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解決支援者の現場日記

< ひきこもり(不登校)~自らもつ責任①  |  一覧へ戻る  |  ひきこもり(不登校)~解決を妨げるのは社会? >

ひきこもり(不登校)~自らもつ責任②


子どもたちは、安心を求め危険を冒してきました。

自身の人生を葬り、親の使命を背負うといった危険を冒してきたのです。

背負いきれなくなった時、反逆または許しを請う意味で自分の世界に閉じこもります。




現実から目をそらさずに受容できた家庭では、本音のぶつかりあいの後、それぞれが

家族の安寧を願っていたことに気づくことができ、分かり合い、ねじれた絆がほころび、

心が解け合ってゆきます。

親子、兄弟姉妹が一つになって眼前の問題に取り組む時、家族の蘇生力が発動します。

それは凛とした潔さ、清々しささえ感じます。

傷つくことを恐れずにわが子に向き合ってください。




防衛は、現実を見失うといった大きな代償をはらうことになります。

わが子がしたこと、その結果(不始末)からわが子をかくまうことは避けなければなりません。

子ども自身が成長のために担わなければならない責任を取り上げてしまっては、一人前には育ちません。

親自身が一切の葛藤を回避し、わが子の〈苦痛を避けるふるまい〉を許すということは、

自立を阻害(障碍)してしまうことになります。





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ひきこもり(不登校)~解決を妨げるのは社会?


あるネット新聞の記事の中のジャーナリストのI氏の論評から考えてみたいと思います。
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/634296

I氏は、ひきこもりの取材を長年続けておられ、全国家族会にも参画しておられます。
 
私は解決実践家の立場で、「目の前の家族の早期解決のためには何が必要か」の視点から述べてみます。
 



「この国の『働かなければだめだ』という圧の強さが、当事者を追い詰めている」と指摘している点ですが、

「だめだ」という表現は別として、社会の中で働くことは必要なことではないのですか?

圧の強さと述べておられますが、働くことは、本人にとっても、望むべくものです。

それは、単に生活の糧を得るためという目的以外にも得られるものがあるからです。

I氏にお尋ねしたいですが、あなたはジャーナリストとして働くことが苦痛ですか?




仕事は、社会の中での役割を与えてくれます。求められる立場を与えてくれます。

存在の意義を与えてくれます。
 
追い詰められたのは、働くことの意味、意義、健全な仕事観をわが子に親が大人たちが示して

こなかったために、社会の中で責任を担っていくといった覚悟ができるほど成熟しきれていないからです。
 
「就労ありき」のひきこもり対策は間違いといった見直しから、最近の論調には

「働かない生き方も認めるべき」といった極端なものが、評論家やジャーナリストに見受けられます。
 



「ひきこもるのは本人の努力不足や甘え、親のしつけなどが原因で「当事者が克服すべき問題」

と捉えられてきたために、責められたように感じた家族は、ひきこもる子どもの存在を隠しがちになった」
 
これはそうではあるのですが、何もひきこもりに限ったことではありません。

「親の顔が見てみたい」という言い回しがありますね。

何か非常識な態度、行動などがあれば、親の育て方がきまって問題視されるものです。

「当事者が克服すべき問題」ではあるのです。

ただ、当事者だけで克服できる問題ではない

家族(特に親)こそが解決していける問題であることを示せなかった支援側の未熟さが、

あきらめを招いたのです。
 



それが、I氏が下記のように示している行政によるたらい回しにも表れています。

「国も社会問題として直視せず、法制度のはざまで行政による相談者のたらい回しも頻発した。

本人や家族だけでは解決困難な問題を放置した長年の結果が今、8050問題として表面化した。

社会構造のゆがみが生み出した問題。

本人より、まず家族が安心できるようサポートを維持していくことが大事だ」
 



ただ、ここにも少し注意が必要です。
 
社会問題社会構造のゆがみが生み出した問題としておられますが、問題が生じている現場は、

あくまでも家庭です。
 
行政が放置したというよりも、家庭の中で親が放置した結果が長期化です。

もとより行政が踏み込める範囲には限界があるのですから。幼児虐待でお分かりでしょう。

「家族が安心できるサポート」の具体的なものを明示して頂けたらと願います。
 
それが単なる「家族会」ではけっしてないことだけは先にお伝えしておきますが。
 



社会構造のゆがみが生み出している問題など、枚挙にいとまがありません。

いじめハラスメントコロナ感染者への差別等々。

惻隠(そくいん)という言葉をご存知でしょうか?
 
「他人の悲しさや苦しみをそのまま見るに忍びない心」です。

人が本来具えている心根です。

この惻隠の情が無い人を「人でなし」と言うのです。
 



社会の偏見、差別が無くなる前に、親の寿命が先に尽きてしまいます。

このブログを書いている最中にたった今、父親が突然亡くなったという知らせが、

支援を行っている家庭から入りました。

社会の構造改革よりも、親の意識変革です。

偏見世間体があろうが、何をより優先させるべきかを判断、実行できる、

より良く生きていける精神的支柱
を備えていくことが急務の課題です。
 
社会がどうこう言ってる内は、誰かがしてくれるのをじっと待つだけです。
 
自己のふるまい、人生にそれぞれが責任をもち、主体的に自ら先に動き出すことが重要なのです。
 
 
 
「変わるべきは、ひきこもる本人でなく、社会の価値観ではないか」

ジャーナリストの性か、最終的には「社会」へ結論をもっていかれるようですが、

その社会を作っているのは、「問われているのは私たち一人一人」とI氏自身述べておられるように、

私たち一人一人です。
 



自己責任という意味合いを、誰にも頼ってはならず自己解決しなければならない

と捉えているむきがありますが、そうではなく、自身の身に起こることで、その原因に

自分が一切関わっていないことなどあり得ません。
 
原因と結果の間に長いタイムラグがある場合、あたかも降りかかった火の粉の如く

自分は何も悪くない被害者だと思ってしまいがちですが、基本自己の人生に関してはすべて自己責任です。

他者の助力、協力をもらいながら自己解決していかなければなりません。
 



「一人一人の内面にある素晴らしいものを認め、寄り添い、生きる希望が感じられるような

メッセージを届ける人材を、地域でいかに育成していくかが支援のカギになる」


支援現場の課題として、生き方を認め、それを応援すること。本人が「こうしたい」と思う

ことを手伝うとしていますが、このような論調が最近はまま見受けられます。

これは、want(欲しい)need(必要)の区別ができておらず、本人たち(親も含め)の求め(欲しい)を

満たすことが解決につながると勘違いしています。

これまでの居場所家族会が失敗してきている原因のひとつがこれです。

必要なことが分かっておらず、何でも認めてあげたら意欲が出ると思っています。

人間は安きに流れるものです。

want(欲しい)を満たそうとすれば、(怠惰)につながります。

支援側が提供すべきものは、当事者たちが分からないでいる解決のために必要なものです。




ミュージシャンのGACKTの発言に興味深いものがありました。

コロナ禍の外出自粛の中で、
 
「人に逢うことや誰かと直接話すこと誰かと触れ合うことに億劫になったり、そんなイケてない感情を

持ってる自分に人間としての危機感を感じた」

 
人と触れ合わなくなった時点で人は人間じゃなくなる。人間とは人と人との間でコミュニティを形成し

互いの関係を保ち感情を相手に届けながら、時には苦しみ時にはもがき、どうすれば笑顔でやっていけるかを

見出し努力して生きていく。だから人間

 
「確かに今は色んな事情があるが、人の本質を忘れるような方向に自らを落とし込んじゃだめだ」
 



ひきこもり者たちは、「生きていていいんだ」という根拠を強く求める実存的空虚感にあえいでいます。

人であるのに、人に癒されなさを抱えているのです。
 
この本質的苦悩にも気づかず、「働かないという生き方も社会が寛容に認めるべきでは」

という安直な意見が最近見受けられますが、「生きていく意味への援助」を個々に対応していけてこそ、

早期解決が実現できるのです。





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ひきこもり(不登校)~自らもつ責任①


親側が傷つきたくない自分を優先(大切に)してしまうと、言わなければならないことも

言えなくなります。

この葛藤(もがき)を乗り越える必要があります。

葛藤そのものが成長を促すという価値観に切り替えることが重要です。




傷ついても現状を受け入れる覚悟を決めるためには、自身の囚われ執着を手放し、

あきらめるということが必要です。

「あきらめる」というのは、明らかに見極め、わが子の発展の可能性を無条件に信じきる

ということです。

これまでの状態だけで、これからを限定しないことです。






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ひきこもり(不登校)~親の成長のための学び


親自身の成長が何のために必要かと言いますと、

先ず、事態を受容できるためです。

わが身(人生)に起こっていることですので、自分自身の問題として責任もって

引き受けなければなりません。

人ごと、わが子任せにしないことです。




そして、覚悟ができるため。

わが子が社会へ参加する覚悟がしっかりできるように、親もまた決心覚悟して解決に

取り組まなければなりません。
 
親からのはたらきかけに対して、背中を向けすぐに動き出さないのは当たり前のことです。

思うようにならないからと、すぐに行動を止めてしまうようでは、解決はほど遠いです。

覚悟が足りません。




そして、事実に対して謙虚になれるため。

事実が物語っていることに言い訳をすれば、責任転嫁になってしまいます。

どんなに良かれと思い一生懸命育ててきたとしても、事実わが子が動けなくなってしまっています。

わが子からの訴えには言い訳せず、真摯に向き合うべきです。



 
そして、向上心

これは成長するためには当然なければならぬものですね。

自己成長の手本をわが子に示すことができなければ、わが子に成長を促すことはできません。

親の成長無くして、ひきこもり(不登校)が解決することは無いのです。

成長するためには、学びを継続していくしかありません。






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ひきこもり(不登校)~親の教育力


親としての役割を果たしていくために、特にわが子を育てていくにあたっての教育力の核

になることは、「観る力」です。
 



子どもが豊かにもっている育つ力を尊重し、子の個性特徴やそのときの状態に的確に

応じた対応(応答性)
をしていく必要があります。
 
この応答性は、愛着の形成のためにも重要なことです。
 



応答的であるためには、子どもをより知るために、よく観ること。変化を見逃さないことです。
 
観るではなく、見るにとどまっていますと、心ここにあらずで、変化に気づきません。

〈観る〉は、観察洞察することです。
 



子どもは、様々なシグナルを送ってきます。

それに気づかなければ、子どもは落胆し、自己解決しなければならなくなります。
 
自力の及ばぬ問題を抱えていれば、当然成すすべもなく倒れこみます。
 
子どもの求めに適切に応答しなければ、理解してもらえない絶望感に子どもは打ちひしがれ、

同時にそんな自分の存在に価値を見出せなくなります。
 



自分を分かってくれているという安心感信頼感自尊心自己信頼感を子どもの中に育てるのです。





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ひきこもり(不登校)~解決の前提にあるもの


私たち大人は、ともするともう子どもではもちろんないので、育ちあがったかのように

思ってしまいがちですが、しかしそんなことはありませんよね。
 
人としての成長人格の陶冶は臨終を迎えるまで、続きます。



 
親という立場も同じです。
 
親もまた、子どもの発達段階に応じて、発達していく「存在」です。
 
〈親になる〉ことよりも〈親である〉〈親をする〉ことの方が難しいと言われます。
 
子を産めば、自動的に親にはなります。
 
ですが、〈親である〉〈親をする〉というのは、その役目役割を実行してこそです。
 



わが子はいくつになっても、自身の子どもであることは変わりません。
 
ですから、子どもの成長、発達に合わせ、親もまた発達していく必要があるのです。
 
現状のわが子の問題を解決していくためには、子どもの育て直しが必要です。
 
それは同時に、親自身もわが子と共に成長していかなければならないということです。
 



子育ての機会は、それを通して自身が成長できる自己研鑽のまたとない機会です。
 
わが子の声にしっかりと耳を傾け、対峙していくことでこそ解決へ向かいます。
 
そのことを怠り、避けているかぎり、現状の改善は見込めないのです。
 
わが子からの訴え(気づき)に感謝することで、あるがままを受け入れられるようになります。






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