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解決支援者の現場日記

< ひきこもり(不登校)~有害な救済とは?⑥  |  一覧へ戻る  |  ひきこもり(不登校)~OKAGESAMAプロジェクト① >

ひきこもり(不登校)~有害な救済とは?⑦

 
有害な救済の最もたるものを最後に述べてみましょう。
 
「原因追究は、解決のための絶対必要条件ではない」という考えです。
 
ある行政の窓口では、相談者に配布するパンフレットの中に、

「原因がわからなければ解決しないと考える必要はありません」と明示しています。

これが大間違いです。

こうもあります。
 
「大切なのは、今いるところからどんな風に改善していくことができるかということです」と。

もっともらしく聞こえますね。
 
これによりどれだけの有害な改善策がなされてきたことか。




ひきこもり者たちが、どうして身を潜めるような生き方しか出来なくなってしまったかを無視して、

何を解決しようとするつもりなのでしょうか?
 
今いるところにしか留まれない原因を解決してあげない限り、本人たちは動けません。

過去の痛み(未解決の悲しみ)に今を支配されているのが、ひきこもり者たちの状態なのです。

ひきこもるという行為を通して、周囲(親)に訴えていることがあることを理解しようとしない

横暴な姿勢です。
 



こういう誤った外側に立つ者の都合による考えが、「外に出せばOK」「就労させればOK」

といった愚行を招き、より長期化(深刻化)を進めたのです。
 
解決すべきは、心に抱えているわが子が困ってしまっていることで、親が困っていることの解決

ではありません。
 
わが子が抱え込んでしまっていることこそが、「原因」なのです。
 
「何が起こっているのか」が見えずして、解決はあり得ません。


(終わり)






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ひきこもり(不登校)~OKAGESAMAプロジェクト①


私も来年還暦を迎えます。

これまでの30年弱の支援活動を踏まえて、ひとつの理想形を実現させたく、還暦を節目に新たな

プロジェクトを進めたいと思い立ちました。

『OKAGESAMA felllowship』と命名しました。

このプロジェクトについて、これから述べていきたいと思います。




私たちは生きていくうえで、様々な問題を抱えます。

その問題が大きければ大きいほど、深刻であれば深刻なほど、それはストレスとなります。

ストレスは、心身を疲弊させますし、より過重であれば死にも至らせます。

ストレス学説を提唱したのは、ハンス・セリエ博士です。

言わば、ストレスに最も詳しい人です。

この方が、「ストレスに克つ方法は?」と尋ねられ答えたのが、「東洋の感謝の原理です」

だったそうです。




何でも、最も詳しい人の言うとおりに素直に愚直に最初はやってみるというのが私の生き方

ですので、心を平安にできるためのこの「東洋の感謝の原理」を模索しました。

そして気づいたのが、私たち日本人には「お蔭さま文化」があることです。

私は医療に携わる専門家ではありませんが、心理療法はその国の精神文化に基づくものでないと

効果があまり無いようです。

何でも科学的に権威づけられたものを信じやすい傾向が見受けられますが、「文化」というものの

影響力は様々な分野に現れています。

特に人の生き方や精神、心を左右しているものこそ「文化」です。

もっと言うと、心の奥、魂を揺さぶるのは科学ではなく先人が残してきた「文化」なのです。

「科学的でない」という言い方をよくする人がいますが、単純すぎるというか視野が狭すぎます。

こういう人ほど、ストレスをためやすいようです(笑)。

私たち日本人に最適な(大和魂に根差した)ストレスへの対処法が、この「お蔭さま文化」にある

という考えに至ったのです。

(続く)






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ひきこもり(不登校)~有害な救済とは?⑥

 
わが子がひきこもり、自身のことをあれこれやらなくなってくると、過度な世話やき行為

始まります。主に母親ですが。

これをイネーブリングといいます。

食事を部屋に運んだり、頼まれた買い物をしたり等々です。

一人暮らしのアパートに食事を運んでいるケースもあります。

直接的には母親が多いですが、もちろん父親の場合もあります。

父親は金銭的なことで間接的にイネーブリングをしてしまっています。
 



このイネーブリングは、もちろん自立を妨げます。

食事が運ばれてくるのは、ホテルのルームサービスと同じです。

「働かないと食っていけない」と常識的に促しても、ひきこもり者たちには通じません。

食っていけてるからです。

食事は三食用意され、汚れた衣服も常にキレイに洗濯され、メモに書いておけば、

買い物まで済ませてくれれば、自分で動く必要はなくなります。
 



イネーブリングは、共依存によるものです。

共依存は、親子で互いに依存しあう状態です。

なぜそうなるのか?

そこには、親子それぞれの愛着の問題があります。




親にとって、わが子からいつまでも頼られることは、親冥利につきるというものです。

ですから、世話をやくことで自分に頼らせようとしてしまうのです。

子どもは逆に、世話をしてもらうことで、それだけ大切にしてもらえている。

愛されているという実感を得られます。

親は必要とされることを必要とし、子どもは愛されることを必要としている。

これが共依存です。




ここには、互いの愛着欲求がそれだけ満たされていないことが背景にあります。

互いが相手から愛されたい、必要とされたいという意識が強まっているのです。
 
互いの需要と供給がマッチングし、共依存」の呪縛にはまります。

こうなると、互いが相手が離れる(自立していく)ことを、阻むようになるのです。
 
自立を願っているようで、実は無意識に手元から離れないようにしてしまっている

ことに気づかないかぎり、長期化が進行します。
 
(続く)





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ひきこもり(不登校)~有害な救済とは?⑤

 
「有害な救済とは?③」で述べたやるべきことを実行させていこうとしても、もちろん抵抗します。

「めんどくさい」とか「分かってる」とか、「うるせぇ!」というのもあるでしょう(笑)。

背を向けたり、あからさまに嫌な表情を見せたりもあります。
 



そういったことが続きますと、「嫌がることを促しても逆効果かな?」と、控えてしまうことが

少なくありません。

声をかける方も決していい気分ではありませんからね。
 
しかし、それでは長期化するのは当然です。




そもそも、本人は現状維持を願っています。

親子で「なんとかならないか?」と思っていますが、中身は違うのです。
 
親は「なんとか前向きにならないか」ですが、本人は「なんとかこのままにならないか」

なのです。

ですから、反発するのは当たり前なのです。
 



不快、苦悩の回避を許すことは、命の活動としての成長を阻むことになります。

筋力増大、健康増進のためには筋トレをしますね。

筋肉に負荷を与えなければ強化されません。

「嫌がるのもかわいそう」では、仇になります。

もちろん、与える負荷は適切なものでなければなりません。

無意味な苦労はさせる必要はありませんが、楽をさせれば自力で立てるようには

なりません。

生んだ命を活かすことに決してならないのです。
 
快楽の先取り(前借り)は、将来の困窮を必ず招きます。
 
(続く)
 


 
 
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ひきこもり(不登校)~有害な救済とは?④

 
ひきこもり (不登校)はその選択しかできなかった理由があります。

「有害な救済とは?③」で述べたように、単なるやる気の問題ではありません。

そこには、必ず過去の傷つき体験によるトラウマがあります。
 



このことを話しますと、「今さらトラウマの解消よりも、早く仕事に就かせたい」と、

親御さんから返ってくることがあります。

これでは、わが子の痛みにまったく寄り添っておらず、ただ自分の困りごとの解決だけを

考えているのも同然です。
 
解決すべきは、わが子の困りごとです。
 



ひきこもり(不登校)者たちは、過去の痛み(未解決の悲しみ)に今を支配されている状態

あり、その影響は、自尊心自己信頼感を揺るがし、衝動の抑制忍耐力、人間関係を

結ぶにあたっての、共感力思いやり自己表現力、などに強く現れます。

社会、集団への不適応感は、ここに起因しているのです。
 



お腹をこわしているときに、好物の料理であっても食べたいとは思わないでしょう。

まず不具合を治さないことには、本来の意欲も出せません。
 
しかも、過去の未解決の悲しみには、両親が深く関わっているのですから。

(続く)





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ひきこもり(不登校)~有害な救済とは?③

 
笑顔もなく、いつも不機嫌そうな表情でいられますと、おもわず「やりたいことを探しなさい」

声をかけてしまいがちですが、この言葉かけも不適切です。
 



この言葉かけの意図は、「やりたいことが見つかれば動き出せるだろう」というものですが、

ひきこもり(不登校)現象は、単にやる気の有る無しの問題ではありません。

うかつに「やりたいこと」なんて言おうものなら、「だからゲームやってる」と返されてしまいます。
 



ひきこもり(不登校)者たちは、自分の欲求を自覚できない状態にあります。

自覚できているのは、食欲や睡眠欲くらいでしょう。

熱中できるほどのやりたいことがあれば、そもそもひきこもっていません。

なぜ欲求を自覚できないのか。

それは、欲求を押し殺してきたからです。

求めて叶わぬことは辛いですね。

ですから、はじめから「求めまい」という生き方になってしまっているのです。
 
これまで育ってきた環境で、求めてもそれを挫かれる、他の(特に親)思惑によって動かされる

(従わされる)ことが少なくなかったのです。
 
そうなると、人は好奇心向上心も抑えられ、自己の欲求が見えなくなります。

その状態のわが子に、「やりたいことを探しなさい」は、かえって酷なことなのです。
 



〈有害な救済とは?①〉でも述べましたように、行動の判断が快・不快になってしまっています。

「やりたいこと」もまさに好き嫌いですから、それを求めさせても同じです。

必要性として、「やるべきこと」を考えさせることが大切です。

もちろん、やるべきことは、登校することでも、働くことでもありません。

その前にやるべきことが沢山あります。

自堕落で不衛生な生活になっていませんか?

親子のコミュニケーションは取れていますか?

なぜ出来ていないのですか?
 
それらが出来なくなってしまっている原因の改善、解消、解決が、最優先で行っていく

「やるべきこと」なのです。
 
 
(続く)






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