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解決支援者の現場日記 家族問題

援助者としての親 ④


不登校・ひきこもりの解決のためには、支援を受けていくことが必要です。

「何を言っても動かない」

「言えば反発される」

「先々、きょうだいに負担をかける」

「どうしていいのか分からない」

だから、支援が必要なのです。




自力で解決できないことを抱えたときに必要なものが〈支援〉なのです。

ひきこもり者は、自力で解決できない問題を抱えたために、ひきこもる

という方法(退散、逃避)
をとったのです。

ですから、支援を受けなければ、長期化していくだけであることは、

わが子を見ていて分かるはずです。




同じように家族もまた、支援を受け、さらにはわが子にとっての援助者

なっていく必要があるのです。

援助していくのは、あくまでもわが子が抱えている問題の解決、再起の

援助
です。

最も注意しなければならないことは、ひきこもりの援助をしてしまわない

ことです。




現状は、例えるならば胎児と同じ状態です。

お腹(自室)の中で臍の緒から自動的に栄養(食事)や酸素が送られ、生きて

いくに必要な最低限の衣食住の提供(援助)がなされています。

ですから、そのままですと、わが子のひきこもりを支える(継続させる)援助

となってしまいます。




本当の援助は、わが子の抱えている問題の解決のためには、ひきこもるという

方法が適切ではないことを自覚させて、最も適した別の解決方法を実行できる

ようにあらゆる方面からサポートしてあげることです。

そのためにも、先ず家族が支援を受けていく必要があるのです。

上手な支援の受け方をこれから話していきましょう。






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ひきこもり家族会が危ない!2-④~終わりに


「8050問題」がにわかに危機的問題としてあげられていますが、この

シリーズで述べてきた理由により、家族会自体が、目的とは裏腹に長期化を

進行させてしまっているという現実があります。


しかも、その自覚がないだけに、怖いところがあります。




どうしてこのような状況になっているかと言うと、〈ひきこもり現象〉という

問題を解決していくんだという認識がないからです。

どういうことかと申しますと、時間の経過により、当人(ひきこもり者)が自然と

意欲を回復していくのを信じて(期待して)待つとしています。

つまり、本人がその気になってくれないかぎり、家族としてはどうにもできない

としてしまっているのです。




当事者家庭は、複数の〈問題〉を抱えています。

ですから、気分や意欲がどうではなく、その問題を解決していく必要がある

のです。

〈問題〉というものは、そのままにはしておけないことです。

具体的な解決方法で、ひとつひとつ解いていかなければなりません。

もちろん問題を解いていくのは、自分です。

「わが子がその気になってくれないかぎり・・・」などと思っている内は、

決して自分が動こうとしません。

この姿勢が、すでに依存です。

ひきこもり現象が家族依存症とも呼ばれる所以です。




問題の解決法が分かるためには、適切な支援者からの助言を求めながら、

学習していかなければなりません。

また、長期戦の間に投げ出してしまわないよう、ストレスコーピング

意欲の喚起もしていかなければなりません。

まま家族会に見受けられるのは、「親が変わろう」「もっと自分のことに

時間を使おう」とレクレーション的な催しで、明るく笑顔をつくろうと

いった取り組みがありますが、そういった視点は一時的な対処にしかなり

得ません。




親が変わることで、わが子にも変化が起こってくることが重要ですから、

親の世界観、人生観、家族観、教育観、生命観などにより良い変化が

起こるような取り組みが必要なのです。

これらのことが、当事者意識をもった親御さんたちで行われる家族会こそ

が、〈ひきこもり現象〉の改善、解決につながる真に有効な家族会なのです。







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ひきこり家族会が危ない!2-①~当事者は誰?


家族会が、ひきこもりの解決の要になることを述べてみましょう。

家族会は、〈ひきこもっているわが子を抱えた家族(親)たちの会〉と認識

されていますが、その認識から改めなければなりません。

そうではなく、〈ひきこもりという現象を起こしている親の会〉です。

つまり、自室に居る青年たちと同じ、まさに当事者の会なのです。

だからこそ、解決の要になり、なくてはならないものなのです。




幸いにも、外出がままならないひきこもり者と違い、外出も出来ますし、

人にも会えます。

ですから、その気になれば、すぐにでも動けます。

自分たちも当事者であるという自覚がもてれば、半分は解決したような

ものです。

ひきこもり現象は、親子の共同作業なのです。




「ひきこもる子」「ひきこもりを支える親」がそろって生じている現象です。

ひきこもり(現象)を支えるから、わが子を支える(援助する)に切り替わる

ことで、改善、解決の方向へ確実に進路が変わっていきます。







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ひきこもり家族会が危ない!⑪~責任の所在


わが子の成長に最も責任を負うのは、もちろん親です。

人格形成や健康にいいも悪いも影響を与えているのが親であることは、

誰しもが承知していることでしょう。

それが、前号で述べたように「ひきこもりは子育てや家庭の問題ではなく、

社会全体の問題だ」
とある家族会の代表の方が仰っていますが、これが

まさに「8050問題」を招いているように思えてなりません。




社会に責任をもっていけば、社会になんとかしてもらおうという行動しか

とりません。(それが家族会設立の目的かも知れませんが)

しかし、事が起こっているのはわが家の中です。

わが身に起こっているのです。

自分がひきこもる子をもつ親であるのです。

ですから、そのことに責任をもつのは自分自身です。

自分の人生に起こっていることですから、自分の人生に責任をもつことは、

あたりまえのことでしょう。




仮に、そのことが生じた(起こった)原因に自身が関与していないことが

あったとしても、その影響を受けていれば、その影響に対して、どう対処

していくかは、自己の責任において判断していかなければなりません。


例えば、わが子が学校でいじめを受け不登校をしているのに、いじめを

したのは自分じゃないからと、何も対処せずほっておきますか?




責任を回避したがるのは、「責任がある」と言うのを「自分が悪い」と

捉えるからです。誰しも悪者にはなりたくありません。

だから回避、転嫁するのです。

しかし、責任の有る無しと、いい悪いは別です。

責任があるというのは、そのことにおいて、主体者、主導者として、

後始末、後片づけを最後まで行なう義務があるということです。

 

誰が悪い」といった犯人探しをするのではなく、〈どこ〉の責任を自分が


負うべきかを考えなければなりません。

災害で家が倒壊したことに責任はありません。

しかし、復興していくことには責任もってとりかかっていく必要があります。




わが子は、自分たちがこの世に、この社会に生んだ(存在させた)子です。

存在を誰からも気づかれないままにしておけますか?

自分の人生に責任をもつ姿勢、生き方が、わが子に困難を乗り越える勇気を

与えることができるのです。







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ひきこもり家族会が危ない!⑩~8050問題の意味


昨日のニュースで「8050問題」が取り上げられ、ある家族会の代表の方の

下記のような発言があげられていました。




「当事者は家族の中で孤立し、家族は社会の中で孤立してしまう。

当事者には自分を責めないでいいよ、一緒に生きていこうよと伝えたい。

親も自分たちだけで悩まないでほしい。

ひきこもりは子育てや家庭の問題ではなく、社会全体の問題だと知ってほしい」





親御さん方へ向け、当事者と同じように自責の念で自分たちを責めないように

との精一杯の配慮で最後の言葉が出ておられるのだろうとは思いますが、

「ひきこもりは子育てや家庭の問題ではなく、社会全体の問題だ」

よもや本気でそう思っておられるのではないことを祈るばかりです。




子育てや家庭の問題ではないと言うのは、何か先天的な障がいか何かですか?

先天的な疾患や障がいは、社会の問題ですか?

「8050問題」で分かるように、ひきこもりが医療ではカバーできない問題で

あることはすでに明白です。




援助、救済は確かに社会が考えていかなければならないでしょう。

社会が何らかの救済インフラを整備していくことは、もっともです。

しかし、ひきこもり自体は、社会が招いたことなのでしょうか。

発生自体に社会が責任を負わなければならないのでしょうか?
 



「8050問題」は、高齢で引きこもりだす人が増えたのではなく、若くに

ひきこもり始め、解決されないまま長期化した結果、高齢になっただけです。

ですから、「親も子も高齢で大変深刻な状態だから、社会が何とかして

ほしい」は、共感を得られる主張ではありません。




「8050問題の危うさ」
でも述べたように、こうなる結果が見えていたのに、

適切な手を打たなかった責任は、どこにあるのでしょうか。

「子育てや家庭の問題ではない」と言い切る根拠は何ですか?

私が支援活動を通し、当事者から聞かされ続けてきた中身は、まさに子育て

と家庭の話でした。

シリーズ④で述べたように、家族会は当事者の声(訴え)も知らず、誰に責任を

もっていきたいのでしょう?

次回は、責任の負い方について話してみましょう。






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ひきこもり家族会が危ない! ⑨


シリーズ⑥で述べたように、家族会は、組織にしないことが原則です。

特に、現状改善を目的とした会であればなおさらです。

組織化する必要性がないのです。



行政や研究者からは、組織化された家族会は重宝されます。

なぜなら、定量的な分析を試みる際に、アンケートなどで調査しやすいから

です。自分たちで当事者家庭を探すことは現実困難なことです。

その手間がはぶけます。




前回⑧の事例のように、会費を徴収している家族会では、「会員を取られる」

といった発想が出てくるわけです。

現状改善を目的とした家族会であれば、必要なときに集まる集会形式

問題ありません。

会場も公共の場所を利用すれば、安価に、また無料で使用できます。




組織化された居場所ができあがると、そこが逃げ場になってしまいかねません。

家庭(現場)からのです。

解決のためには、あくまでも現場でわが子と正面から相対さなければなりません。

それを避けるための場所になってしまってはならないのです。

エネルギーを充電し、情報を交換し、一番には、具体的な対応策を学びあう場

でなければなりません。




家庭で、家族(夫や妻、きょうだい)の協力が得られていない人の場合、

「なぜ自分だけが」
という不満も積もり、家から離れて互いが共感しあえる

痛み分けの場として、無くてはならない場所となります。

特に世話役の場合、会から必要とされることが、家庭での虚無感を埋め合わ

せてくれるのです。

そうして、家族会との共依存関係が構築され、会の存続が至上目的となり、

事態の改善よりも、改善が遠い(在籍期間の長い)より多くの参加会員が

必要となるのです。




恐ろしきかな。




 



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ひきこもり家族会が危ない! ⑦


家族会に長年参加していても、わが家の事態がいっこうに改善されていない

のはなぜか?

特に運営側、世話役の方たちが前回⑥で述べた〈先行く家族〉になりえて

いないことに他の参加者は疑問を感じないのでしょうか。

疑問を感じた参加者は、会を離れていきます。




シリーズ③
でも述べたように、家族会へ参加していることがトランキライザー

となり、ひととき親としての罪責感や焦りを緩和してくれる効果があります。

ただし忘れてならないことは、わが子に向き合い、現状を改善していくため

の具体的なはたらきかけを学ぶ
ことです。

疾患や障がいの症状を学ぶのではなく(多少は必要ですが)、引きこもりと

いう現象が起こる背景、仕組みを理解する。

最も必要なことは、当事者たちの慟哭の中身(訴え)を知ることです。




家族会に参加することだけでとどまってしまっているのは、あたかも神経症

を患っているのと変わりません。

ユング(分析心理学)は「神経症とは常に、当然引き受けるべき苦しみの

代用物なのである」
と述べています。




どういうことかと言うと、わが子の引きこもりと真正面から対峙する苦痛

から少しでも離れたいがために、家族会の活動(代用物)に熱心になるのです。

わが家ではなく、他の家族のお世話に没頭する方もおられます。

ひきこもり者の中にも、政治や環境問題に熱弁をふるう者がいます。

これも同じです。

こういう笑い話もあります。

ゴミの分別に異常に厳しく、家族にもそれを強要する。

地球環境には優しいが、家族には厳しい引きこもり者です。

自身の問題から目をそらしたいために、他の問題に意識を向けるのです。

過度な潔癖や確認を繰り返す強迫性障がい(強迫神経症)が、引きこもり者に

まま見られるのもまさに同じ現象です。




そもそも、ひきこもり現象は、それを必要とするような家族関係の中から

生じるものですので、その家族間の人間関係に適切に介入する支援がほどこされ

なければ、何らの効果もない
のです。

神経症的な家族会への参加が、かえって「8050問題」を促進してしまうこと

を次回は述べてみましょう。







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不登校を引きこもり化させないために 最終


「子は親の鏡」

「育てたように子は育つ」

「親が変われば子が変わる」


これらが示すことは、これまでのありようから変わっていく必要があるという

ことです。




ではどう変わるのか?

肝心のどう変わっていいのかが分からないでいる親御さんが多いようです。

要は「成長していく」ということです。

成長していくためには、向上心が必要です。現状に甘んじない。

驕らないことを心がけ、価値観を高めていきます。

何に重点を置いて、優先させてきたかを見直してください。




高い価値観は、利他的行為を促します。

家族会での交流の中で、自身の体験を他の家族のために役だたせることに

努めてください。

「徳は孤ならず、必ず隣りあり」(論語)です。

家族会で、互いが情報交換しあったり、励ましあったり、状態、その対応

を説明しあったりすることで、わが家の状況を客観視もでき、わが子に向き

合い、新たなはたらきかけに挑戦していくエネルギーも充電できます。




不登校を引きこもり化させないためには、親が発達成長し続け、自己解決

できないでいるわが子に昨日までとは違う新たな価値観に基づいた生き方

示していかなければなりません。

めんどくさいと感じることこそ積極的に取り組んでください。

なじみのないことだからこそ、そう感じるのです。

繰り返してきたなじみのあることが、今のわが子の状態をつくってきたの

ですから。

親が生き直しができてこそ、わが子が生まれ変われます。






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不登校を引きこもり化させないために 2-①


〈ためになる不登校〉について述べてみましょう。

最も重要なことは、あたりまえですが、不登校を招いた原因、要因になった

であろうものを推察し、改善、解決していくことです。

もちろん、その原因をわが子に問い詰めるわけではありません。

先ずは、安心させてあげることが先決です。




不登校も、子どもが判断決定したひとつの選択です。

自分の判断を親が尊重してくれているということが伝われば、ひとまず安心

します。

ここで大事なことが、尊重するということが、何も不登校を「それはいい

ことだ」「行きたくなきゃ、行かなくていい」と賛成し、積極的に勧める

ことではありません。

適切とは限らないのですから。




今は、ギリギリの選択でわが子がそうしたことですから、同意してあげる

のです。賛成も反対もありません。

それから時間をかけて、なぜその選択しかできなかったのか。

学校に行かないことが、本人にとって何を意味しているのか。

そこに至った背景として、わが子を取り巻く環境、これまでの経緯などを

振り返っていきながら、尋ねていきます。




環境で最も本人に影響を与えているのは、もちろん家庭です。

本人を取り巻く家族(親、祖父母、きょうだい)です。

経緯で重要なものは、生い立ちです。

これらを振りかえることで、わが家の問題点が浮き彫りになってきて、

何を解決しなければならないかが見えてきます。

いいですか。「わが家の」問題点ですよ。

わが子のではありません。




わが家の問題点を通して、そこからわが子の中にある、わが子がわが子

そのまま、ありのままでいられなくしてしまっている本質的な問題


たどりつくようにしていきます。

その過程で、親子のコミュニケーションももちろん増え、互いが見えて

いなかったものが分かり、家族の絆が深まってきます。




家庭がわが子にとって、安全基地になっていたかを確認することが、

親御さんには特に必要なことなのです。

「学校に行くの?行かないの?」ばかりを気にしていては、子どもは安心

できません。






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【不登校をひきこもり化させないために】⑩


不登校のご相談の場合、親御さんにとっては、学校に戻ることが一番の関心

になってしまっています。




それは無理もないことではありますが、不登校という行動で現した集団

不適応
コミュニケーションの不具合人間関係失調などの問題こそ、

優先的に改善していかなければならないことです。

これらがなおざりにされたままですと、たとえ学校に戻れたとしても、

先行きが心配です。




思春期以降、長くひきこもっていた青年たちの中には、過去に不登校を

経験し、一旦学校に戻ったケースが少なくありません。

戻ったことで、問題が解決されたと勘違いしてしまいます。

進級、進学、将来のことを考えての焦り、また、自分の不登校のことで、

親、家族を心配させている、嘆かせていることへの罪悪感から、無理を

して再登校する場合があるのです。

あくまでも、学校に戻るというのは、問題が改善されたその結果として

であり、復学を目的とするのではなく、不登校を招いた問題の改善を目的

としましょう。





ですから、どうせ学校に行けないのなら、その間を有意義な期間にして

みましょう。いわば、ためになる不登校をさせた方がいいのです。

ためになるとは、家族全体にとってです。

では、ためになる不登校とは?





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