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解決支援者の現場日記 教育

不登校を引きこもり化させないために 2-③


不登校でも引きこもりでも、多くの当事者の親御さんは、何かの言葉を

かけたり、何かをしてあげたら本人がその気になって動き出すようなつもり

でおられるようです。

どういうことかと申しますと、「こうしたら、こうなる」といった、

あたかも家電品の取扱説明書のような、いわゆるマニュアル的なものを

欲しがっておられます。

わが子は機械ではありません。

今や、AIで機械に話しかけるだけで、色んなことを機械がしてくれる時代

ですから、そういう感覚になってしまうのでしょうか。




不登校や引きこもりが生じてしまうのも、またそれがいたずらに長期化

してしまうのも、変化が生じたその都度の対応が適切ではなかったことに

大きな原因があります。




子どもは日々、成長発達していっているのです。

その間には、当然様々な危機的な状況もあります。

そういった際に、変化や兆候を見逃してしまったり、表面に現れてからの

対応に誤りがあった
のです。

ですから、現状を改善、解決していくためには、日常から常にはたらきかけ

を行っていかなければなりません。

何かが起こった時どうするではないのです。

成長、発達は今も続いているのですから。




毎日の生活の中で、どうわが子に関わっていき、解決に導いていくかを

親御さんが学んでいかなければなりません。

ですから、サポートを受けるのは先ず親御さんが先なのです。

しかも、継続的にです。

それは、時が止まることなく、わが子の不登校、引きこもりは現在進行形

で続いているからです。

わが子は、機械ではなく、生き物です。常に変化し、予定通りにはいきません。

止まらぬ変化に適切に対応できる自身をつくっていかなければならないのです。







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不登校を引きこもり化させないために 2-②


不登校の間、日常の生活リズムが崩れたり(昼夜逆転)、スマホやゲームに

依存的になれば、ひきこもりへ発展する可能性が高くなります。

入浴の回数が減ったり、歯磨きをしなくなったりと、より自堕落な生活ぶり

になってしまいます。




一人でゆっくり考えさせる時間を与えることで、気づいて動き出すという

ものではありません。

考えるどころか、考えることを避けるようになります。

なぜなら、思い煩い、憂うつになるからです。

考えさせることは必要なのですが、一人ではなく、親子で一緒にです。




不登校の間にやるべきことは、原因になったことの解消です。

やる気になるのを待つのではありません。




例えば、サナギがありますね。

イモムシがサナギにこもっている期間、表面は静かですが、内部では激しい

細胞分裂が起こっていて、一旦はドロドロのスープ状になっているそうです。

それがあの綺麗な蝶に成長していくのです。

凄まじい生命力で、最初の体から変態していき、見事に生まれ変わるのです。




不登校の期間をサナギのようにしていくことが大切です。

原因の解消と新たなスキルを身に具えることをしていかなければ、登校できた

にせよ、2度、3度と繰り返し、やがて引きこもりにつながります。

蝶になって羽ばたいていけるためには、親御さんの助けが必要なのです。






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不登校を引きこもり化させないために 2-①


〈ためになる不登校〉について述べてみましょう。

最も重要なことは、あたりまえですが、不登校を招いた原因、要因になった

であろうものを推察し、改善、解決していくことです。

もちろん、その原因をわが子に問い詰めるわけではありません。

先ずは、安心させてあげることが先決です。




不登校も、子どもが判断決定したひとつの選択です。

自分の判断を親が尊重してくれているということが伝われば、ひとまず安心

します。

ここで大事なことが、尊重するということが、何も不登校を「それはいい

ことだ」「行きたくなきゃ、行かなくていい」と賛成し、積極的に勧める

ことではありません。

適切とは限らないのですから。




今は、ギリギリの選択でわが子がそうしたことですから、同意してあげる

のです。賛成も反対もありません。

それから時間をかけて、なぜその選択しかできなかったのか。

学校に行かないことが、本人にとって何を意味しているのか。

そこに至った背景として、わが子を取り巻く環境、これまでの経緯などを

振り返っていきながら、尋ねていきます。




環境で最も本人に影響を与えているのは、もちろん家庭です。

本人を取り巻く家族(親、祖父母、きょうだい)です。

経緯で重要なものは、生い立ちです。

これらを振りかえることで、わが家の問題点が浮き彫りになってきて、

何を解決しなければならないかが見えてきます。

いいですか。「わが家の」問題点ですよ。

わが子のではありません。




わが家の問題点を通して、そこからわが子の中にある、わが子がわが子

そのまま、ありのままでいられなくしてしまっている本質的な問題


たどりつくようにしていきます。

その過程で、親子のコミュニケーションももちろん増え、互いが見えて

いなかったものが分かり、家族の絆が深まってきます。




家庭がわが子にとって、安全基地になっていたかを確認することが、

親御さんには特に必要なことなのです。

「学校に行くの?行かないの?」ばかりを気にしていては、子どもは安心

できません。






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【不登校をひきこもり化させないために】⑩


不登校のご相談の場合、親御さんにとっては、学校に戻ることが一番の関心

になってしまっています。




それは無理もないことではありますが、不登校という行動で現した集団

不適応
コミュニケーションの不具合人間関係失調などの問題こそ、

優先的に改善していかなければならないことです。

これらがなおざりにされたままですと、たとえ学校に戻れたとしても、

先行きが心配です。




思春期以降、長くひきこもっていた青年たちの中には、過去に不登校を

経験し、一旦学校に戻ったケースが少なくありません。

戻ったことで、問題が解決されたと勘違いしてしまいます。

進級、進学、将来のことを考えての焦り、また、自分の不登校のことで、

親、家族を心配させている、嘆かせていることへの罪悪感から、無理を

して再登校する場合があるのです。

あくまでも、学校に戻るというのは、問題が改善されたその結果として

であり、復学を目的とするのではなく、不登校を招いた問題の改善を目的

としましょう。





ですから、どうせ学校に行けないのなら、その間を有意義な期間にして

みましょう。いわば、ためになる不登校をさせた方がいいのです。

ためになるとは、家族全体にとってです。

では、ためになる不登校とは?





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【不登校を引きこもり化させないために】⑨


不安を減らし、落ち着かせるためには、登校刺激を加えない方が無難です。

ただ大事なことは、学校に行かない間にどう過ごさせるかです。

もちろん好きにさせていれば、ゲームかネットで明け暮れます。

学校生活に強い抵抗を感じさせてしまっている本質的な問題に向き合わ

させることが必要です。




例えば、成績不振を理由にあげているとします。

であれば、登校しなければ苦手な教科の学習時間がしっかり取れるわけ

ですから、復習にあてれば理解が深まるわけですが、そういった時間を

取るかというと、ほとんどしません。

勉強に限らず、苦手意識をもっていることを補っていくことをしないで

いるところに、真の問題が別にあることが示されています。




特定の個人(教師や生徒)に対しての嫌悪感を示した場合でも、転校させても、

数日後には再び登校しなくなるというケースもよくあります。

いずれも、改善、解決すべき問題は何かをしっかり把握しなければ、

対症療法的になり、その場しのぎ、その場をごまかすだけの対応となります。

面倒がらずに原因療法をやっていかなければ、ひきこもりへ発展していくのです。







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【不登校を引きこもり化させないために】⑧


不登校が長期化してしまう理由は、親がその対応に困り、先ずは登校を

促してしまう。子どもは背を向け、一切遮断するか、強く反発します。

強引に引っ張って連れていくような行動に出ると、さらに心を閉ざします。




こういった経験もあり、どこかで「登校刺激は加えない方がいい」といった

言葉を聞くと、途端一切何もはたらきかけることをしなくなります。

その間、子どもは落ち着けますが、一日の大半をゲームやネットで過ごす

ことになってきます。

親は、やきもきしながらもどうしていいか分からず、結果そのまま放置

してしまい、わが子が学校へ行かないのがあたりまえの生活になってしま

います。




「子どもを否定せず、ありのままを認めてあげてください」という助言も

よくありますが、〈ありのまま〉〈そのまま〉と取り違え、本人のなす

がままに、要求されたことはそのまま与え、好きにさせてしまっている

ケースが多いようです。

もちろん、そのままにしていたら、確実に引きこもりへ発展します。




評価を差し挟まず、現実をありのままに見て、何が起こっているのかを

歪めず真っ直ぐに見ていくということです。

さらには、見えているところだけを見ず、背景、わが子がなぜ学校へ行け

なくなったかその要因になったであろうわが子を取り巻く環境や状況

まで、思いをはせるということが大切です。

登校していないことだけを問題視するのではなく、何かの解決し難い問題

を抱えているからこそ、学校へ行けなくなっているという前提で、真の

問題
を確認していくことが重要なのです。





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【不登校を引きこもり化させないために】⑦


様々な事故やトラブルの原因にあるものは、過信慢心です。




問題を抱えた時には、その時点で自身の価値観の限界を表していると捉えると

よいでしょう。

限界に来ているから、越えがたい難問として生じているのです。




わが子の今の在り様は、それまでの両親の価値観の総和です。

であるならば、越えるためには価値観の見直し、修正が必要なのです。

価値観は、自分にとって意義、価値、意味のある、より優先させるものを

選択する際の基準になるものです。

自身の判断力を過信してしまった時に、問題が起こりやすいものです。

子育てにおいても、わが子のために「良かれ」と判断してきた結果が今です。




慢心は、謙虚さと真逆です。

事実に対しての謙虚さを損なうと、向上心も失います。

目の前の現実に真摯に向き合い、学び取ろうという姿勢を欠きます。

そうなると、周囲からの声に耳を傾けることも、わが子からの身を挺した

訴え、叫びを読み取ることもできないままです。

前回述べた無力を覚るということが、慢心を抑えることにもつながるのです。





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【不登校を引きこもり化させないために】⑥


目の前の現実にある問題を解決に導くためには、そのことにおいての無力さ

を認め、本気で「助けてほしい」と手をあげることです。




親御さんたちは、自身の見解から離れられず、その囚われのために日々の

生活がままならなくなってしまっています。

いわゆるお手上げ状態です。

にも関わらず、無力であることを認められなければ、それは否認であり、

否認は、正直さ素直さを奪います。




無力を覚ることは、わが子へのコントロール幻想を捨てるためでもあります。

事実に対して謙虚になり、真摯に向き合う姿勢が大切なのです。

自己都合で、わが子を「復学させよう」「働かせよう」としても、解決

どころか、これまでの繰り返しになってしまいます。




問題は、敵にまわさないことです。

抵抗すれば問題と争うことになります。

問題自体を味方につける。

つまり、問題から何かを学ぶ(得る)という姿勢ができれば、必ずその問題

を越えられます。




正直さや素直さがあってこそ、周囲からの支援をより受けられる受援力

養われるのです。

受け皿が出来ていなければ、援助の機会があっても取りこぼしてしまいます。

「いつか何とかなる」と根拠も無く信じ、頑なにわが家の中だけでやり

過ごそうとしてきた結果が長期化であることに気づいてください。






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【不登校を引きこもり化させないために】②


子どもが不登校になった場合、親は当然その原因を知りたがるものです。

「いじめにあっているのでは?」

「勉強についていけないのでは?」

「友だち関係で悩みがあるのでは?」などなど




これらに対して、支援者側にも「原因追究はあまり意味がない」と述べて

いる方も少なくありません。

「聞いてもほとんど言わない」とこう言うのです。

確かにどの子も、聞いたからとて、すぐに分かりやすく答えてくれるわけ

ではありません。本人だってよく分からないということだってあるのですから。




しかし、だからと言って、原因を知ることが無意味なことは決してありません。

原因をつかめずして、何を解決しようと言うのでしょうか。

決まって出てきます。「今(現状)の改善が重要」と。

最もらしく聞こえますが、これによって原因(病根)はそのままに、単に学校に

戻す、働かせるといったことを至上命題としてしまいます。

「復学して(働いて)よかった、よかった」と肩の荷(?)を下ろした後、数年後

(数か月の場合も)に再び繰り返します。






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【不登校を引きこもり化させないために】①


GW明けは、例年不登校が増える時期ですが、

文部科学省の平成28年度の調査によると、小・中学生の長期欠席している

児童・生徒が20万7600人に達していることが明らかになりました。

そのうち不登校者数は13万人。さらに出席日数の半分にあたる90日以上の

長期欠席者は7万2千人です。

児童・生徒の不登校者の数は、全体の生徒数が減っているにもかかわらず、

平成5年以降増加傾向にあり、小学生で全体の0.17%だったのが0.42%と

2.5倍増、中学生は1.24%から2.83%と2.3倍増えています。

不登校者13万人のうち、何のサポートも受けてない子どもは、全体の86.5%。

人数にすると11万2450人だそうです。



スクールカウンセラーの配置や適応指導教室の設置、フリースクールなど

のサポートが、改善するべくその役割を果たせていないと指摘されても

仕方がないようです。



私どもの支援活動の中でも見えてきているのは、小中学校にかけての長期の

不登校、一旦復学してからの再度の不登校(繰り返し)、兄弟(姉妹)共に不登校、

親もまた不登校経験者といったものです。

さらには、成人の長期ひきこもり者の中に、不登校経験者が少なからずいる

ことも見逃せません。



なぜ、改善されないのか。

昨今は、「8050(7040)問題」という呼称で、ひきこもりのさらなる長期化

も大きく問題視されてきています。

これから少しずつ、このブログで何が見過ごされ、解決できるはずの問題が

いたずらに長期化され、深刻化を招いているかを述べていきたいと思います。






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