても、その影響を受けていれば、その影響に対して、どう対処

していくかは、自己の責任において判断していかなければなりません。


例えば、わが子が学校でいじめを受け不登校をしているのに、いじめを

したのは自分じゃないからと、何も対処せずほっておきますか?




責任を回避したがるのは、「責任がある」と言うのを「自分が悪い」と

捉えるからです。誰しも悪者にはなりたくありません。

だから回避、転嫁するのです。

しかし、責任の有る無しと、いい悪いは別です。

責任があるというのは、そのことにおいて、主体者、主導者として、

後始末、後片づけを最後まで行なう義務があるということです。

 

誰が悪い」といった犯人探しをするのではなく、〈どこ〉の責任を自分が


負うべきかを考えなければなりません。

災害で家が倒壊したことに責任はありません。

しかし、復興していくことには責任もってとりかかっていく必要があります。




わが子は、自分たちがこの世に、この社会に生んだ(存在させた)子です。

存在を誰からも気づかれないままにしておけますか?

自分の人生に責任をもつ姿勢、生き方が、わが子に困難を乗り越える勇気を

与えることができるのです。







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ひきこもり家族会が危ない!⑩~8050問題の意味


昨日のニュースで「8050問題」が取り上げられ、ある家族会の代表の方の

下記のような発言があげられていました。




「当事者は家族の中で孤立し、家族は社会の中で孤立してしまう。

当事者には自分を責めないでいいよ、一緒に生きていこうよと伝えたい。

親も自分たちだけで悩まないでほしい。

ひきこもりは子育てや家庭の問題ではなく、社会全体の問題だと知ってほしい」





親御さん方へ向け、当事者と同じように自責の念で自分たちを責めないように

との精一杯の配慮で最後の言葉が出ておられるのだろうとは思いますが、

「ひきこもりは子育てや家庭の問題ではなく、社会全体の問題だ」

よもや本気でそう思っておられるのではないことを祈るばかりです。




子育てや家庭の問題ではないと言うのは、何か先天的な障がいか何かですか?

先天的な疾患や障がいは、社会の問題ですか?

「8050問題」で分かるように、ひきこもりが医療ではカバーできない問題で

あることはすでに明白です。




援助、救済は確かに社会が考えていかなければならないでしょう。

社会が何らかの救済インフラを整備していくことは、もっともです。

しかし、ひきこもり自体は、社会が招いたことなのでしょうか。

発生自体に社会が責任を負わなければならないのでしょうか?
 



「8050問題」は、高齢で引きこもりだす人が増えたのではなく、若くに

ひきこもり始め、解決されないまま長期化した結果、高齢になっただけです。

ですから、「親も子も高齢で大変深刻な状態だから、社会が何とかして

ほしい」は、共感を得られる主張ではありません。




「8050問題の危うさ」
でも述べたように、こうなる結果が見えていたのに、

適切な手を打たなかった責任は、どこにあるのでしょうか。

「子育てや家庭の問題ではない」と言い切る根拠は何ですか?

私が支援活動を通し、当事者から聞かされ続けてきた中身は、まさに子育て

と家庭の話でした。

シリーズ④で述べたように、家族会は当事者の声(訴え)も知らず、誰に責任を

もっていきたいのでしょう?

次回は、責任の負い方について話してみましょう。






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