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解決支援者の現場日記 不登校

ひきこもり(不登校)~適切な援助とは?②

 
自分の可能性期待感をもてるようにしていくことを心がけてください。

どういうことかと言いますと、ひきこもり者たちは自己不信の状態ですので、自身のこれからを

どうしても悲観的にしか捉えられていません。

絶望視すらしています。

なぜ自己不信かと言うと、これまでの自身の失敗挫折体験や現状しか見ようとしていないからです。

可能性ということを考えていません。




可能性というのは、秘められたものです。

何がどう開くかは今はまだ分からないのです。

植物の種と同じです。

種は、適切な環境に蒔いて、丁寧に世話をしていけば花開き、果実を得られます。

それと同じで、自己の可能性に期待感をもてるためには、自分の人生に責任をもって、

自分の世話をさせていくようにしていきます。
 
今の過ごし方が、将来に用意されるものの準備となってしまっていることを認識させること

が大切です。
 
日々の過ごし方を客観視させ、その過ごし方がどういう状態を招いてしまうかを想像させてください。
 



そして、自己信頼感をもたせるためには、決めたことを実行させることです。

「早起きをする」でもいいんです。

目標として定めたことは、自分との約束です。

約束を守らない人間を誰が信頼するでしょうか?

大事なことは、決めたことの先ず実行です。

達成ではありません。

達成できない場合だってあります。

それはやり直しをすればいいだけのことであって、実行することが大切なのです。
 



これまで、わが子が何かに取り組んだ時に、結果だけを見て評価を下していませんでしたか?

努力の経過をきちんと認めてあげられていましたか?

自己都合による勝手な期待を押しつけていませんでしたか?

失敗即ダメとしていませんでしたか?
 
そういう関りがあれば、自己承認の姿勢が身についていません。

常に、他者の承認ばかりを求めようとしてしまい、過剰適応で自分を見失い、周囲の期待に

応えられない、裏切った「ダメ人間」というレッテルを自分に貼ります。 
 
自分を卑下しておいて、自分が自分の味方になってくれるはずもありません。




目標を定め(=自分との約束)、達成のための取り組みに努めている自分を認める〈自己承認〉の習慣

をもたせていきましょう。
 
そうすれば、今は小さな種という可能性が、やがて大輪の花を咲かせ、見事な果実を実らせます。
 




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ひきこもり(不登校)~適切な援助とは?①

 
有害な救済』について以前述べましたので、『適切な援助』について述べてみましょう。

ひきこもり(不登校)者は、何からどう始めていけばいいのかが分からないでいる

状態です。

状況改善のための行動の選択肢を持ちあわせていません。
 
だからこそ、事態(現実)からの退散(逃避)という方法しか取れなかったのです。




選択肢を持ちあわせていない理由は、トラウマこだわり囚われが強く、適応力

育っていないからです。
 
自分と外界との関係性である「世界観」が、非常に狭いため、事態を俯瞰して捉え、

何を優先させるべきかと思考することが出来ないからです。

こういう状態のわが子が、自然と動き出すのを待っていても、その期待は叶いません。
 
まだまだ本人のやる気の問題と捉えているむきが見受けられますが、そうではありません。

具体的な指針を示し、実行につながる道筋を与えることが必要なのです。

説教ではありませんよ。




何からどう始めていけばいいのかが分からないのは、親側も同じですよね。

わが子が動けないでいる気持ちは、よく分かるはずです。

どういった指針を示し、どう道筋を与えてあげればいいのかが分からなければ、

手足を使って動き、考え、動き続けることです。

調べる、尋ね歩く、両親(夫婦)で考えあう、学び成長していくことを怠らず、やめない

ということです。
 
(続く)
 





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ひきこもり(不登校)~自らを動かすものは?

 
前回述べた「自律」に必要なものが、意志の力(勇気)です。
 
勇気の反対は臆病でしょうか?
 
確かに憶病ではあるでしょう。
 
失敗を二度としたくないから、何も挑戦しない生き方を選んだのが〈ひきこもり〉という行動

であるわけですから。
 



しかし、憶病というよりも、勇気の反対は、追従依存です。
 
つねに誰かの判断でしか生きられず、しなだれかかって生きていくのですから。
 
これでは、自分の人生に責任をもち、自分の人生を生きているとは言えません。
 
当然、幸福感を味わえるわけもありません。
 



では、どうすれば勇気をもてるようになるでしょうか?

それは家族の理解、痛みへの寄り添いによって、“安心感”を得られてこそもてるものなのです。
 
失敗しても、自分の中で想定している恥ずかしいことも、情けないことも、傷つくこともない

とすれば、何事かに挑戦してみようという気になりますよね。
 
家族(特に親)が、本人の現状の困難さを理解し、抱えている痛みに親身になって寄り添う

ことで、安心感を得られます。
 



「自分はここに居ることを否定されるものではない。ありのままの自分でいていいんだ」

「抱えてている不安、恐れを分かってもらえている」
 
という安心感から、「この不安をぬぐうための取り組みをしていこう」となるのです。
 
「もう学校行ける?」

「いつになったら働くんだ?」

では、安心感など与えられようはずもありません。
 
もちろん、黙って見ていても、守りにもなりませんし、存在の虚しさもぬぐえません。
 





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ひきこもり(不登校)~自立の前になすこと

 
「自立支援」という文言からか、ひきこもり対策に於いて、とにかく早く就労させて

自活させようといった意図が感じられます。

あたかも、〈就労=脱ひきこもり〉かのようにです。
 
がしかし、「自立」の前に必要なことがあります。

それは、「自律」です。

自らを律する方の自律です。
 



「自律」は、思うように自分を動かしていく「自由」と、自分の目による規制に従う「規律」

を成し得ている状態です。
 
規律というのは、重要なことをはじめにやることとも言えます。
 
自律も出来ないでいて、「自立」はあり得ません。




現在のわが子の生活ぶりを見返してください。
 
感情や行動を自分でコントロール出来ていますか?

昼夜逆転していませんか?

些細なことで、イライラしたり、抑うつになったりしていませんか?

現状、自身が抱えている問題の改善、解決のための行動が出来ていますか?
 
自律力とは、自分で決めた規範に従い、自発的に行動し、わがままを抑える力です。
 
この自律力を身につけさせるための取り組みを先ず行ってからその先に、自立支援が

あるのです。





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ひきこもり(不登校)~OKAGESAMAプロジェクト⑥

 
「うぶすなの庵」は、行き場所〉です。
 
起点は常に家庭です。
 
家庭から行く場所です。
 
改善すべき問題が起こっている現場は、家庭です。
 
ですから、決して家庭からの逃げ場であってはなりません。
 



ここでは、ひきこもり(不登校)現象の理会(理解会得)のための知識や概念を学習し、新たな

価値観を習得していきます。
 
新たな価値観を身に備えていくためには、常にそれに触れ、反復継続していかなければなりません。
 
アルコール依存症者が、一日の断酒を毎日継続し続けるために、自助会のミーティングに
 
参加し続けるように、いつでも足を運べる場が必要なのです。
 
絶えず自身の価値観を見直し、現状を招いた元の価値観に戻らないようにしていかなければ
 
なりません。
 
より良く生きていく力を湧き出させるエンパワメントしていく場所なのです。
 



OKAGESAMAプロジェクトは、すべての生命に価値があると認識し、生命尊重を最優先とする
 
価値観で、大自然に倣い、一切の生きとし生けるものを慈しみ、偏見差別いじめの無い
 
調和の社会の実現を目指す活動でもあります。
 
調和は、互いが認め合い、活かしあい、敬いあう、共感により実現されていくものです。

(終わり)






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ひきこもり(不登校)~OKAGESAMAプロジェクト⑤

 
家族は、本人(ひきこもり者)自身をどうにかしようとすぐしてしまいがちです。

だから、かえって長期化するのです。
 



このOKAGESAMAプロジェクトでは、「より善く生きていくことの支援」を行っていきます。

復学、進学、就労はあくまでも手段であり、プロセスです。
 
ひきこもり者たちが抱えている苦悩は、〈存在の痛み〉です。

「自己の存在と意味の消滅から生じる苦痛」なのです。

存在の意味を見つけ出したいという渇望です。
 
「俺の人生って何なんだー!」

「生きていく意味なんてない!」

「私には何の価値もない!」


といった彼らの叫びにそれがよく表れています。
 
ですから支援の目的は、「生きていく意味への援助」です。
 



存在の痛みの構造は、

将来の夢を失う苦しみ

関係の支えを失う苦しみ

自己決定できる自由を
失う苦しみ

の三つがあげられます。

ひきこもり者たちは、将来の希望を失っていることで、今に生きる無意味さを味わい、

他者との関係性を失い自己喪失の不安を抱え、無力な自分に価値を見出せないでいます。
 



当事者親子に必要なことは、ひきこもりが起きる前の状態に戻ろうとすることではなく、

元の何かを超えて、新しいものや別のものに根本的に変わるという変化、人生観が根本から

変わるような変化、新しい自分に生まれ変わるような変化です。
 
現状の世界観が、心の垣根(境界、限界)となります。

私たちは、価値観によって解釈し、言葉と概念によって説明(物語を語る)するのです。

自分が生きる世界を変容させるためには、言葉と新たな概念の習得によって、現状の解釈を

し直すことが必要です。
 



わが子の現状は、それまでの両親の価値観の総和です。

両親の価値観が変わらなければ、現状に変化を起こすことは出来ないでしょう。

新たな価値観に基づいた新たな生き方を身に備えていく場が〈うぶすなの庵〉なのです。






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ひきこもり(不登校)~OKAGESAMAプロジェクト④

 
トラウマの癒しには「つながり」が必要ということを述べましたが、つながりは家族

にも必要です。

ひきこもりは、家族も社会との接点を断ってしまいがちという問題があります。

わが家と社会との間に壁をつくってしまうのです。

世間体の回避というものです。

「出歩くと目についておかしいから家を出るな」と親から言われ、外出したくてもできなかった

たという事例もありました。
 



家族自体が周囲とのつながりは断てば、解決のために必要な情報も得られません。

当協会は、大野城市総合福祉センター内で18年前から毎週月曜火曜と個別の相談窓口を開設

しています。また、毎月「不登校・ひきこもりフォーラム〈たらちねの会〉」という家族会を

開催し、その中では、毎回90分具体的な解決法の講習も行っています。これらはすべて無料です。

コロナ禍での今年5月からは、毎月オンラインでの無料講習も始めています。

こういった情報も、社会とのつながりを断ってしまっている家庭には届けることができないのです。
 



OKAGESAMAプロジェクトの目的のひとつは、いつでも足を運べる場所をつくることです。

そこはたまり場ではありません。

あくまでも解決のための情報の共有の場であり、当事者家族だけが集まり慰めあう場ではなく、

常に支援者がそれぞれの状況、状態に応じたアドバイスを行い、課題を共有した家族同士が

励ましあい、労い支えあう場そして、先行く家族が他の家族に自らの体験で後ろ盾をしていく場です。
 



ひきこもり現象は、常に現在進行形です。日々生じている問題です。

解決まで常に長期化が進んでいるという認識が必要です。

コロナ禍において、外出の自粛により家族会などの活動が止まり、家族の動きが止まって

しまっているというニュースも目にしますが、臨機応変に動くスピード感が大事です。

家族会が有ろうが無かろうが、わが家の中で休むことなく行っていくことがあるのですから。
 
何をどうしていけばいいのか、わが家に起こっていることを理解していくことが重要です。

また、事態を受け入れられず、解決のためのスタートラインにも立てておらず、いたずらに

時間を経過させている家庭も少なくありません。

受容理解が急務の課題なのです。

それが出来る場作りがこのプロジェクトです。
 




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ひきこもり(不登校)~OKAGESAMAプロジェクト③


「感謝」ストレスに克つ方法ということを話しましたが、ひきこもり者たちは皆、トラウマ

抱えています。

では、そのトラウマを癒すのに必要なものは何かというと、「つながり」です。

ですから、ひきこもるという行為は、当事者たちにとっては逆効果なのです。

その「つながり」を自ら断つわけですからね。




もちろん本人たちは、人と関わることでの傷つきを怖れ、つながりを断っているわけですから、

当座の手段としては、それなりの効果がありますのでやむを得ないところなのですが、断って

いる期間があまりにも長くなってくると、孤独感がつのり、さらに怯えは強くなっていきます。




ひきこもり者たちの根底にあるのは、寂しさです。

ひきこもったから寂しいではなく、寂しかったからひきこもったのです。

寂しさ虚しさを招き、虚しさから生きていく意味自己存在の意味を見失い、ひきこもったのです。

ですから、理解しあえる者同士の「つながり」が必要なのです。

(続く)




 

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ひきこもり(不登校)~OKAGESAMAプロジェクト②


「お蔭さまで」という言葉は、本当に素晴らしい言葉です。

というのは、見えないところ、気づかないところといった意味ですね。

「蔭ながら」という言い方もありますが、自分が得た幸い(健康や成功など)は、見えないところで

支えてくれた人や、様々な環境、好条件が重なって得られたものであり、決して自分一人の力で

得られたものではないことを表しています。




表舞台で活躍できるのは、裏方さんがあってのことです。

日本には着物の額裏など、裏を大事にする文化というものもありますね。

見えにくいところにこそ気を使い美しく飾る、ひとつの美学でもあったようです。

「草葉の陰で見守るご先祖さま」といった言い方もありますね。




「お蔭さまで、ありがとうございます」と、感謝の気持ちを常にもつことで、不満や憂いも

少なくなります。

不満が多い人は、感謝が足りないからです。

不足ばかりが目につき、与えられていることに気がつかないでいるからです。




私たちは、得ているものを「あたりまえ」と思ってしまいがちです。

「あたりまえ」という思いは、慢心です。

慢心があれば、感謝の気持ちは出てきませんし、必ず油断が生じ事故や失敗を招きます。

水道から水が出るのも、今日の食事が頂けるのも、決してあたりまえのことではありません。

わが子の笑顔もそうです。

家族がいつも笑顔でいられるためには、そうしていられる心遣いや気配りが必要です。

子どもは、親以上に気をつかい、心配させぬよう笑顔をつくっていることがあります。




自身が抱える様々な「問題」にも感謝が必要です。

なぜなら、自分の成長にとって必要な気づきを与えてくれるからです。

問題として生じたということは、何らかの見落とし手抜かりがあったからです。

それもまた油断、慢心、また力不足からです。




目の前のわが子のひきこもり(不登校)問題にも、感謝が必要です。

わが子が身を挺して何かを知らせてくれています。

「どうしていいか分からぬまま、時間ばかりが経ってしまいました」という声をよく聞きますが、

先ず事態に対してどう向き合うか、その姿勢から整えていくことが大切です。

「困ったものだ」と不満をこぼしている間は、長期化していくばかりです。




「お蔭さまで」という姿勢には、「自分一人の力ではありません」という謙虚さがあります。

謙虚さが慢心を防ぐのです。

「お蔭さまで、わが子に笑顔が戻りました」と言えるためにも、自分があたりまえと受け流して

いたことの中に、与えられていたもの(=恵み)を発見してください。

(続く)






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ひきこもり(不登校)~OKAGESAMAプロジェクト①


私も来年還暦を迎えます。

これまでの30年弱の支援活動を踏まえて、ひとつの理想形を実現させたく、還暦を節目に新たな

プロジェクトを進めたいと思い立ちました。

『OKAGESAMA felllowship』と命名しました。

このプロジェクトについて、これから述べていきたいと思います。




私たちは生きていくうえで、様々な問題を抱えます。

その問題が大きければ大きいほど、深刻であれば深刻なほど、それはストレスとなります。

ストレスは、心身を疲弊させますし、より過重であれば死にも至らせます。

ストレス学説を提唱したのは、ハンス・セリエ博士です。

言わば、ストレスに最も詳しい人です。

この方が、「ストレスに克つ方法は?」と尋ねられ答えたのが、「東洋の感謝の原理です」

だったそうです。




何でも、最も詳しい人の言うとおりに素直に愚直に最初はやってみるというのが私の生き方

ですので、心を平安にできるためのこの「東洋の感謝の原理」を模索しました。

そして気づいたのが、私たち日本人には「お蔭さま文化」があることです。

私は医療に携わる専門家ではありませんが、心理療法はその国の精神文化に基づくものでないと

効果があまり無いようです。

何でも科学的に権威づけられたものを信じやすい傾向が見受けられますが、「文化」というものの

影響力は様々な分野に現れています。

特に人の生き方や精神、心を左右しているものこそ「文化」です。

もっと言うと、心の奥、魂を揺さぶるのは科学ではなく先人が残してきた「文化」なのです。

「科学的でない」という言い方をよくする人がいますが、単純すぎるというか視野が狭すぎます。

こういう人ほど、ストレスをためやすいようです(笑)。

私たち日本人に最適な(大和魂に根差した)ストレスへの対処法が、この「お蔭さま文化」にある

という考えに至ったのです。

(続く)






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